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【連載】頂への道のり 清峰・長崎県勢初の全国制覇<上>結集 地元の少年日本一目指し

花巻東を破り初優勝し、ガッツポーズで喜ぶ今村(中央)と駆け寄る清峰ナイン。右端は花巻東の投手・菊池 第81回選抜高校野球大会で長崎県勢として初優勝を飾った清峰。3完封を含む4完投のエース右腕今村猛(3年)を中心としたナインがひとつにまとまり、聖地の主役になった。公立校では1995年の観音寺中央(香川)以来14年ぶりのセンバツ制覇。強さの秘密はどこにあるのか。紫紺の大旗を小さな町にもたらした軌跡を追った。

   ◇   ◇

 長崎県勢初の優勝を決めた瞬間、エース右腕今村猛(3年)を中心にマウンドで歓喜の輪をつくった清峰ナイン。彼らは中学時代、甲子園で大活躍した先輩たちに大きな刺激を受け、吉田洸二監督のもとに集まった地元の子たちだ。

 清峰は甲子園初出場の2005年夏、愛工大名電(愛知)、済美(愛媛)と優勝経験を持つ強豪を次々に撃破した。さらに06年春は、選抜初出場で準優勝。その旋風に人口1万3000人の小さな町、地元の長崎県佐々町や佐世保市は熱狂し、当時中学生だった現メンバーも夢中になった。

 花巻東(岩手)との決勝でホームを踏んだ嶋崎幸平(3年)も、進撃を伝えるテレビの前にクギ付けとなった1人。「この町からでも決勝に進出できる。今度は僕が、と思った」。栄冠への原動力となったエース今村も「先輩たちの活躍で進学を決心した」と振り返る。06年春の決勝は、横浜(神奈川)に0-21の大敗。それでも、地元の野球少年たちには、全国準Vという「輝き」がまばゆく映った。

 彼らは地元の“エリート”でもあった。今春、背番号「1」を背負った今村から、「7」の辻善幸(同)までの7人と、控えメンバー4人が中学生時代、軟式野球の佐世保地区選抜のチームメート。中学3年時には県大会で準優勝に輝いた。

 地区選抜チームは、県の中学体育連盟が育成事業の一環として03年から編成。長崎、佐世保など県内17地区で選抜チームをつくり、対抗試合を行う。中学時代からの仲間だけに、高校進学後のチームワークも抜群。06年春の準Vメンバーにも、佐世保地区選抜の1期生の6人がいた。

 総合学科の県立校で、全県が学区。最近の甲子園での活躍で、県外からも毎年50人以上の受験の問い合わせがくる。吉田監督は私学の強豪チームに劣る設備面の問題などを理由に県外からの入学を断っているが、本音はこうだ。「ずっと一緒に野球をやっているので、結束力があり、チームがまとまりやすい。だから、地元の普通の子を伸ばしたい」。2001年の監督就任以来、貫いてきた“地産パワー”で日本一へと勝ち進んだ。

【写真説明】花巻東を破り初優勝し、ガッツポーズで喜ぶ今村(中央)と駆け寄る清峰ナイン。右端は花巻東の投手・菊池

=2009/04/04付 西日本新聞朝刊=




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