まとめ

「平野啓一郎」 (3ページ目)

「平野啓一郎」に関するこれまで扱われたニュース一覧を最新順に掲載しています。

2020 6/26 5:00
文化

平野啓一郎 「本心」 連載第281回 第九章 本心

画・菅実花

 この不気味なロールプレイング・ゲームは、「一人一殺」を掲げ、政財界の要人暗殺を企てた1932年のテロ事件をそのままなぞる内容で、実際に暗殺された井上準之助(いのうえじゅんのすけ)や團琢磨(だんたくま)だけでなく、ターゲットとしてリストアップされていた西園寺公望(さいおんじきんもち)や幣原喜重郎(しではらきじゅうろう)、牧野伸顕(まきののぶあき)らすべてを暗殺して、歴史を変えることがミッションだった。 岸谷は、僕に語っていた通り、元々は、もっと最近の、今も生きているような政治家や財界人を暗殺するゲームに夢中になっていた。

2020 6/25 5:00
文化

平野啓一郎 「本心」 連載第280回 第九章 本心

画・菅実花

 以下は、覚え書きである。 岸谷が、共犯者たちに見出されたのは、例の暗殺ゲームを通じてらしい。

2020 6/24 5:00
文化

平野啓一郎 「本心」 連載第279回 第九章 本心

画・菅実花

「色々よ、……色々。 <母>は、そう誤魔化(ごまか)すように微笑した。

2020 6/23 5:00
文化

平野啓一郎 「本心」 連載第278回 第九章 本心

画・菅実花

 このところ、<母>との会話の頻度も減っていたが、三好との共同生活が、遠からず終わりを迎えることを意識し出してから、僕は却(かえ)って、<母>の存在に慰めを求める気持ちに抵抗を覚えるようになった。 母の死による喪失感を満たすために、僕にはともかく、<母>が必要だった。

2020 6/22 5:00
文化

平野啓一郎 「本心」 連載第277回 第九章 本心

画・菅実花

 けれども、腕に仕込まれていたピストルが、ここぞ!というタイミングで長袖の下から飛び出し、銃弾を放つと、僕たちは、どちらからというわけでもなく、顔を見合わせて、暗がりの中で何となく笑った。 僕は、三好がイフィーと話し合うことを後押したが、イフィーには直接、連絡を取らなかった。

2020 6/21 5:00
文化

平野啓一郎 「本心」 連載第276回 第九章 本心

画・菅実花

 それでも三好は、きっとイフィーを愛するようになる、と僕は予感していた。イフィーも。

2020 6/20 5:00
文化

平野啓一郎 「本心」 連載第275回 第九章 本心

画・菅実花

 三好はそう言った後に、思わず口をついて出た「もう十分」というその言葉が、母が安楽死を決意した際に口にした一言だったことを思い出したらしく、気まずそうに目を逸(そ)らした。「イフィーさんも、自分の障害を三好さんに受け容(い)れてもらえるかどうか、不安がってました。

2020 6/18 5:00
文化

平野啓一郎 「本心」 連載第274回 第九章 本心

画・菅実花

 僕は、三好の本心が知りたくて、自分でも驚くほど、率直に尋ねた。しかし、流石(さすが)にその言葉は、耳に入るなり、僕を苦しめずにはいなかった。

2020 6/17 5:00
文化

平野啓一郎 「本心」 連載第273回 第九章 本心

画・菅実花

「イフィーの気持ちは嬉(うれ)しいけど、……やっぱり、おかしいと思う。『あっちの世界』の生活にずっと憧れてたし、イフィーと友達になれるなんて、それだけで夢みたいに楽しかったけど、朔也(さくや)君の言う通り、彼も若いから。

2020 6/16 5:00
文化

平野啓一郎 「本心」 連載第272回 第九章 本心

画・菅実花

 僕は、彼女に対してではなく、寧(むし)ろ自分自身に向けて、改めて僕の彼女に対する思いを語りかけた。それはまるで、僕ではない僕からの声のように、重たく胸に響いた。

2020 6/15 5:00
文化

平野啓一郎 「本心」 連載第271回 第九章 本心

画・菅実花

 勿論(もちろん)、僕は「平気」ではなかった。どちらの意味に於(お)いても。

2020 6/14 5:00
文化

平野啓一郎 「本心」 連載第270回 第九章 本心

画・菅実花

 と、前日の出来事について、真意を確かめるように尋ねた。「イフィーさんから、三好さんに対する思いは打ち明けられてました。

2020 6/13 5:00
文化

平野啓一郎 「本心」 連載第269回 第九章 本心

画・菅実花

 三好は、不意に尋ねた。 と言い足した。

2020 6/12 5:00
文化

平野啓一郎 「本心」 連載第268回 第九章 本心

画・菅実花

「そうなんですか? あんまり母が見そうにない映画だったので、ふしぎでした。「大好きなの、わたし、この映画。

2020 6/11 5:00
文化

平野啓一郎 「本心」 連載第267回 第九章 本心

画・菅実花

 どれほど彼が優れた人間であろうと、三好の同居人であるという一点に於(お)いて、僕は彼から嫉妬され、また猜疑心(さいぎしん)を向けられる存在だった。残念ながら、僕の自尊心は、そこに拠(よ)りどころを見い出すほど、逞(たくま)しく屈折してはいなかったが。

2020 6/10 5:00
文化

平野啓一郎 「本心」 連載第266回 第九章 本心

画・菅実花

 イフィーの絶望は、僕の胸に金属的な熱を帯びたまま染み出し続けていた。 三好は硬く口を閉ざして、しばらく俯(うつむ)いていた。

2020 6/9 5:00
文化

平野啓一郎 「本心」 連載第265回 第九章 本心

画・菅実花

 遠くの照明に、彼女は、顔の右半分だけを照らされていたが、その頬は微(かす)かに震えていた。「駄目でしょう、イフィー、それは。

2020 6/8 5:00
文化

平野啓一郎 「本心」 連載第264回 第九章 本心

画・菅実花

 それこそは、リアル・アバターという、僕の本来の仕事に、まったく適(かな)ったことだったが。 西口の野外劇場では、何かのイヴェントをやっていて、僕たちはその人集(ひとだか)りを分け入ってゆくことが出来なかった。

2020 6/7 5:00
文化

平野啓一郎 「本心」 連載第263回 第九章 本心

画・菅実花

 イフィーは結局、石板の土台に、鉄製のヘラジカの頭を乗せた小さなペン・ホルダーを選んだ。三万五千円だった。

2020 6/6 5:00
文化

平野啓一郎 「本心」 連載第262回 第九章 本心

画・菅実花

 通路は狭く、他の客と擦れ違う際にはコートやバッグが、並べられている小物に触れはしまいかとかなり注意した。イフィーが車椅子で来るのは、難しそうだった。

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