福岡市消防情報メール分析 特集サイト
(2014年11月〜2017年6月分データ)

カホエンタープライズと協力し、ソフトウェア『Tableau(タブロー)』を使って以下のような分析結果を得た。

※住所は出動の目標地点であり、発生場所とは限らない。

 西日本新聞とカホエンタープライズ(福岡県那珂川町)は、ビッグデータを分析して色分けしたグラフや地図などに可視化するソフト「タブロー」を活用し、福岡市消防局が発信した「消防情報メール」のうち、2014年11月~17年6月の約1万4300件を分析した。その結果、出動の多い地点が地図上に浮かび上がり、今後の防災行政や街づくりへの活用が期待される。

 福岡市消防局は、メールアドレスを登録した住民に「建物火災」や「救助」といった出動内容や時刻、目標地点となった住所などの情報を配信。過去の記録もインターネット上で公開している。

 この情報をタブローで地図に落とし込んでいくと、出動や発生の多い地点ほど円が大きく表示される。このうち「救助」では、東区の奈多漁港が5件と地点別で最も多かった。実際、市に取材すると、13年には死亡事故も発生。市漁業協同組合の関係者も「釣りや泳ぐ目的で立ち入り禁止の防波堤に入り、事故になるケースがある」と指摘し、市は今年夏に立ち入り禁止のフェンスを拡張したという。

 東区と周辺自治体の境に位置する立花山の近くでは救助出動が少なくとも3件。標高367メートルと高くないが、福岡市山岳協会の浦一美会長(70)によると「足慣らし程度に気軽に登る山。ただし、低い山は登山者のけがの実態を把握しにくい面もある」という。

 メールは「建物火災」も発信している。記録を分析すると、最多は中央区天神2丁目11番付近の7回。近くの同区大名1丁目12番付近への出動も5回と多かった。市消防局は「大火に至った例はないが、飲食店が多い商業施設や街区で、活動人口も多いことが要因ではないか」とみる。

 「事故」の知らせは、実際には心肺停止など救急隊の活動がほとんど。全7263件のうち、東区が1473件で最も多く、中央区の約2倍。東区は人口が多い上、郊外の高齢者福祉施設への出動が目立った。

 消防や救急のデータ活用を巡っては、消防庁が出動記録に気象状況も含めて複合的に分析し、住民の出動依頼を予測する研究を始めている。国立情報学研究所の北本朝展准教授(情報学)は「データの可視化や検証は運用効率化につながる。複数の都市で比較すれば、台風や大雪など自然災害に対する脆弱(ぜいじゃく)性を分析し、街づくりに生かせる可能性もある」としている。

=2017/10/30付 西日本新聞夕刊=

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