「おまえの配球なら打たれる気がしない」“転職捕手”が投手王国をリード 創成館・平松選手 配球研究、持ち味引き出す

9回のピンチにマウンドに駆け寄り、創成館のエース川原陸投手(右)を励ます平松大輝捕手=1日午後、甲子園球場
9回のピンチにマウンドに駆け寄り、創成館のエース川原陸投手(右)を励ます平松大輝捕手=1日午後、甲子園球場
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 第90回選抜高校野球大会の準々決勝で1日、九州勢で唯一残る創成館(長崎)は智弁和歌山に10-11で惜敗した。ベンチ入り5人と層の厚さを誇る投手陣をリードしてきたのは、1年半前に遊撃手から捕手へ“転職”した平松大輝選手(3年)=福岡県春日市出身。3試合で投手5人が投げた計501球を一人で受け、躍進するチームの扇の要となった。「成長して夏に戻る」と誓う。

 小学3年から野球人生のほとんどを内野手として過ごしてきた平松選手。社会人野球の強豪、九州三菱自動車(福岡市)で捕手として活躍した父の哲也さん(47)の勧めで創成館に進んだものの、伸び悩んだ。「体の使い方が悪く、守備が下手だった」と振り返る。

 転機は高校1年の秋。稙田龍生(わさだたつお)監督(54)が捕手転向を命じた。哲也さんが九州三菱自動車に所属していた時の監督であり「父親と体の動きが似ている」と隠れた才能に目を付けた。

 最初は「不安しかなかった」が、配球の妙味や試合を動かす捕手の魅力を知った。監督が自分の可能性を見いだしてくれたように、仲間の持ち味を引き出すために投手の癖や場面ごとの配球を細かくノートに書いて研究。タイプの異なる投手陣から「おまえの配球なら打たれる気がしない」と信頼されるまでになった。

 4万1千人がスタンドに詰め掛けた準々決勝。ピンチにはマウンドに走り、孤独になりがちな投手を勇気づけた。延長十回裏、ストライクあと一つで勝利の場面。直球か変化球か「最後の最後に迷ってしまった」。指示した変化球が甘く入り、サヨナラ打を許した。

 夏の甲子園でさらなる高みへ。涙をこらえた。「配球にもっと自信を持てるようになる」。悔しさを糧に“天職”の捕手を目指す。

=2018/04/02付 西日本新聞朝刊=

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