J1鳥栖で「『神の子』の子育てる」 元スペイン代表Fトーレスが入団会見 次代のスターづくりに意欲

「ありがトーレス」の掛け軸を手にした鳥栖の竹原社長(右)の横で笑顔のフェルナンドトレス(撮影・伊東昌一郎)
「ありがトーレス」の掛け軸を手にした鳥栖の竹原社長(右)の横で笑顔のフェルナンドトレス(撮影・伊東昌一郎)
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 鳥栖で「『神の子』の子」育成-。J1サガン鳥栖に加入した元スペイン代表FWで世界的ストライカーのフェルナンドトレス(34)が15日、東京都内で入団記者会見を行った。17位でJ2降格の危機に低迷するチームの“救世主”となる強い決意をにじませ「日本で学びたい子どもたちがいるならば指導したい」と次代を担うスターづくりに貢献する意気込みも示した。16日にチームに合流し、22日のホーム仙台戦での“サガンデビュー”を見据える。

 右手を小さく上げながら壇上に上がると「みなさん、こんにちは。日本のみなさん、サガン鳥栖のみなさん、こんにちは」。フェルナンドトレスのたどたどしい日本語のあいさつに、約190人の報道陣が詰め掛けた会場は一気に和んだ。

 米国や中国、オーストラリアなど多くのオファーを受けた中、欧州以外の新天地を希望していた「神の子」が選んだのは日本、九州の鳥栖だった。「最初に関心を示してくれた。信頼感があった。考える時間を与えてくれ、意思を尊重してくれた」。決め手の一つにチームの誠意を挙げた。

 感謝はフィールドで示す。「僕のプレーを楽しみにしてくれている人がたくさんいると思う。来週には何分間かでもいいので試合に出たい」と22日のベアスタでの仙台戦でサガンでの初出場を目指す。映像でチームの戦術は確認済み。18日のアウェー湘南戦時は鳥栖に残って調整に専念し、一気に状態を上げていく考えだ。

 自らのプレーで低迷するチームを救い、日本サッカー界を盛り上げるだけでなく、次代を担う子どもたちの育成にも意欲を示した。「いろいろな技術を身につけて成長できたのは、小さい頃からさまざまなチームで経験したから。日本で学びたい子どもたちがいるならば指導したい」。スペイン代表で通算38得点。世界屈指の点取り屋の経験をすべて還元することも約束した。

 2010年ワールドカップ優勝をともに味わったスペイン代表のイニエスタも、J1神戸に加入。「非常に親しい友人。15歳から一緒にプレーした。彼は世界でも一流の一人。試合をするのは楽しみだが、鳥栖が勝つことを期待している」。盟友と相対する11月10日のアウェー神戸戦が待ち遠しい様子だ。

 日本では家族と暮らし、サッカーだけでなく全国を巡って日本文化を学ぶ希望も口にした。「日本は素晴らしい国。いろんな事を学びたい。素晴らしい経験になると思う」。日本の美徳でもある謙虚な姿勢を貫く世界的ストライカーが、鳥栖での一歩を踏み出した。 (大窪正一)

■フェルナンドトレス一問一答

 -空港に着いたばかりでの会見。疲れは。

 「長旅だったが疲れはない。いつも日本に来ると歓迎されていると感じる。いつかここでプレーするのでは、と感じていた。実現してうれしい」

 -入団の決め手は。

 「アトレチコ(前所属のアトレチコ・マドリード)は今季限りでやめると決めていた。最初に関心を示してくれたのがサガン鳥栖だった。信頼感があった。考える時間を与えてくれ、意思を尊重してくれた」

 -日本のサッカーの印象は。

 「鳥栖を中心に映像は見ていた。日本の選手は技術もあるし、リーグの質は高い。自分が日本でプレーすることによって、サッカーのレベルが向上すればうれしい」

 -現在のコンディションは。

 「シーズンが終わってからも落ちないようにトレーニングをしてきた。トレーナーの意見も聞いて決めるが、できるだけ早く練習に参加して(チームに)溶け込みたい」

 -神戸入りしたスペイン代表の盟友イニエスタに連絡は。

 「契約を伝えると『よかったね』と言ってくれた。彼と試合ができるのを楽しみにしている」

◆ニックネーム募集

 フェルナンドトレスは「神の子」に代わる愛称も募集した。日本での呼び名について質問されると「17歳の時に、ザ・キッドとかエル・ニーニョとか呼ばれたが、名前を付けてくれと言ったことはない」と返答。「ファンの皆さんが、私のプレーを見て決めてくれたら」と呼び掛けた。

◆竹原社長「特別扱いない」

 鳥栖の竹原社長が記者会見の最後にサプライズで「神の子」を祝福した。質疑応答後、写真撮影に入った際、突然壇上に上がり「ありがトーレス」と書かれた掛け軸を披露。これにはフェルナンドトレスも驚き、笑みを浮かべた。竹原社長は「チームが恋した」と言い切るほどの熱の入れようだが「彼が特別というわけではない」と今後はチーム方針や練習法に従ってもらう考えを示した。契約は1年半で1年延長のオプション付き、年俸7億5000万円とみられるが、具体的な内容を問われ、竹原社長は「お金だったら米国や中国、オーストラリアの方がはるかにはるかに上だったのではないでしょうか」とけむに巻いた。

=2018/07/16付 西日本スポーツ=

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