数千年前の崩落土が地滑り 大分・耶馬渓山崩れで中間報告 地下水上昇が原因か

 6人が犠牲となった4月の大分県中津市耶馬渓町の大規模山崩れについて、県の専門家委員会は28日、地滑りを起こしたのは数千年前に起きた崩落の堆積土で、地下水位の上昇が原因とみられるとの中間報告を発表した。委員長の下川悦郎鹿児島大名誉教授(砂防学)は、耶馬渓と似た地形は熊本、鹿児島など九州に広く分布しており「同様の地滑りは他の地域でも起こりうる」としている。

 中間報告によると、現場一帯は水を通しにくい「凝灰角礫岩(ぎょうかいかくれきがん)」の岩盤の上に、水を通しやすい「溶結凝灰岩(ようけつぎょうかいがん)」の層が重なっている。少なくとも数千年前に崩落した溶結凝灰岩の堆積土約5万立方メートルが崩れ、幅約100メートル、長さ約80メートルにわたり斜面が崩壊したという。

 ボーリング調査などから、岩盤層に染み込まずにあふれ出た地下水が、堆積土と凝灰角礫岩との境界面に流れ込んで地滑りが発生した可能性が高いことが判明。堆積土も風化でもろくなっていた。現場周辺の発生前2週間の雨量が6ミリだったのに境界面の水位が上昇した原因は解明されておらず、調査を継続。年内に最終報告をまとめる。

 山崩れは4月11日に発生。住宅4棟が巻き込まれ、男性1人、女性5人が死亡した。下川委員長は「過去の地滑り例や地下水の分布を調べ、危険箇所を把握する必要がある」と指摘した。

 崩落現場には今も多量の地下水があり、県は9月にも、地下水位を下げるため深さ約20メートルの井戸の掘削など本格的な復旧工事に入る。

=2018/08/29付 西日本新聞朝刊=

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