プロ注目も志望届出さず JR東日本・河浦、すでに巨人3軍斬りデビュー!小倉高では異例、即社会人へ

九州屈指の右腕と呼ばれた小倉高3年時の河浦
九州屈指の右腕と呼ばれた小倉高3年時の河浦
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2017年夏の福岡大会でスタンドから小倉高ナインのプレーを見守る安田猛さん
2017年夏の福岡大会でスタンドから小倉高ナインのプレーを見守る安田猛さん
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 夢へ「猪突(ちょとつ)猛進」-。社会人野球の強豪、JR東日本(東京都)に将来のプロ入りが期待される気骨の右腕が加わった。河浦圭佑投手(18)は1947、48年と夏の甲子園2連覇を誇り、福岡県内屈指の進学校でもある小倉高を今月2日に卒業。同校OBでヤクルトの名サウスポーとして70年代を中心に活躍した安田猛さん(71)の助言を受け、大学進学ではなく社会人経由でプロを目指す。

 河浦が好きな言葉は、二つある。一つは真っ赤なグラブの裏革に縫い込んだ「臥薪嘗胆(がしんしょうたん)」。もう一つは強気に打者の内角を攻める投球スタイルを表した「猪突猛進」だ。「安田さんの名前の『猛』も入っている。教わったことを忘れないように」。グラブ袋には「猪突猛進」の上に「安田猛魂」と刺しゅうを施した。

■スカウト注目も志望届出さず

 小倉高ではOBでもある安田さんの指導を受け、140キロ台中盤の速球を投げ込む九州屈指の本格派右腕に成長した。元来プロ志望でスカウトからも注目されながら、最終的にはプロ志望届の提出を見送った。甲子園に出場できなかったからだけではない。「プロに行くだけではない。活躍してこそ本物のプロ。そのためにも力をしっかりと蓄えなさい」との安田さんの言葉にうなずいた。

 進んだのが社会人野球の道。安田さんが一時期JR東日本の投手陣を指導していた縁もあり、決めた。小倉高OBで昨秋から母校を率いる西田弘康監督(54)は「うちの高校で卒業後も野球を続けるなら、まずは大学。即社会人チームに入るのは私が知る限り、おそらくここ二、三十年はないのでは」と説明。JR東日本はソフトバンクにドラフト4位で入団した板東湧梧投手(23)を含めて8年連続でプロ選手を誕生させており、夢実現への鍛錬の場に選んだ。

■先月末デビュー巨人3軍斬り

 既に、2月末に宮崎で行われた巨人3軍との練習試合で社会人デビューを果たした。1回無失点。144キロの直球で空振り三振も奪った。「高校時代は新聞や雑誌で『最速147キロ右腕』とか書かれていたけれど、自分の目で確認した『145キロ』が今の時点での最速」。身長175センチと決して大柄ではないが、周囲の評価に左右されない一本気な性格。「内角を突く投球を生かすためにも、球速より球の質を上げたい。ミスが許されない制球にもこだわっていく」と、取り組むべき課題も理解している。

 身長が170センチほどの安田さんも体格に恵まれなかった。それでも現役時代は当時全盛期だった巨人の王貞治(現ソフトバンク球団会長)に真っ向勝負を挑み、2割5分台の対戦打率に抑えるなど「王キラー」と呼ばれた。「母校を応援したい」と、がんの一種の腹膜播種(はしゅ)と闘いながら、自宅のある東京と北九州市を往復し、河浦らの指導に尽力。そんな安田さんに報いたい気持ちも強かった。「上位でプロに行けるだけの実力と自信を付けたい」。恩師の心とともに「猪突猛進」で道を切り開く。 (西口憲一)

 ◆河浦圭佑(かわうら・けいすけ)2000年12月8日生まれの18歳。北九州市小倉北区出身。足原小1年からソフトボールを始め、霧丘中では軟式野球部。小倉高では2年秋からエース。3年夏は北福岡大会準決勝で飯塚高に6-8で敗れ、悲願の甲子園出場はならず。変化球は110キロ前後のカーブに加えて五十嵐亮太(ヤクルト)の握りを参考にナックルカーブの習得にも意欲的。ツーシームにも取り組んでいる。175センチ、82キロ。右投げ右打ち。

 ◆安田猛さん(ヤクルトで通算93勝、現役引退後はスカウトや編成部長なども務める)「野手と投手の違いはあるが、河浦には(JR東日本から広島入りした)田中広輔選手のような体の強さや馬力がある。マウンド度胸も持ち合わせている。社会人で心技体を磨いてプロから上位でドラフト指名を受けるような投手になってほしい」

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波佐見高左の大砲も同期入社 内野は捕手挑戦中

 野手では波佐見高(長崎)から新加入した内野裕太内野手(18)に期待がかかる。右投げ左打ちのスラッガーで175センチ、80キロの体から放たれる打球はチーム関係者によると「野手陣の中で5本の指に入る」ほど。2年生4番として出場した2017年夏の甲子園では初戦で彦根東高(滋賀)に5-6でサヨナラ負けしたが、大会第1号本塁打を含む2安打3打点と活躍した。高校時代は左翼や三塁が主戦場だったこともあり「逆から守ることで野球に必要な視野の広さを養ってほしい」との堀井監督の方針で捕手に挑戦中だ。

=2019/03/27付 西日本スポーツ=

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