【元球児記者が見たセンバツ】甲子園にのまれた初出場校 粘り強い野球もミス重ねる 星稜に大敗の富島

【星稜―富島】星稜に敗れ、応援席にあいさつに向かう富島の選手たち
【星稜―富島】星稜に敗れ、応援席にあいさつに向かう富島の選手たち
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 第90回選抜高校野球大会で、春夏通じて初の甲子園出場を果たした宮崎県立の富島は29日、春夏通じて30度目の甲子園となる伝統校の星稜(石川)から一時リードを奪うなど、粘り強い野球を見せた。一方で、ミスを重ねて逆転を許し、2-11で敗退しただけに、浜田登監督(50)は「緊張する状況でどれだけ力を発揮できるか」を課題に挙げる。リベンジに燃えるチームは、夏の聖地を目指して早くも気持ちを切り替えた。

 富島は、昨秋の宮崎県大会の5試合中3試合で逆転勝利と粘り強い野球が持ち味。東筑(福岡)との九州大会準決勝も逆転で勝利し、センバツ出場を確実にした。この日の星稜戦でも、1点ビハインドで迎えた三回表無死一塁から連続長短打で逆転するなど、持ち味を存分に発揮した。中川大輝(だいき)主将(3年)は三回表の攻撃を「九州大会のときのようなイケイケムードでした」と振り返る。

 しかし、その直後の三回裏に異変は起きた。エースの黒木将胤(しょういん)投手(3年)が先頭打者から2者連続で四球を与えた後、右前適時打を放たれて同点に。次打者のサードゴロを山下蒼生(あおい)三塁手(3年)が悪送球し、勝ち越し点を献上した。相手打線の勢いはその後も止まらない。さらに二つの失策を重ねて一気に7点を奪われてしまった。

 富島は四回以降、4度も得点圏にランナーを進めたが、プロ注目の星稜・奥川恭伸(やすのぶ)投手(2年)から決定打が出せず、再びの逆転劇はならなかった。山下選手は「逆転した直後からチーム全体が固くなった。自分は、甲子園の大観衆にのまれてしまいました」と悔しそうに打ち明けた。

 同校史初の甲子園に多くの卒業生や保護者が駆けつけたスタンドからは、大声援が送られた。試合前には浜田監督は「緊張はしょうがない。良い意味で開き直って、自分たちの力を発揮しよう」と声を掛けたが、実践は難しかったようだ。

 初めての甲子園で大敗。ただ、試合後の選手たちに涙はなかった。その理由を山下選手はこう語った。「緊張の中でも自分たちの実力を発揮できるか。メンタル面が今後の課題。今日の経験を生かして、夏の大会で悔しさを晴らします」。自分の課題を知った人間がどう変われるか。富島の選手たちが成長した姿を夏の甲子園で再び見たい。(岩佐遼介)

=2018/03/29 西日本新聞=

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