耶馬渓・山崩れ現場、危険度減へ対策工事 「住民戻る」前提で

西日本新聞

 中津市耶馬渓町金吉(かなよし)の大規模山崩れで、県は24日、土砂災害特別警戒区域に指定されている現場を対策工事によって、危険度の低い土砂災害警戒区域に変更させる方針を明らかにした。梅雨入りが予想される6月5日までに崩落土砂の流出を防ぐ応急工事を終えて、秋には本格工事に取りかかる。

 現場は、現在は土砂災害の危険度の高い「特別警戒区域」に指定されているが、対策工事の完了後には「警戒区域」に軽減できるような計画を策定するという。県は「将来的に、被災者を含めた住民が戻ってくるという前提で工事を行う」としている。24日、中津市役所で開いた市側との意見交換後、明らかにした。一方、会見した広瀬勝貞知事は「復旧には1、2年はかかるだろう」との見通しを示した。

 土砂の再流出を防ぐために使う土のう数百個は、近くの耶馬渓ダム周辺で作っており、25日以降、斜面に近い市道沿いに並べて土砂の金吉川への流入を防ぐ。川に流れ込んだ土砂の撤去も並行して進め、梅雨入りまでに完了させる。

 25日からは10カ所で本格対策工事のためのボーリング調査も始める。地質や地下水の状況を精密に調べ、今後の本格工事や発生メカニズムの解明に向けた基礎データにする。

 また工事の安全を確保するため、いまだに大量の土砂や多数の岩が残る現場の下流側を中心に鋼鉄製の防護柵(高さ5メートル)を設置する。応急工事や調査などに必要な約2億3千万円は、国の補助事業を活用する。

 山崩れは、11日午前3時50分ごろ発生。民家4棟、住民6人が巻き込まれた。これまでに全員の死亡が確認されている。

=2018/04/25付 西日本新聞朝刊=

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