公営競技 九州勢6人 今年も猪突猛進!!

「レース中の判断力を高めたい」と話す出水拓人
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同期には負けられないと気合の木山優輝
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「G2レディースオールスター」に2年連続で選出された山本宝姫
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福岡ボートの2019年フレッシュルーキーに選ばれた竹下大樹
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昨年後半に80点中盤から93点まで伸びた進撃を見せた前田義和
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飛躍を誓う今年24歳の林大悟
飛躍を誓う今年24歳の林大悟
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 2019年も公営競技界は元気-。ボートレース、競輪、オートレース、地方競馬と、昨年も各レース場ではたくさんの感動ドラマがあり、ファンはその歓喜に酔いしれた。今年の干支(えと)は亥(いのしし)。「猪突(ちょとつ)猛進」のように、勢いのある年にしたい。飛躍を目指す九州勢の6戦士を各担当記者が紹介する。

■出水拓人 地方競馬

 馬の個性に合わせた手綱さばきで2年目の飛躍を目指す。佐賀競馬で昨年4月にデビューした出水拓人は「1年目はたくさん乗せてもらって、たくさんの失敗もありました。なるべくミスを減らして、もっと勝ち星を伸ばしたいですね」と意欲を見せる。

 春の初騎乗から約9カ月で30勝、2着48回。「1~2着の数が逆だったら良かったんですが、馬の脚質に合った騎乗ができないこともあったし、うまく乗ったら勝つことができたレースも多かったのでは」と反省を忘れない。

 各地を転戦するヤングジョッキーシリーズで11月に行われた園田競馬(兵庫県)でのレースが印象に残るという。JRA、地方競馬の若手騎手が集まっての腕比べで、鮮やかな逃げ切り勝ち。このレースではすんなりハナに立ったが、後続から激しく競りかけられた。それでも道中でペースを落として、ゴールまで粘りきったのだ。

 その騎乗に象徴されるように、現在、得意な戦法は逃げ作戦。距離が延びての「差し、追い込みでも結果が出るように勉強を続けたいと思っています」と、さらなる成長を誓う。 (吉浦徹)

 ◆出水拓人(でみず・たくと)2000年12月6日生まれの18歳。神奈川県厚木市出身。中川竜馬厩舎所属。小学6年の頃、父の勧めもあって騎手を志す。趣味は釣り。家族は父母、大学生の兄、中学生の弟。18年成績は30勝2着48回。162センチ、48キロ、血液型=A

■木山優輝 オート

 昨年で約1年半乗車した2級車(500CC)は卒業。新年1発目からは車格がアップし、待望の1級車(600CC)に乗り換わる。練習では、すでに好感触を得ていて「自信はある。楽しみしかない」。これから始まる本当の勝負に、木山優輝は胸を躍らせている。

 デビュー後、しばらくは「話にならない」ほど苦しんだ。ただ、先を見据えて先輩に変えられたハンドル、腰周りに慣れ、懸念のハネも解消すると成績はじわり上昇。デビュー丸1年の昨年8月、飯塚西スポ杯でデビュー初優出初V。同期では2番目の速さで表彰台に立った。まず2級車で優勝-を目標とする選手が多い中で、実際に勝てるのは一部。チャンスはきっちりとモノにできる勝負強さは、まさにレーサー向きだ。

 とにかく「負けず嫌い」。2級車では中村杏亮、黒川京介ら同期の出世頭に大きく水をあけられたが、「1級車では絶対に負けない」と鼻息は荒い。師匠はSG4Vの田中茂。整備グループには同8Vの浦田信輔ら超一流がそろう。飛躍への環境は申し分ない。それだけに「情けない走りはできない」。まずは今年中にA級昇格を果たし、特別戦で同期と対決する日を夢見て精進は怠らない。 (三島隆助)

 ◆木山優輝(きやま・ゆうき)1998年11月16日生まれの20歳。福岡県出身。「勝負の世界に身を置きたい」と飯塚高校を中退して選手養成所入り。2017年8月に所属する飯塚でデビュー。師匠は田中茂。4期目で現ランクはB級72位。169センチ、51キロ、血液型=A。

■山本宝姫 ボート

 2017年はわずか1勝だったが、昨年は7勝をマーク。デビュー当時から美女レーサーとして注目を集めていたが、地力アップとともに人気も急上昇中だ。だが山本自身は「(人気に)実力がついてきていない」と不満顔だ。「少しずつ成長している実感はあります。だけど他の人と比べると成長のスピードが遅くて…」。もどかしさがレースにも影響し、「レースがちぐはぐ。思っていることができないと、気持ち的に落ち込んでしまって…」と悪循環に陥った。

 だからこそ、今年はあえて「目標を立てない」ことを目標にする。「目標を達成できなかった時に落胆してしまうのが、自分の弱い部分。なので目標を立てずに、目の前のことを頑張ろうと。その中で成長のきっかけをつかめたらいいなと思う」と、メンタル強化を最重要課題に挙げる。

 3月に児島で開催される、ファン投票上位52人が出場する女子レーサーの祭典「G2レディースオールスター」に2年連続で選出。「本当に感謝しかない。ファンのために、いいレースを見せたい」。人気だけではない。実力も認めてもらえる一流レーサーになる。 (渡辺将司)

