ワードBOX

新聞記事に使われた語彙(ごい)を説明した新聞用語ひと口メモ。このページでは新聞に掲載されたワードBOXとその関連記事をピックアップして紹介します。

事業継続計画(BCP)

 企業や自治体などが自然災害など非常事態に遭遇した際、業務を続けるために必要な態勢や手順をまとめた計画。ビジネス・コンティニュイティー・プランの略で業務継続計画ともいう。避難など災害発生時の応急対策を定める防災計画に対し、優先して再開する業務、従業員らとの連絡方法など本格復旧までの段取りをあらかじめ定めることを主眼とする。2011年の東日本大震災を機に注目され病院でも策定が進む。

※ワードの説明及び記事の内容は更新日のものです。

関連記事

地域と事業所一体のケアプランを NPO法人・八幡さんが講演 災害時の障害者支援 街に出てコミュニティーつくろう

 災害は誰にも等しく起こるのに、誰もが必要な支援を受けられるわけではない。障害者らの避難行動を支え、バリアフリーの避難所を確保する共助の仕組みは遅々として進まず、当事者をやきもきさせている。打開策はないのか。阪神大震災以降、被災障害者の支援を続けるNPO法人「ゆめ風基金」(大阪市)理事の八幡隆司さん(61)が福岡県春日市で講演し、そのヒントを示唆してくれた。

 同法人は同県大牟田市内の団体と共に熊本地震で障害者支援に取り組み、講演会はその活動に賛同した一般社団法人「空」(同県筑紫野市)が主催した。

 「阪神大震災から24年たつものの、障害者の支援は相変わらず置き去りにされたままだ」。八幡さんの目にはそう映っている。

 ▼高齢化する町内会

 国は障害者や高齢者など災害時に支援が必要で、避難所に行くのが難しい人について、市町村にあらかじめ名簿を作成するよう義務付ける。その名簿を基に町内会関係者や民生委員が一人一人の自宅を訪れ、避難時の困り事を聞き、被災時には誰が手助けし、どこに避難する-という計画を、個別に作っておくことが「望まれる」としている。

 しかし「名簿を事前に町内会に渡すのに同意する人は5割弱。受け取る町内会はそのうちの3割。事前に訪問するのはまたその1割程度」と八幡さん。町内会自体が高齢化し、非常時に手助けできる人員が確保しにくい。名簿の取り扱いにはプライバシーも順守しなければならない“制約”もあり「名簿が機能していない」のが実情だ。

 ▼直後の開設は困難

 肝心の「配慮された」避難先もおぼつかない。バリアフリー設備や専門職による支援が期待できる福祉施設などを、被災時に「福祉避難所」として活用できるよう、事前に協定を結んでおくことも国は指針で自治体に求めている。しかしほとんどの自治体が、まず公民館などの1次避難所で配慮が必要な人を把握した上で、2次避難所として開設してもらう形としており、利用できるまでタイムラグがある。大規模災害での即時開設は施設側の負担が大きく、開設まで余裕を持ってもらうことで「協定に応じてもらう施設を確保したい狙い」(八幡さん)も見え隠れする。

 高齢者と異なり、障害者は施設自体にバリアーがある公民館などでの生活は事実上、不可能。八幡さんは「本来なら災害発生から3~24時間以内の開設が求められ、自宅から直接向かえる1次避難所であるべきだ」と訴えるが-。

 熊本地震では、熊本市は170カ所以上と協定を結んでいたものの、地震発生から1週間以内に大半が開設できなかったという。

 ▼心のバリアー破れ

 八幡さんが期待するのは、障害者が普段、利用する通所施設など「行き慣れた」事業所。日中に発生した東日本大震災では、自宅に帰すことが危険と判断した場合、こうした施設が実態として福祉避難所となり、利用者の安心感につながった。「利用者の避難はある程度、事業所に委ねることも可能なのでは」とみる。

 このため八幡さんは近年、大規模災害に備え、国が企業などに策定を促している事業継続計画(BCP)を、福祉の事業所も積極的に立てるよう呼び掛けている。被災時にどうしたら業務を続けられるか。避難所となれるか。備蓄や電源は。職員など人手の確保は-。事前に検討してもらえれば「受け皿」が広がる可能性が高まるからだ。

 もう一つは、一人一人の避難計画を、事業所と町内会が「一体となって」策定すること。障害者が普段、サービスを利用する際、事業所や相談支援専門員と作る利用計画と同様に「災害時のケアプラン」を町内会関係者を交えて作る試みだ。「今は障害者と健常者のコミュニティーがなさすぎる。普段からヘルパーなど福祉職だけに囲まれがちな障害者が、積極的に街に出て、障害者のことを知る人が増えることで本当のノーマライゼーションにつながる」

 障害者も町内会の活動に必ず顔を出し、皆と同じ時を過ごす。支えてもらうだけの存在ではなく、地域の一員と分かってもらう。互いに意識や心のバリアーを破っていく大切さを、八幡さんは強調している。 (三宅大介)

    ×      ×

 【ワードBOX】事業継続計画(BCP)

 企業や自治体などが自然災害など非常事態に遭遇した際、業務を続けるために必要な態勢や手順をまとめた計画。ビジネス・コンティニュイティー・プランの略で業務継続計画ともいう。避難など災害発生時の応急対策を定める防災計画に対し、優先して再開する業務、従業員らとの連絡方法など本格復旧までの段取りをあらかじめ定めることを主眼とする。2011年の東日本大震災を機に注目され病院でも策定が進む。

PR

PR

注目のテーマ