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請願と陳情

 請願は憲法で「何人も平穏に請願する権利を有する」と明記されている。提出には議員の紹介が義務付けられる一方、議会の委員会での審査が地方自治法で規定されており、審議が終われば採決されることになる。一方で陳情は、提出の際の議員紹介は不要だが、取り扱いは自治体ごとに異なり、陳情書の回覧のみから採決まで行うといった具合に幅広い。春日市は陳情文の写しを議員に配り、委員会で議論し、その内容を文書で議長に報告する規定になっている。

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「請願より陳情」市議が“助言” 春日市議会で波紋 学童保育への提出に

 採決により議員の態度が明確になる「請願」と、議員への文書配布にとどまる議会も少なくない「陳情」。市民が直接、議会に要望できる制度を巡り、春日市議会で波紋が広がっている。ある請願の提出者に対し、市議の一人が「陳情書に変えることがベスト」と指摘する文書を送り、請願者側は「態度を明確にするのが嫌なのか」と反発。市議は西日本新聞の取材に「助言のつもりだったが、真意が伝わらず申し訳ない」と陳謝している。

 請願は今月2日付。市内の学童保育18カ所の管理運営が来年度から民間企業に替わるのに先立ち、保護者との密な連携や説明会の開催、これまでの運営の継続性などを求める内容だ。

 市内の学童保育は保護者の尽力により1978年に設立され、今もその流れをくむNPO法人が運営している。今回、市が新たな指定管理者に民間企業を選定。開会中の市議会9月定例会で議決されるという。

 この請願を知った市議が、「決定前の請願はふさわしくない」という趣旨の文書を請願者側に送った。文書には「議員個人の資質の踏み絵みたいな事をされるなら、すごく残念」「(請願否決の場合は)何か問題が起きても(市が)積極的に動けなくなるリスクを伴う」などと記され、「ほとんどの議員で1日かけて本気で考えた」と事実と異なる記述もあった。

 文書を受け取った市民の一人は「請願が駄目なのかと不安を感じた」と言い、関係者の間で動揺が広がったという。その上で「踏み絵という表現が出てくるのは議会側の意識の問題。陳情ではなく採決がある請願を出す方が、今は影響力が大きい」と判断し、請願は取り下げていない。

 この市議は取材に「踏み絵」の文言は「誤解を招く表現だった」と認め、議員の賛否が明確になる請願で「資質を問う」とする請願者側の意図を聞き、「こういう形で選別されるのかと悲しくなった」と釈明した。ただ今回の請願については「まだ決定前であり、問題が起きてもいないことに対しての請願は順序が違う」との持論は変えていない。

 佐賀大の畑山敏夫名誉教授(政治学)は「議員が市民に助言するのは問題ないが、親切心であったとしても、今回の文書は結果的に請願権の侵害になりかねない内容。陳情がいいという理由もよく分からないし、請願などを通じて市民が議員の資質を問うのは当然」としている。 (四宮淳平)

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【ワードBOX】請願と陳情

 請願は憲法で「何人も平穏に請願する権利を有する」と明記されている。提出には議員の紹介が義務付けられる一方、議会の委員会での審査が地方自治法で規定されており、審議が終われば採決されることになる。一方で陳情は、提出の際の議員紹介は不要だが、取り扱いは自治体ごとに異なり、陳情書の回覧のみから採決まで行うといった具合に幅広い。春日市は陳情文の写しを議員に配り、委員会で議論し、その内容を文書で議長に報告する規定になっている。

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