新たなページ開いたナイン 早稲田佐賀の甲子園 記者ノート

グラウンドに一礼して甲子園を去る早稲田佐賀ナイン=10日
グラウンドに一礼して甲子園を去る早稲田佐賀ナイン=10日
写真を見る

 早稲田佐賀が、7月23日の佐賀大会決勝戦で甲子園初出場を決めた翌日から、唐津市内にある同校グラウンドに連日通った。

 大舞台を控えた練習の様子を報じるのはもちろん、甲子園でも取材する担当記者として、チームの素顔を知るためでもあった。まず、地元とナインの距離が近いことに驚いた。練習中も柵越しに「おめでとう。甲子園でも、どがんしてんでも勝たんばなあ」「そいぎ、頑張ってね」と近所の人が部員に声を掛けていた。

 県外出身者が部員の約9割。「唐津のチームになろう」を合言葉に、部員は地域のごみ拾いにも積極的に参加。唐津市出身の女子マネジャー、栗山侑子さん(3年)が部員に唐津の方言を教えることもあった。

 「甲子園ってどんなところですか」。取材中、目を輝かせて逆に質問してくるナインの目は真っすぐだった。

 迎えた8月10日の甲子園での初戦は、宮崎の聖心ウルスラ学園を相手に5点差を追う苦しい展開。しかし、ナインは諦めず、スタンドも懸命に応援を続けた。

 反撃は及ばず、早稲田佐賀の夢は終わった。グラウンドで「自分の失点のせいだ」と泣き崩れる2年の安在悠真投手の両脇を、3年の森田直哉投手と松隈晴基投手が支えた。試合後の控え室で取材をしているうちに、私も泣けてしまった。自分も大粒の涙を流していた坂元清彦捕手(3年)は「なんで泣くんですか」と泣き笑いした。

 ナインたちに「頑張ったんだから泣くなよ」と明るく声を掛けていたマネジャーの栗山さん。「相手の校歌が流れた時は涙がこぼれてしまった」と本音を明かした彼女だが、「高校最後の夏は宝物になった」と最後は笑顔だった。

 次こそ甲子園で初勝利を。初出場という新たな1ページを開いた早稲田佐賀の2ページ目を、今度は笑顔で取材したい。

=2017/08/13付 西日本新聞朝刊=

ボートレース 直前チェック予想

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]