アメフットX1 オーパーツ福岡SUNS、九州初昇格 元西南大監督桑原氏の遺志継ぎ 代表兼選手吉野氏資金集め奔走

X1昇格を決め喜ぶオーパーツ福岡SUNSの選手たち
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故桑原直樹氏の遺影を持ちX1昇格を喜ぶオーパーツ福岡SUNSの吉野至代表兼選手
故桑原直樹氏の遺影を持ちX1昇格を喜ぶオーパーツ福岡SUNSの吉野至代表兼選手
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第2クオーター、23ヤードを駆け抜けタッチダウンを決めるオーパーツ福岡SUNS・前田(中央)
第2クオーター、23ヤードを駆け抜けタッチダウンを決めるオーパーツ福岡SUNS・前田(中央)
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兄弟QB対決を終え握手を交わすオーパーツ福岡SUNS・前田寛二(左)とサイドワインダーズ・前田龍二
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第3クオーター、前田からのパスを受けタッチダウンを決めるオーパーツ福岡SUNS・岩永(中央)
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 九州初のX1昇格! アメリカンフットボール社会人Xリーグの2部(X2)西地区を制したオーパーツ福岡SUNSと1部(X1)最下位のサイドワインダーズとの入れ替え戦が2日、神戸市王子スタジアムで行われ、オーパーツ福岡SUNSが22-7で勝って、来季のX1昇格を決めた。2017年に九州から初めてXリーグに参戦したチームが、創部からわずか2年で日本アメフット界最高峰のリーグに到達した。

■入れ替え戦快勝

 勝利が決まった瞬間、つないだ両手を天に突き上げた。オーパーツ福岡が入れ替え戦で22-7の圧勝。公式戦負けなしの21連勝で、九州初のX1リーグ昇格を果たした。第2Qに自らの23ヤードランでTDを挙げたQB前田は「どれだけの力があるかは分からないですけど、X1でしっかり頑張りたい」と誓った。

 歓喜に沸く選手たちの輪に一人の遺影が加わった。2017年1月に肺がんのため死去した桑原直樹氏(享年57)。九州のアメフットの発展と普及に尽力した西南学院大監督時代の姿だ。代表兼選手、吉野至氏(30)=現同大監督=は当時ヘッドコーチとしてともに学生を指導した。

 「九州の大学を強化するには、強い社会人チームが欠かせない。私の考えに賛同したのが桑原さんだった」。九州にはXリーグのチームがなく、意欲を持った選手の受け皿が求められていた。関西大時代に学生日本一を決める甲子園ボウルで優勝を経験した吉野氏の情熱に桑原氏は動かされ、発起人として立ち上げの先頭に立った。

 05年から監督として西南大を率い「九州にフットボール文化を根付かせたい」と語った桑原氏は希望の種をまく途中で病に倒れた。“遺志”を受け継いだ吉野氏は、支店経済都市の福岡市を中心に九州で働く競技経験者に声を掛け、関西学院大や立命館大など強豪出身の有力選手が集まった。63選手のうち、関東と関西の大学出身者は27人。西南大など地元九州の大学出身者も加わった。

 吉野氏は運営資金確保のためスポンサー探しにも奔走した。競技への関心が低い土地柄。手を差し伸べる企業はなかなか現れなかったが、発足から約半年後の17年6月、メインスポンサーが発光ダイオード(LED)照明器具製造・販売のオーパーツ(福岡市)に決まった。

 来季は関東での試合が組まれる可能性があるだけに、空路移動も踏まえて約2倍の経費を見込む。「X1でさらにやりがいがあるフットボールができる」と吉野代表は意気込む。大輪の花を咲かせるのはこれからだ。 (喜瀬雅則、西口憲一)

■石内氏も感無量 初代GM

 九州学生アメフット連盟の名誉理事長で、オーパーツ福岡SUNSの初代ゼネラルマネジャー(GM)でもある石内孔治氏(74)も感無量の様子だ。桑原さんや吉野氏らとともにチーム設立に携わっており「無限に輝く太陽であってほしい」との願いを込めた。石内氏によると「1990年代序盤にマイカルベアーズというチームが西日本社会人3部から1部昇格を果たしたと伺っているが、当時はXリーグが存在していなかった」という。つまり、オーパーツ福岡SUNSはXリーグに参戦し「X1」昇格を勝ち取った初のチームとなる。

■QB前田双子対決で制した 右脚負傷も強行出場 後半2本のTDパス

 相手のサイドワインダーズのQBは福岡のQB前田寛二の双子の兄、龍二だった。前夜は両親も交え焼き肉に舌鼓を打ちながら、互いの健闘を誓ったという。「たぶん、うちのディフェンスが想像以上に強かったと思いますよ」という寛二に、龍二は「おまえが上や」と言いながら握手を交わした。寛二は、第2Q終盤に相手タックルを受けて右膝をひねったが、「勝たないと意味がない」とテーピングで固めた右脚を引きずり、強行出場した後半に2本のTDパス。運命に導かれるように兄弟対決となった入れ替え戦で大活躍を見せた。

◆Xリーグとは

 1996年に発足した日本社会人アメフットのトップリーグ。X1(1部)は東、中、西の3地区に分かれ、今年1月に学生王者の日大とのライスボウルを制した富士通や、同ボウル7度優勝を誇るオービックなど18チームが所属。今季は下部のX2(2部)に3地区で18チーム、X3(3部)は17チームが参戦。オーパーツ福岡SUNSは今年4月、X1西地区の強豪エレコム神戸と「Xリーグ交流戦」を行い、14-38で敗戦。現状でのレベルを把握した。

=2018/12/03付 西日本スポーツ=

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