
「食堂物語」
生きることは食べること-。日本有数の工業地帯だった北九州地区で、働く人々を支えたのは街の食堂だった。工場や港湾の労働者は安価でボリュームのある食堂の飯にがっつき、働く活力を得た。「鉄冷え」を経て、街の姿は大きく変わった。作業着姿は減ったものの、食堂で人々が食べる姿は変わらない。グルメではない。名物でもない。日々、胃袋を満たし続ける場所だ。節目の2020年。そんな変わらぬ街の食堂に出掛けてみた。
コンテナでがっつり飯 安全入船食堂 【食堂物語】
昨年12月中旬の午前6時前、まだ暗い倉庫街の一角にあるコンテナ(高さ約3メートル、幅約5メートル、奥行き約15メートル)に、作業着姿の男性がぞろぞろと集まってきた。お目当ては揚げ物、ごはん、みそ汁、漬物に加え、小鉢が2、3個付いてくる「朝定食」。
タイにはまった日本人 NABUN 【食堂物語】
2019年9月に北九州市小倉北区にオープンしたばかりのタイ料理店「NABUN(ナーブン)」は、母国のホテルなどで腕をふるったタイ人シェフ2人が調理場に立ち、本場の味を提供している。「北九州で本物のタイ料理を」との日本人オーナーの思いで始まった同店は、おいしいタイ料理がお手頃価格で味わえると、常連客も多く連日にぎわいを見せている。
「えびラー」伝統と変革 えびつラーメンセンター 【食堂物語】
「218番のお客さま、お待たせいたしました」。昨年12月上旬の土曜日の昼時、約15人の客が並ぶ店内では、注文した料理完成を知らせる音声とともに、電光掲示板の番号が点灯した。
一緒に食事いいですか? JICAFe 【食堂物語】
エジプト、タンザニア、エチオピア、タイ、ミャンマー、ベトナム…食事を求めて訪れる人たちの国籍はさまざま。そんな国際的な食堂が北九州市八幡東区平野にある。
ソウルフードに育った 味噌だれおでんの店 【食堂物語】
「ラーメン通り」と呼ばれる街路が、福岡県行橋市の飲み屋街にあったという。10年ほど前まで、100メートルほどの間に各種ラーメン店が集まっていた。
受け継がれる青春の味 九州共立大 共立キッチン 【食堂物語】
午前の授業終了を告げるチャイムが鳴り終わると学生が続々と訪れる。九州共立大(北九州市八幡西区)の学生食堂「共立キッチン」は、12月中旬にもかかわらず、汗ばむ熱気に包まれる。
元百貨店マンの恩返し うどん家 久兵衛 【食堂物語】
福岡県の北九州・京築・遠賀地区にある多様な食堂を記者たちが巡り、さまざまな料理や人に出会いました。受け継がれた味や思いなどでつづる連載「食堂物語」をお召し上がりください。
「大衆食堂の詩人」遠藤哲夫さんと食べ歩き 【食堂物語】
大衆食堂についての著作があるフリーライターの遠藤哲夫さん(76)。「大衆食堂の詩人」の異名を持ち、北九州市の食堂を40カ所以上食べ歩いた経験がある。