七種競技に新星 山崎(スズキ浜松AC)日本女子初6000点台へ

 女子陸上界に新星が現れた。長崎市出身の山崎有紀(スズキ浜松AC)が今月初旬に閉幕したジャカルタ・アジア大会の女子七種競技で銅メダルを獲得した。5873点をマークし、6月の日本選手権で出したばかりの自己記録を塗り替えた。競技を始めて6年目の23歳。日本記録(5962点)の更新どころか日本女子初の6000点台も手が届く位置にいるニューヒロインは15日からフランスで開催される伝統の混成競技大会「デカスター」に挑戦。2年後の東京五輪へ夢が膨らむ。 (末継智章)

 積極的なレースで自己新をたたき出した。アジア大会の最終種目800メートル。総合3位につけていた山崎はスタート直後、いきなり先頭に飛び出した。「後ろについても(自分の)ペースを乱す」とメダル争いのライバルだったインド選手に目もくれず、2番手でゴール。自己記録を上回っての銅メダルに「素直にうれしい」と無邪気に笑った。

 元々は短距離専門。長崎南高3年になると「全国総体に出たかった」と競技人口の少ない七種競技に転向し、100メートル障害や200メートル中心の練習で目標を果たした。本腰を入れたのは、九共大に入学後。投てき種目が盛んな同大学で日本一を目指す先輩たちの姿勢に刺激を受けた。体全体の力を効率よく伝える投げ方を見て参考にし、下半身の鍛え方を教わるなどして記録を伸ばした。

 「バネの固まりのような選手で、コツをつかむのもうまい」と九共大の疋田晃久監督。3年生時の2016年の九州学生選手権で当時の学生新となる5751点をマークし、注目を浴び始めた。

 卒業後にスズキ浜松ACに入った後も九共大に残り、6月の日本選手権砲丸投げで2連覇した後輩の郡菜々佳(3年)らにアドバイスを求める。「元々技術がない状態で大学に入ったので」という謙虚さも急成長の要因だ。日本代表として初めて臨む国際大会だったアジア大会でも結果を出し、本番の強さも示した。

 アジア大会は七種目を高いレベルでまとめたが、種目ごとの自己記録の更新は1種目もできなかった。「今回優勝した選手は6026点。アジア一になるには6000点が必要になるし、超えたときに世界への扉が開く」と日本女子初の6000点台も視野に入れる。日本は五輪に04年アテネ大会の中田有紀しか出場できていないほど世界との差はあるが、20年東京五輪に向けて高い壁を越える。

 ◆山崎有紀(やまさき・ゆき)1995年6月6日生まれ。長崎市出身。同市の桜馬場中から長崎南高に進み、3年時から七種競技を始める。九共大4年時の昨年の日本学生対校選手権で5550点の大会新記録で優勝。今春にスズキ浜松ACに入り、6月の日本選手権を初制覇した。憧れの選手は世界選手権女子200メートル2連覇中で七種競技でも活躍したダフネ・スキッパーズ(オランダ)。165センチ、58キロ。

 ◆七種競技 陸上女子の混成競技で五輪では1980年モスクワ大会まで行われた五種競技に代わり、84年のロサンゼルス大会から採用される。2日間で7種目を行い、初日は100メートル障害、走り高跳び、砲丸投げ、200メートル、2日目は走り幅跳び、やり投げ、800メートルを実施。各種目の記録を得点化し、順位を競う。世界記録はジャッキー・ジョイナー・カーシー(米国)が88年ソウル五輪でマークした7291点。日本記録は2004年の中田有紀の5962点。

=2018/09/14付 西日本スポーツ=

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