石田伝説の陰でけがを治し力投 東筑3年の林投手「夏はエースで戻る」

9回のピンチをしのぎ、仲間に声を掛ける東筑の林大毅投手
9回のピンチをしのぎ、仲間に声を掛ける東筑の林大毅投手
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 第90回選抜高校野球大会の開幕試合で23日、夏春連続で甲子園に出場した東筑(福岡)は、東北王者・聖光学院(福島)に競り負けた。最終回に勝ち越し点を奪われ、なおも1死二塁のピンチでマウンドに送り込まれたのは、2番手の林大毅(ひろき)投手(3年)。併殺打で悪い流れを断ち切る快投を見せた。ある日から突然、エースの陰に隠れた苦しい日々が糧になった。「次はエースで」。早くも夏のマウンドを見つめた。

 順風満帆な野球人生だった。小学3年で野球を始め中学時代は軟式野球チームのエースとして全国大会でベスト4。鳴り物入りで東筑野球部に入った。エース石田旭昇(あきのり)投手(3年)が当時その速球を見て「球威では絶対に勝てない」と上手投げから横手投げに変更したほど。1年の秋にはベンチ入りした。

 だが、石田投手とエースを争っていた昨年5月、練習中に右肘に痛みが走った。全治1カ月の剥離骨折。エースの証しである背番号1は石田投手のものとなり、石田姓がエースの年は甲子園に出場するという東筑の「石田伝説」がメディアでも取り上げられ、注目を集めた。昨夏は、甲子園のマウンドに立つ石田投手をスタンドの応援席から見守った。

 けがは治ったが、エースは石田投手のまま。「実力もあり、石田の方が経験が豊富だから」と認める一方、「自分も負けていない」とも思う。腐らず練習を続けてきた。この日、幼いころから憧れ続けた聖地のマウンドでの投球はわずか4球だったが、このうち1球は141キロを計測、自己最速を3キロ更新した。「次は一人で投げ抜く」。夏の夢舞台に向け、戦友の石田投手、そして自分との新たな戦いが幕を開けた。

=2018/03/24付 西日本新聞朝刊=

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