レトロ遊園地、色あせぬ魅力 「だざいふ遊園地」開園60周年 はまるファン多く 遅めにジェットコースター、ゾウの乗り物

 外国人観光客でにぎわう太宰府天満宮(福岡県太宰府市)。その参道の外れに小さな遊園地があるのをご存じ? 「だざいふ遊園地」。全国でも珍しい境内にある遊園地で昨秋、開園60周年を迎えた。絶叫系の大規模アトラクションはないが、参拝ついでに幼子と楽しめる遊具や昭和レトロな雰囲気にはまるファンが少なくない。記者も幼い頃、祖父母や両親に連れられて来た思い出の場所。久しぶりに訪ねると、意外な歴史や今も色あせない魅力が見えてきた。

親子で一緒に楽しむ

 土産物店が軒を連ねる参道を抜け、天満宮境内の赤い太鼓橋を渡って東に進むと、ピンク色のお城を模した園の正門が見えてくる。「天神さまのすぐとなり」のうたい文句が入った入園券を手に園内へ。懐かしい遊具がまだ動いている。地上8メートルのレールをゆっくり進む「スカイシップ」もその一つ。眼下にこぢんまりとした園内が見渡せる。回転ブランコやメリーゴーラウンドのようなゾウの乗り物…。山を切り開いて造成した約3万平方メートルの園内に、14機の遊戯施設やゲーム機が所狭しと並ぶ。

 遊戯施設はどれも小型で、大半は幼児も保護者と一緒に楽しめる。ジェットコースターも速度が遅めで4歳から乗車可能。「わが子の遊園地デビューにと来園される方も多いんです」と広報担当の扇裕子さん(51)が話す。

 学問の神様、菅原道真公を祭る天満宮になぜ遊園地なのか-。「だざいふえん二十年史」などによると、きっかけは「千五十年大祭」が催された1952年までさかのぼる。

 「天神さまは子どもの神様。境内に子どもが遊べる場所があってもいいのではないか」。当時の宮司の思いに西日本鉄道初代社長の故・村上巧児氏が共感。西日本新聞民生事業団や森永製菓などが協力し、大祭に合わせ境内で児童遊園「子供天国」を開催した。滑り台やブランコなど無料遊具のほか有料遊戯施設も設置され人気を博した。

 閉幕後、無料遊具は天満宮に寄贈され「大祭記念児童遊園」として存続。遊具も増える中、天満宮や西鉄が出資する株式会社「太宰府園」が設立された。天満宮から敷地を借りて57年10月、ボート池や音楽堂を備えた「だざいふえん」としてオープンした。

 目指したのは「米国のディズニーランド」。SL型の子供汽車が走り、西日本初のジェットコースターも登場した。その後も県内初のゴーカートや、当時最新の流水式プールを導入。“近代遊園地”として人気を呼び、74年度には年間入場者数64万人を記録した。

入場者数は回復傾向

 しかしその後、大型レジャー施設の時代に入り、入場者数は減少。2004年には13万人に落ち込んだ。派手さは失われたが、それでもレトロな雰囲気が固定ファンに愛されてきた。

 05年には、境内に隣接する高台に九州国立博物館が開館した。これに合わせて園は全面リニューアル。名称も「だざいふ遊園地」に改められた。園の正門前には天満宮と九博を結ぶトンネル乗降口が設けられ、「祖父母は九博、孫は遊園地という家族連れも多い」と扇さん。ここ数年は入場者数が右肩上がりで、17年度は15万人まで回復した。

 5月下旬には、32年間回り続けたメリーゴーラウンドが引退。代わって登場したアメリカンレトロな後継機はインターネット上で「某有名園のお下がり?」と話題を呼んでおり、こちらも新たなファン獲得に一役買いそうだ。

 3歳の長男と0歳の長女を連れて訪れた広島県廿日市市の平木亜矢さん(36)は「初めてなのにどこか懐かしい。小さな子どもが遊べる遊園地は貴重で、また来たい」とほほ笑んだ。

 “還暦”を迎えたかわいい遊園地は、これからも九州内外で愛されながら、子どもたちを見守り続ける。

 入園料は中学生以上500円、65歳以上400円、3歳~小学生400円。乗り物はフリーパス(中学生以上3千円など)がお得。同園=092(922)3551。

=2018/06/19付 西日本新聞朝刊=

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