「何度も何度も書き直した」18歳が作った歌に涙 2高校生死亡の飲酒運転事故7年

 福岡県粕屋町で2011年、高校生2人が飲酒運転事故の犠牲になってから、9日で7年になる。事故を風化させまいと、福岡市早良区にあるC&S音楽学院高校コース3年の伊藤百花(ももか)さん(18)が、イメージソング「笑顔の道」を作詞作曲し、歌声を響かせている。

 事故で長男を失い、NPO法人をつくって飲酒運転撲滅を訴えている山本美也子さん(49)=福岡市東区=が昨年、音楽学院の毛利直之学院長(62)に会った際、音楽を生かした撲滅運動の支援が話題になった。

 毛利学院長は、等身大で素直な曲を作っている伊藤さんに声を掛けた。当初、伊藤さんにとっての飲酒運転事故は「未成年は飲酒できないし、運転もしない自分には遠い出来事」だった。しかし、山本さんから話を聞くうちに「自分が被害者になったり、周りの人が加害者になったりする可能性がある身近なこと」と受け止めるようになった。

 山本さんから「前向きで人を思いやる曲にしてほしい」と要望を受け、曲作りを始めたが、作詞は難航。最初に試作した曲は歌詞が悲しく、毛利学院長に「事故をストレートに出し過ぎ」と指摘された。「事故の痛ましさを伝えながらも、残された人たちの背中を押すような曲にしたい」。納得がいくまで、何度も何度も書き直した。

 〈…今を生きていること 明日がやって来ること ただ少しだけ その理由を考えてみてほしい またあなたの笑顔に どこかで会えると信じ 私は今ここで 今日を生きている〉

 昨年8月、福岡市役所で開かれた「飲酒運転根絶フォーラム」で披露。事前に歌を聴いた山本さんは感激し、涙が頬を伝った。

 伊藤さんは春に音楽学院を卒業した後も、この曲を歌い続ける。CDを自主制作したほか、ミュージックビデオを作って動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開することも考えている。誰もが通る道を、悲しい事故のない笑顔の道にする願いを込めて。

=2018/02/09付 西日本新聞朝刊=

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