クリアキ・カリブー
連載

「クリアキ・カリブー」

1998年に史上最年少で北米最高峰の冬季単独登頂に成功し、2011年には植村直己冒険賞を受賞した登山家の栗秋正寿さん。冬のアラスカの山々の危険性と魅力、支えてくれる家族への思いをつづります。

2021 10/15 17:30
文化

登山スタイル【クリアキ・カリブー 栗秋正寿23】

クリアキ・カリブー

 高峰登山はおもに3つの方法に分けられる。 「アルパインスタイル」とは、少人数で荷上げをせずに一気に山頂を目指す登山方法である。

2021 10/14 17:30
文化

単独行【クリアキ・カリブー 栗秋正寿22】

クリアキ・カリブー

 単独登山とは、文字通り孤立無援(こりつむえん)で登山をすることである。日本ヒマラヤ協会会長の山森欣一(やまもりきんいち)さんは、山岳雑誌『山と溪谷』2012年3月号のなかで、「登山者にとって、まわりからのサポートが期待できない状況で登山することは、最大の不安である。

2021 10/13 17:30
文化

雪洞【クリアキ・カリブー 栗秋正寿21】

クリアキ・カリブー

 冬のアラスカは低気圧の墓場とも言われ、台風並みの風が吹き荒れる。この風に対処するため、ぼくは雪洞(せつどう)を多用している。

2021 10/12 17:30
文化

デナリの風【クリアキ・カリブー 栗秋正寿20】

クリアキ・カリブー

 「夏と冬のデナリでは圧倒的なレベルの差がある。頂上の気温は夏の2倍、マイナス60度にも下がり、風速は84メートルを観測した。

2021 10/8 17:30
文化

キッチンパス【クリアキ・カリブー 栗秋正寿19】

クリアキ・カリブー

 植村直己冒険賞の賞金の使い道を聞かれたぼくは、冒険賞の事務を担当する植村直己冒険館(兵庫県豊岡市)の小谷士郎(こたにしろう)館長(当時)にそう答えるしかなかった。 実際のところは、妻の“鶴のひと声”で賞金はわが家の家計に没収となってしまった。

2021 10/7 17:30
文化

三日月山【クリアキ・カリブー 栗秋正寿18】

クリアキ・カリブー

 福岡の里山、三日月(みかづき)山(272メートル)の麓に居を構えて7年になる。海抜20メートルほどの住宅街だが、登山口まで車で5分ほどの距離にある山小屋風の家なので「三日月山荘」と自称している。

2021 10/6 17:30
文化

テレパシー【クリアキ・カリブー 栗秋正寿17】

クリアキ・カリブー

 冬のアラスカ単独行は13回目、通算6度目のハンター(4442メートル)を終えたぼくはこんな川柳を詠み、関係者への下山報告としてアラスカの絵はがきを現地から投函(とうかん)した。 「今冬は記録的な寒さでした。

2021 10/5 17:30
文化

心境の変化【クリアキ・カリブー 栗秋正寿16】

クリアキ・カリブー

 冬のアラスカ単独行を続けていくなかで、山に対する想いが変わったのは、父親となって初めて行った2009年、通算4度目のハンターを終えた時だった。妻には申し訳ないが、結婚後もそれまでと同じく「まだ山にいたい。

2021 10/4 17:30
文化

山の神【クリアキ・カリブー 栗秋正寿15】

クリアキ・カリブー

 <間違っていたらごめんなさい。 1998年9月、北米最高峰である冬のデナリ(米アラスカ州、6190メートル)に単独登頂して帰国後、地元の新聞に写真記事を寄稿したぼくのもとに1通の手紙が送られてきた。

2021 10/1 17:30
文化

職業病【クリアキ・カリブー 栗秋正寿14】

クリアキ・カリブー

 職業病という言葉がある。労働基準法が定める職業病リストのことではなく、登山家としての職業柄の癖の話である。

2021 9/30 17:30
文化

山の食事【クリアキ・カリブー 栗秋正寿13】

クリアキ・カリブー

 冬のアラスカ登山は体力の消耗が激しいため、1日約4000~4500キロカロリーのエネルギーを摂取する。悪天候で何日も停滞するときは、エネルギーの消費量が少ないことや食料の蓄(たくわ)えとして、食事の量を3割ほど減らしている。

2021 9/29 17:30
文化

省エネ鍋の落とし穴【クリアキ・カリブー 栗秋正寿12】

クリアキ・カリブー

 2014年3月、通算8度目となる冬のハンター(米アラスカ州、4442メートル)単独登山でのこと。猛烈なブリザードで動くことができず、西稜(せいりょう)に設けたキャンプ3(3100メートル)の雪洞(せつどう)で停滞していた。

2021 9/28 17:30
文化

垂直の旅の心得【クリアキ・カリブー 栗秋正寿11】

クリアキ・カリブー

 ≪栗秋さんを宣伝に使おうとかは考えてない。彼をアテンドしたいのは彼の登山の姿勢に好感が持てるから。

2021 9/27 17:30
文化

植村直己冒険賞【クリアキ・カリブー 栗秋正寿10】

クリアキカリブー

 1998年、北米大陸最高峰、米アラスカ州のデナリ(6190メートル)の冬季単独登頂に史上最年少、世界で4人目に成功したぼくが、アメリカ人の登山家バーン・テイハスからかけられた言葉だ。

2021 9/24 17:30
文化

デナリの夕焼け【クリアキ・カリブー 栗秋正寿9】

クリアキ・カリブー

 ≪何回か練習して、“今、気持ちよかったね”っていうところで本番に臨んだんです。そしたら本番、なんかジャズの人とセッションするような即興的な間があって、終わった時にお互いに“ニヤッ”としたんですよ。

2021 9/23 17:30
文化

山の名称【クリアキ・カリブー 栗秋正寿8】

クリアキ・カリブー

 2015年8月、オバマ米大統領(当時)は、アラスカ州にある北米最高峰マッキンリー(6190メートル)の正式名称を「デナリ」に変更すると発表した。その報道を知ったぼくは、紆余(うよ)曲折を経てようやく「デナリ」に落ち着いたのかと感慨深いものがあった。

2021 9/22 17:30
文化

アルピアニスト【クリアキ・カリブー 栗秋正寿7】

クリアキ・カリブー

 2019年7月、ピアノ発表会での開演前の記念撮影の際、カメラマンからそう言われた。「そこのお父さん」が出演者だと、ようやく気づいたその男性はどうにもきまりが悪そうだった。

2021 9/21 17:30
文化

山に残してきたもの【クリアキ・カリブー 栗秋正寿6】

クリアキ・カリブー

 「ヘリコプターに乗れていいな。 2016年4月、ハンターを下山中に救助されて帰国した失意のぼくに、小学3年生の長女がかけた言葉だ。

2021 9/20 17:30
文化

失意の下山【クリアキ・カリブー 栗秋正寿5】

クリアキ・カリブー

 2016年4月3日、ぼくは通算9度目の冬のハンター(米アラスカ州、4442メートル)で人生初の救助を経験した。ヘリコプターの窓から望むハンターは、どんなに目を凝らしても、もはや自分のよく知る山には見えなかった。

2021 9/17 17:30
文化

レスキュー【クリアキ・カリブー 栗秋正寿4】

クリアキ・カリブー

 2016年4月1日、午前7時過ぎ。米アラスカ州のハンター(4442メートル)に設けたキャンプ2(C2、2620メートル)の雪洞(せつどう)から、ぼくは救難信号を発信した。

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  • 2021年10月13日(水) 〜 2021年10月18日(月)
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