「オール小城」映画第2弾、来年2月撮影開始 中林梧竹と江藤新平が主人公

 小城市小城町を舞台に、「明治の三筆」と仰がれる書家・中林梧竹と、「佐賀七賢人」の一人、江藤新平を主人公とした映画「天山(やま)の如(ごと)く この男、正直なり」の製作が始まった。映画のキャストやスタッフは地元の住民やゆかりの人々。稽古も日に日に熱を帯びており、メガホンを取る同市出身の田中正照監督(64)は「映画作りは町づくり。『オール小城』でいい映画にしたい」と意気込む。

 映画は2017年4月に公開された同市牛津町の地域映画に続く2作目。小城町出身の中林梧竹と同町春気で少年時代を過ごした江藤新平が出会って、一緒に町の歴史をひもときながら「正直な心」を大切にする地元の人々の思いを学び、自らの人生でも正直さを貫いていく姿を描く。

 県出身の偉人を寸劇で紹介している役者集団「佐賀の八賢人おもてなし隊」で島義勇役を務める三日月小教諭の谷口文章さん(49)が、前作に続いて脚本を担当。歴史資料を調べながら1年以上かけて物語を書き上げた。ロケ地も冬景色の天山や清水の滝など町内の名所が中心。11月にオーディションで決まったメインキャスト6人を含め、約30人が出演する。

 小城文化センターの稽古では、谷口さんが「表情の一つ一つ、感情の揺らぎを再現して」などとアドバイス。体の向きや動き、せりふへの感情の込め方なども細かく指導した。

 45~87歳の中林梧竹を演じる同町の伊東泰浩さん(32)は「未経験で緊張するが、これを機に歴史をしっかり調べて頑張りたい」と気合十分。青年期の江藤新平役を射止めた小城高1年の岸川結さん(16)は「映画を通して歴史を学び、込められた思いやメッセージを伝えられるよう演じたい」と決意を語った。

 撮影開始は来年2月、完成は同10月の予定という。「子どもたちに古里の魅力が伝わる、小城の歴史に残るような作品にしたい」と田中監督。谷口さんも「役者さんが古里の小城への思いを真っすぐに出してくれれば、必ず良い映画になる」と力を込めた。

 地元企業や住民有志らでつくる「小城市映画製作実行委員会」は自治体の補助金を利用せず、協賛金を募っている。個人は1口3千円、企業や団体は同3万円で、1口につき完成後にDVD1枚を贈る。企業や団体は1口、個人は1万円以上の寄付でエンドロールに名前を載せる。

=2018/12/19付 西日本新聞朝刊=

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