
「随筆喫茶」
「随筆喫茶」に関するこれまで扱われたニュース一覧を最新順に掲載しています。
おくのほそ道たどる車旅 曽良の墓は壱岐に 松嶋圭【随筆喫茶】
齢五十が見えてきたところで、自然と『おくのほそ道』に引き寄せられる。松尾芭蕉は四十六歳のとき弟子の河合曽良(そら)とともに東北を巡る旅に出た。
サラフィータから 前野りりえ【随筆喫茶】
福岡県太宰府市で生まれながら転勤族の娘であったこともあり、18回引っ越しを体験し、小学校も中学校も三校ずつ通うような育ち方をしたわたしはデラシネ(根無し草)だった。2005年に生まれた家に戻ると、太宰府を散策するようになった。
サバの寿司 明利英司【随筆喫茶】
私は昔からにぎり寿司(ずし)が好きで、自宅でもよく寿司を握る。好きが高じて現在は作家業をやりながら、不定期ではあるが「居酒屋明利」という寿司居酒屋を経営するほどになった。
オロナミンC 桜川冴子【随筆喫茶】
時々、母に付き添って近くの国立病院に行く。母は脳動脈瘤(りゅう)を患っていて、その日は検査結果を聞くことになっていたが、担当医はたまたま病棟の患者さんの処置があって、いつもより長く待合室にいた。
1984年のイカンガー ユキノ進【随筆喫茶】
短歌をどこでつくるか、というのは歌人の間で時々話題になる。答えはまちまちで、机に向かわないと書けないという人もいれば、電車の中で思いついたものをスマホにメモする人もいる。
多様な作品、映画館の魅力 街や人の営みとともに 石渡麻美【随筆喫茶】
苦しい時期を過ごしていた20代半ばの頃、薦められて見始めた映画に価値観をひっくり返された。狭い場所で身動きが取れなくなっていた思考が世界の広がりを前に音を立てて崩れた。
コロナ禍のショパンコンクール 小林文乃【随筆喫茶】
ショパンコンクールのファイナルのチケットがダブついている、という意外な情報が入ったのは、開催の2週間前のことだった。 ショパンの祖国ポーランドで行われる、5年に一度のピアノの祭典。
ラポールとからだ 松本准平【随筆喫茶】
昨年の夏、初めて舞台を演出した。普段は映画という似て非なる分野で活動している僕が、舞台を作ることを決めたのは、やはり役者と正面から向き合う機会が欲しいと思ってのことだった。
路傍に生きる・山野草 瀧 春樹【随筆喫茶】
小さな俳句誌「樹(たちき)」を創刊して満30年を迎えた。その裏表紙に「花の彩時記」と題した欄を設け、主に山野草の花を中心に会員に書いてもらった俳句とともに掲載している。
「西」への眼差し─谷崎と漱石 柴田勝二【随筆喫茶】
今年の3月末に長年勤めた東京外国語大学を定年退職となり、4月より本州最西端の都市である山口県下関市の梅光学院大学に勤務することになった。私はもともと関西の生まれなので、西日本での生活はむしろ関東での暮らしよりも馴染みがある。
没後35年、今こそ島尾敏雄 指宿、宇宿の足跡を追う 宮島孝男【随筆喫茶】
11月12日は作家島尾敏雄没後35年の命日である。島尾は、第十八震洋特攻艇隊長の体験(加計呂麻島)に基づいた戦争小説や私小説『死の棘(とげ)』などで知られる。