B2福岡、地区V王手 21日にホーム熊本戦 社長はサッカー日本代表本田の元マネジャー

5日の記者会見でB1クラブライセンスの取得を報告するB2福岡の神田社長
5日の記者会見でB1クラブライセンスの取得を報告するB2福岡の神田社長
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 バスケットボール男子Bリーグ2部(B2)のライジングゼファー福岡が44勝9敗と西地区首位を独走し、21日のホーム熊本戦(午後6時、北九州市立総合体育館)に勝てば昇格1年目での地区優勝が決まる。既にB1昇格を懸けたB2プレーオフ進出を確定させるなど快進撃を続けるチームに負けじと、経営不振が続いたフロントも改革に乗り出し始めた。先頭に立つのは2月までサッカー日本代表MF本田圭佑(31)のマネジメントをして、3月に福岡の社長に就任した神田康範氏(37)だ。「3年以内に日本一」と公言する新リーダーに“HONDA流”改革案を尋ねた。 (聞き手・構成=末継智章)

■「スラムダンク」さえ読んだことなかった

 -社長就任の経緯は。

 「打診があったのは1月中旬ごろ。(今夏交代予定の)次期オーナーと親しく、ヘッドハントされた」

 -就任の決め手は。

 「2月中旬のアウェー茨城戦。初めてバスケの試合に行き、見るスポーツとして一番面白いと思った。エンターテインメント性が高く、ファンでなくても取り込める。きっかけを与えれば黒字化できるかもと感じた」

 -バスケとの関わりは。

 「初めてどころか(人気バスケ漫画の)スラムダンクさえ読んだこともなかった(笑)。でもスポーツビジネスをする上で、競技のことを知らなければいけないとは思わない。(2013年に)本田のマネジャーになる前は彼の名前すら知らなかった。最低限の知識があれば、現場はプロに任せるべきだ。ビジネスで何より大事なのは資金です」

 -福岡は経営不振が続く。対策は。

 「クラブの価値を高め、地域のスポンサーにさらなる支援をしていただく。ここはスタッフに任せる。僕は本田のおかげで培えた人脈を使い、ナショナルブランドや大企業にアプローチする」

 -本田選手のマネジメントを5年間務めた。

 「ビジネスの幅が広がった。彼は興味があれば、あらゆる分野の人に直接会って助言をもらう。オフも休まない。すごいのは人脈を惜しみなく使わせてくれたところ。私が辞める時も『今まで培った人脈を大事にしてください』と送り出してくれた」

 -本田選手の精神に共感した。

 「僕が社長に就任した初日、社員に『無理』という言葉を禁句にさせた。無理=限界じゃないですか。限界をつくらないのが本田の信条。実際やってみるとできたことはある。だから本田と一緒に考え、会社(本田が代表を務めるマネジメント会社『HONDA ESTILO』)でも何年か前に禁句にした」

 -「HONDA ESTILO」が運営に参入したオーストリアのサッカークラブ、SVホルンで最高経営責任者(CEO)に就いたのも挑戦。

 「ある日本代表戦が終わった夜、突然『オーストリアのチームに参入するので、家族で行ってもらっていいですか』と。サッカーの知識はなかったが、本田とはあうんの呼吸があった。だから『この状況で本田ならこう考える、と思って経営してくれれば』と言われてCEOになった」

 -苦労も多かった。

 「資金面は何とかなった。リーグに『外国人が経営しているから駄目』と言われ、現地の人に決定権を譲った。ただクラブライセンスや選手契約に関する知識がついた。Bリーグにも共通している部分があり、社長として入りやすかった」

■選手はオール福岡で優勝するのがベスト

 -SVホルンでの経験を生かせる点も。

 「サッカークラブはどこも選手の移籍金で経営を成り立たせている。SVホルンではアフリカに育成組織をつくり、潜在能力が高い逸材を連れてきてビッグクラブに売ろうとしていた。Bリーグはまだ移籍市場が発展していない。自分が(率先して)やろうかなと。実現すればバスケのクラブも経営が安定する」

 -福岡にはホークスやアビスパがある。

 「共存できる。特に(10~5月に開催する)Bリーグと(3月末~11月初旬の)プロ野球はシーズンがあまり重なっていない。将来は福岡の大きな企業が先頭に立って、福岡のスポーツ全体に投資しようという考え方が出てほしい」

 -福岡出身の日本代表選手へのアプローチは。

 「バスケ強国と言われながら、人材が流出している。このクラブに入りたいという魅力がなかったのが理由の一つ。強く経営が安定しているところを見せられれば。オール福岡で優勝するのがベスト。子どもたちがライジングに行きたいと夢見て、スクール、下部組織で育って活躍して優勝するというピラミッドが成立すれば一番いい」

 -西地区優勝目前で、B1昇格が近づいている。今後の目標は。

 「B1で3年以内に優勝する。達成したときに、その先に何が見えるのかですね」


 ◆神田康範(かんだ・やすのり)1981年4月3日生まれ。熊本市出身。済々黌高では野球部に所属し、控え野手だった高3夏は熊本大会3回戦で敗退。大阪外大(現在の大阪大)でアラビア語と韓国語、英語を学び、ブリヂストンスポーツに入社。女子プロゴルファーの全美貞(韓国)らを担当した。スポーツマネジメント会社を経て、2013年に「HONDA ESTILO」へ。15~17年にSVホルンのCEOを務めた。

=2018/04/21付 西日本スポーツ=

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