 ◆山本宝姫(やまもと・ともき)1996年10月22日生まれの22歳。福岡県出身、山口支部所属。2016年5月に徳山でデビュー。17年3月の鳴門ヴィーナスでデビュー初勝利を飾った。趣味はホットヨガ。118期の同期は宮之原輝紀、栗城匠、関野文ら。160センチ、48キロ。血液型=A。

■竹下大樹 ボート

 昭和から平成、そして新元号へと、多数の強豪を輩出してきた福岡支部。その系譜を新たに受け継ごうとする選手がいる。それが、2019年の福岡ボートのフレッシュルーキーに選ばれた竹下大樹だ。

 121期の養成所時代には在校勝率6・41(同6位)の高成績を残した逸材。デビューしてからまだ未勝利だが、レースで見せる旋回力は見どころたっぷり。「自分が選ばれていいのかなと思うけど、すごく意気に感じるし、選ばれたからには結果を残したい」

 養成所時代の初期は全ての項目において最下位だったという。それが最終的には成績上位で卒業。「どん底からはい上がる根性はあります」。つまり、きっかけ一つで爆発できるということ。フレッシュルーキーへの指名は間違いなく、その起爆剤となるはずだ。

 もちろん、描く未来図も大きい。「今年の目標はA級に上がることだけど、将来的な目標はグランプリで勝つこと。選手になった以上は、そこを目指さないと」。養成所を高勝率で卒業したフレッシュルーキーは篠崎仁志や前田将太に通じる黄金律。「今年一年は迷わず握って攻めます」。19歳の挑戦が始まった。 (森大輔)

 ◆竹下大樹(たけした・だいき)1999年2月13日生まれの19歳。福岡市出身。県立早良高中退。2017年11月デビューの121期生。師匠は97期生の大野芳顕。藤丸光一、鳥飼真、大神康司は同グループ。同期には羽野諒、加倉侑征らがいる。169センチ、55キロ、血液型=A。

■前田義和 競輪

 今年で35歳になる前田義和は、A級1班のいわゆる中堅選手だが「自分はまだまだ強くなれる!」と、少年のような目で訴える。

 鹿屋体大3、4年時に国体スプリントを連覇し、競輪学校には技能試験を免除されて入学。在校成績も20勝で10位と優秀だったが、デビュー後はケガが続き、S級昇格が次第に遠のいた。

 だが一昨年、知人の直感的な引き合いで出会ったトレーナーが前田を変えた。「動作解析のプロで、ネガティブな自分を叱ってくれる愛のある先生。まだ体づくりの段階で自転車の練習は実質ゼロ。これからです」。昨年後半に競走得点が80点中盤から93点まで伸びた快進撃は、始まったばかりだ。

 家庭では、弱気になりがちな前田のため息を吸い取って「パパ、心配なの? 大丈夫だよ」と言ってくれる2人の子どもと、常にプラス思考の妻が応援団。「人との出会いや周囲の支えがうれしいし、感謝でいっぱいです。同期の脇本(雄太)君みたいにとは言えないけど、いつかは記念の決勝に乗りたい」と、目を輝かせる。

 若い頃のようにグランプリの夢を見ることが増えた。だが昔と同じで「脚力の差を痛感して、ゴールする前に終わっちゃうんです」。その夢を最後まで見続けられたとき、前田の念願は現実になる。 (森川和也)

 ◆前田義和(まえだ・よしかず)1984年4月18日生まれの34歳。鹿児島県奄美市出身。94期、A級1班。2008年7月デビュー。再躍進のもう一つの秘密は山崎弘夢(93期=引退)譲りのフレームだ。「カーボン製の競技用自転車に近い乗り心地で最高。彼にも感謝です」。180.7センチ、79キロ、血液型=O。

■林大悟 競輪

 林大悟は思い切りのいい先行を武器に昨年7月、デビュー2年でS級に駆け上がった。昇級後も37戦6勝、2着5回と活躍している。

 ここまでのプロ生活を振り返って「順調です。競輪学校での順位は50位。50人中で一番下だったんです」と、幼さの残る顔で笑った。「競走得点100点に届くとは…。S級ではもっとつまずくと思っていた」。自分が思っていた以上に、急激に力をつけていた。

 競輪一家に育った。祖父から3代にわたって競輪選手だ。2歳下の弟・慶次郎(111期)も7月にS級昇級が確実視される有望株。「父は放任主義で、厳しいことは言わない。でもいつも練習に付き合ってくれます」。父・孝成の愛情のもと、弟と切磋琢磨(せっさたくま)しながら素質を開花させている。

 今年の目標は「同期に追い付くこと。太田君はもう特別競輪で活躍している」。太田竜馬(徳島)はすでにG1決勝も経験している同期の出世頭。まずはビッグレースの出場権を得て、同じ土俵で戦いたい。小倉をホームバンクとする先輩で、G1も制した園田匠(87期)も「早く大きな舞台で、僕の前を走ってくれないと」と待望している。

 現状に満足せず、さらなる飛躍へ。九州勢のけん引役となるべく、在校50位から大逆襲だ。 (野口雅洋)

 ◆林大悟(はやし・だいご)1995年5月15日、北九州市生まれの23歳。県立小倉西高卒。福岡支部の109期として2016年7月、ホームバンクの小倉でデビュー。通算198走98勝、優勝10回。祖父雄幸(期前)と父孝成(59期)は元競輪選手で、弟慶次郎は111期の現役。師匠も父。170.8センチ、78キロ、太もも65センチ、血液型=AB。

=2019/01/03付 西日本スポーツ=

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