『「池の水」抜くのは誰のため?』 小坪遊著(新潮新書・836円) 読書 1/30 15:00 酒癖が悪い人同様、「生き物ぐせが悪い」人がいると、本書は警鐘を鳴らす。やり玉に挙がるのは、希少な生き物を乱獲してネットで販売す...
『歌集 西ベンガルの月』 須田覚 著(書肆侃侃房・1980円) 読書 1/30 15:00 著者は長崎市出身のエンジニアで未来短歌会会員。2018年に赴任したインド・西ベンガルの工場での生活を中心に歌った。「第一歌集がこんな形になるとは思っていなかった」と本人も...
『にっぽんの美しい民藝』 萩原健太郎 著(エクスナレッジ・17... 読書 1/30 15:00 地域に根ざした手工芸、民芸の世界を堪能できる入門書兼探訪ガイド本。今も昔ながらの手仕事や職人性に強くこだわる小鹿田焼(大分県日田市)をはじめ、九州・沖縄の民芸展示施設、工...
『九州喫茶案内』 小坂章子著(書肆侃侃房・1760円) 読書 1/23 13:45 熱烈なコーヒー好きで喫茶店取材の経験豊富な福岡県在住のライターが、九州・沖縄えり抜きの60店舗を紹介する。約10年前に出版した『九州喫茶散歩』の改訂版だが、一から取材し直...
『祇園「よし屋」の女医者』 藤元登四郎著(小学館文庫・825円) 読書 1/23 13:44 時代は江戸末。京都・祇園のお茶屋の跡継ぎ、月江は舞妓修業のかたわら医師の手伝いもしていた。あるとき月江は、心を病んだ生糸問屋の娘の元に医師と往診に行き娘の病と深く関わるこ...
『スペイン市民戦争とアジア』石川捷治、中村尚樹著(九州大学出版... 読書 1/23 13:43 「反ファシズム」の旗の下、55カ国から4万人もの市民が国際義勇兵として参戦した1930年代のスペイン内戦は、遠く離れたアジアでも、中国の抗日統一戦線実現などに大きな影響を...
『古九谷の里=ヤンベタ』 山口時一郎 著 (弘報印刷出版センタ... 読書 1/16 15:30 佐賀県有田町黒牟田の山辺田(やんべた)窯跡は、古九谷様式の色絵磁器を焼いたことが考古学的に証明され、長年の古九谷産地論争を事実上、終結させた。黒牟田在住の元教員の著者は、...
『観月』 麻生幾 著 (文芸春秋・1870円) 読書 1/16 15:30 大分県杵築と東京。遠く離れた2カ所で起きた、一見無関係な殺人事件が結びついたとき、歴史の水面下で繰り広げられてきた、国家とその敵の壮絶な暗闘が浮かび上がる-。幻想的な光で...
『バルカン幻影』 田代桂子 画・文 (石風社・4180円) 読書 1/9 13:55 福岡県芦屋町在住の画家による画文集。80歳で女性の一人旅。コロナ禍の前、2019年夏に2カ月かけて回ったのはバルカン半島のボスニア・ヘルツェゴビナ、モンテネグロ、北マケド...
『百年の轍』 織江耕太郎 著 (書肆侃侃房・1650円) 読書 1/9 13:52 全国有数の林業地、大分県・日田を主舞台に、4世代にわたる血族の葛藤を描いた長編小説。国産材を守ろうと、戦後の木材輸入自由化に抵抗する2人の男、幼なじみでありながら2人を裏...
『生きるコツ』 姜尚中 著 (毎日新聞出版・1100円) 読書 1/9 13:49 政治学者としてメディアで活躍する一方、『悩む力』など生き方をめぐるエッセー集も多い著者が、古希を迎えた自身を振り返りながら、「老い」の意味を考える。老後を生きるコツとして...
『九州発「国のかたち」を問う 日韓トンネル構想への期待』 (三... 読書 2020/12/19 14:30 日韓トンネル実現九州連絡協議会による、10年後の九州を見据えた政策提言集。佐賀県・唐津と韓国・釜山を結ぶ海底トンネルが完成すれば「九州の交流人口は現在の倍以上」となり「首...
『草莽の防人歌 万葉のわだつみの声をきく』 山口博 著 (海鳥... 読書 2020/12/19 14:30 主に東国から徴兵され、九州沿岸で敵国の来襲に備えた防人(さきもり)。万葉集に収められた彼らの歌約100首を、戦中派の国文学者である著者が「文学における戦争の語り部」の立場...
『笑うツーリズム HASAMI CRAFT TOURISM』 ... 読書 2020/12/19 14:30 この10年ほどで波佐見焼の知名度はぐんと高くなった。長崎県でただ一つ海のない波佐見町に、国内外から年間100万人を超える観光客が訪れ、窯元を巡り、器を手に取り、農村の風情...
『全国学力テストはなぜ失敗したのか』 川口俊明 著 (岩波書店... 読書 2020/12/12 14:20 新型コロナの影響で今年は中止になったものの、毎年4月、全国の小学6年と中学3年生全員を対象に実施される全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)は都道府県間の順位競争激化な...
『琉球の記憶 針突』 山城博明・写真 (高文研・1760円) 読書 2020/12/12 14:18 針突とは琉球女性がかつて手の甲に行った入れ墨の風習。本書は沖縄・宮古島出身で学生時代の1970年代から針突をした女性の写真を撮り始めた著者による記録の復刻版。90年が最後...
『二百十番館にようこそ』 加納朋子 著 (文芸春秋・1650円) 読書 2020/12/5 13:55 自宅に引きこもりゲームざんまいの主人公。会ったこともない叔父さんの遺産として不動産がもらえるという“エサ”に飛びつき、離島を訪れたところ、それは自立を促す両親の巧妙なワナ...
『アリ語で寝言を言いました』 村上貴弘 著 (扶桑社新書・990円) 読書 2020/12/5 13:54 九州大持続可能な社会のための決断科学センターに所属、国内では数少ないヒアリの専門家としても知られる著者。本書では、1万1000種もいるというアリの中から、巣の中でキノコを...
『法華経とは何か その思想と背景』 植木雅俊 著 (中公新書・... 読書 2020/12/5 13:53 「すべての人が成仏できる」と説く法華経の成立は釈尊入滅の約500年後。その間、釈尊の超人化、在家に対する出家の優越、女性蔑視など保守化と権威主義化が進行した仏教界に対し、...
『離島の本屋ふたたび』 朴順梨 著 (ころから・1760円) 読書 2020/11/28 13:57 全国の離島にある小さい書店を訪ね歩いたルポルタージュ。鹿児島・喜界島の「ブックス銀座」は、島に一軒しかない書店で一度閉店した店を現在の経営者が引き継いだ。種子島の「和田書...