大村ボートの免税店中国人続々 開業2日間で爆買い7000万円超 公営レース場では初

商品の説明を受ける中国人観光客グループ
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大村ボートにオープンした免税店。左奥はレース場のスタンド
大村ボートにオープンした免税店。左奥はレース場のスタンド
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別府競輪の駐車場にある「競輪温泉」
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サイクルピア岸和田のBMXコース。フェンスを挟んですぐ右側は岸和田競輪のバンク
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小倉競輪にあったマルチメディア体験館「アリスラボ」
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■「いずれは舟券も…」誘導作戦を計画 
 大村ボート(長崎県大村市)の敷地の一角に24日、外国人観光客に家電や化粧品、土産物などを販売する「JTC大村免税店」がオープンし、大型バスで乗りつけた中国人でにぎわった。全国24カ所のボートレース場で免税店が開設されたのは初めて。競輪や競馬など他競技でも例がなく、免税店は公営レース業界としても初のケース。大村ボートは「ショッピングをきっかけに、いずれはレース場で舟券も楽しんでもらえたら…」と、多くの外国人観光客が来場することへの期待を膨らませている。

 ▼駐車場1600台分

 「炊飯ジャーをちょうだい」「温水洗浄便座を見せて」「このサプリメントも買うわ」-。中国人観光客が続々と来店したオープン初日の店内に、商品を求める声が飛び交った。この日、長崎市の港から次々とやって来た大型バスは67台。約2600人の中国人が来店し、約3500万円を売り上げた。さらに、次の営業日だった26日には、開業日を超える売上額3800万円を計上した。

 免税店は大村ボートの駐車場の一角に、鉄骨平屋の新たな建物を造ってオープンした。開設したのは全国で免税店を展開するJTC(福岡市)で、大村店は16店舗目。同社はオープン前の8月から9月にかけても、大村ボートのイベントホールに設けた臨時店舗で計5日間の「プレ営業」を行い、中国人観光客が「爆買い」。多い日は約8000万円を売り上げた。プレ営業からの通算来客数は1万人を超えた。

 JTCによると、大村を出店先に選んだのは「海外からの誘客で長崎は重要地点の一つ。その中で、大型バスが何台も止められる敷地の広さや、幹線道路から近いこと」が理由だという。

 長崎港(長崎市)にはクルーズ船で多くの中国人がやって来る。大村ボートは、長崎市とつながる国道34号からすぐの立地で、もともと約1600台分の無料駐車場も備える。都市型のレース場とは違って自家用車での来場が多い地方のレース場としてのインフラや、日本の西端のレース場というアジア各国との距離感の近さが、大いにプラスへ働いた格好だ。

 貸付料は年約460万円。昨年度に391億円を売り上げた大村ボートにとって大きな金額ではないとはいえ、経営面でマイナスになる話では決してない。

 これで「舟券も爆買い」となればさらに明るい話だが、「今のところ、舟券の購入は全くない」(大村ボート)。続々と来店する各グループの滞在時間は1時間程度。その短時間で、中国人にとって全くなじみのないボートレースの面白さを理解してもらい、レース場に入場し、さらに舟券の購入まで誘導するのは正直、大変だ。

 熱烈なボートファンに育つまでにはさらに時間を要しそうだが、それでも大村ボートは「将来への投資」と位置づけて、地道に手だてを施す。中国語パンフレットや中国語のできるレース場スタッフの配置や、移動のバス内でボートレースの紹介映像を流してもらうことなどを計画している。

 初心者には難しい舟券購入用のマークカードについては“中国語カバー”を作成。従来のカードにかぶせて使うことで、分かりやすく買えるようにするという。

 免税店は今後も、中国からの船の入港に合わせて営業。「大村ボートは長崎空港も近い。あらためて来日した際に、カジノで楽しむようにボートレースで遊んでもらえたら…」(大村ボート)。数年後には、大村ボートの水面に中国語の声援が飛び交っているかもしれない。

    ◇      ◇

■その他レース場の異種施設 別府競輪には「温泉」

 レース場に異種施設が設けられている例は全国的にも意外と少ない。その中で、土地の特色を存分に生かした設置例が九州にある。別府競輪(大分県別府市)の駐車場内の「競輪温泉」だ。

 別府は湯の町とあって、市内には銭湯が何十カ所もある中、ここは競輪開催日の昼間は無料という大サービス。競輪の観戦客だけでなく、地元市民や温泉巡りの旅行客などに幅広く親しまれている。

 「自転車つながり」とはいえ、十分に異色と言える目を引く施設が、岸和田競輪(大阪府)の「サイクルピア岸和田 BMXコース」だ。2011年、競輪場の観戦スタンドの一部を取り壊した跡に設けられたため、コースは競輪バンクのすぐそば。公式レースも行われるだけの仕様を誇る。

 伊勢崎オート(群馬県)に隣接するホームセンター「カインズホーム」は、店の土地の一部がもともとオートレース場のもの(一部売却、一部賃貸)。両者は駐車場を共有し、買い物客と観戦客の相互乗り入れを図っている。

 かつてあった施設なら、1998年にドーム競輪場へと生まれ変わった小倉競輪(北九州市)に併設されたマルチメディア体験館「アリスラボ」(02年に閉鎖)の例がある。観客の多数決でストーリーが変化する「インタラクティブ(双方向性)立体映画」などが売り物だった。「北九州メディアドーム」の名称はこの施設の存在が由来。閉鎖後は場外車券売り場にリニューアルされた。


=2015/09/29付 西日本スポーツ=

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