J1鳥栖の豊田、韓国移籍 蔚山へ1年間“武者修行”

 不動のエースが電撃移籍!! J1サガン鳥栖の元日本代表FW豊田陽平(32)が、韓国Kリーグの蔚山へ1年間の期限付きで移籍することが3日、分かった。きょう4日にも発表される。昨季5得点にとどまった豊田は佐賀県鳥栖市のクラブハウスで取材に応じ、胸中を激白。初の海外移籍を通じて経験を積み、ストライカーとしての輝きを取り戻して帰ってくる決意を口にした。

■期限付きで新天地

 2010年の加入から8年。鳥栖の大黒柱が大きな決断を下した。残り1年の契約を残す豊田はクラブと複数年契約を結び直した上で、今季はアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)に出場する韓国の強豪、蔚山に期限付きで移籍。自身初の海外移籍とACLの舞台で“武者修行”する。

 「心苦しさはありながらも、(鳥栖に)残るのが当たり前になっていた自分を変える。勇気がいることだけど、立ち止まりたくない」

 オファーが届いたのは昨年12月29日だった。鳥栖でタイトルを取る目標を実現させるために断るつもりでいたが、家族への思いから心が変わった。

 「(6歳の)長男にはある程度いい姿を見せることができているけど、下の子(2歳の次男)には見せられていない。また輝いている豊田陽平を見せたかった」

 昨季の出場28試合、5得点はいずれも加入後最少。「自分の色を出せなかった。選手としての質、価値が落ちていないかすごく不安だった」と葛藤もあった。そんな中、元韓国代表FWで1998、99年はJ1神戸でプレーした蔚山の金度勲(キム・ドフン)監督から電話で熱心に誘われた。

 「日本語で会話できたのでコミュニケーションも問題なかった。ACLに出るクラブだし、自分の経験や知識を増やすいい機会だと思った」

 昨季まで8シーズンで124得点のエース不在はクラブにとって痛手だ。竹原稔社長も「エースでありレジェンド」と悩んだが「トヨ(豊田)をもっと輝かせないといけない。もう一回戦闘の場に出して、戦闘能力を高めて帰ってきてもらいたい」と中長期的な視野で決断したという。将来的に育成組織のポストを用意する構想もあり、今回の移籍で見識を広げてもらう狙いもあるという。

 豊田は「1年後のことは分からない」としながらも「選手なのか引退後かは分からないけど、鳥栖にタイトルを取らせてあげたいという思いは変わらない」と断言する。その上で「また帰ってこいと言われるような活躍が必要」と新天地でも結果にこだわる決意だ。昨季蔚山に在籍した阿部拓馬や16年まで鳥栖でプレーしたKリーグ水原の金民友らから情報収集し、近日中に単身で韓国へ渡る。

 「日本では日本人らしく誠実さをモットーでやっていた。向こうでは外国人選手として肩の荷を下ろし、抜くところは抜く。割り切ることで新たな一面を見いだす」

 隣国で新境地を切り開き、さらにビッグなエースとなって帰ってくる。

 ◆豊田一問一答

 -突然の移籍だ。

 「鳥栖に残ることでほぼ固まっていた。率直な感想として、基本的に『まずないな』と。身を粉にして目標のタイトルを取るまで鳥栖で最善を尽くし全力でプレーすると誓っていた」

 -決断の決め手は。

 「町を歩いていて声を掛けられて、でも試合に出ていないのが納得いかなかった。海外で文化も言葉も違う。いろんなことが勉強になるし、いい機会だと」

 -葛藤もあった。

 「今まで順調すぎて、自分の選手としての価値が上がっていた。それが急に不透明になって。価値が上がっているか、他だったらもっと輝けるのかと考えた。自分で決断するしかなく、それが何より怖かった」

 -以前から海外への思いはあった。

 「若いときはサッカーを純粋に楽しみ、好奇心に近かった。今はサッカーがこんなに楽しかったと取り戻したい。今まで培ってきたものをどれだけ生かせるかという勉強。成長曲線は下りながらだけど、経験と知識は上がっている」

 -1年後にどういう形で鳥栖に還元したいか。

 「もちろん戻ってきて経験したものをしっかり還元するのが大前提だけど、まだ明確には答えられない」

◆蔚山現代(ウルサンヒョンデ)FC

 現代財閥の現代重工業を母体として1983年12月に発足した韓国Kリーグのプロサッカーチーム。ホームタウンは蔚山市。Kリーグで96、2005年優勝。12年のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)で韓国勢として4クラブ目の優勝を果たした。J1鳥栖の鄭昇〓らが過去に在籍。就任1年目でYBCルヴァン・カップと天皇杯を制したC大阪の尹晶煥監督(元鳥栖監督)が16年までの2シーズン指揮した。

※〓は「火へん」に「玄」

=2018/01/04付 西日本スポーツ=

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