ワードBOX

新聞記事に使われた語彙(ごい)を説明した新聞用語ひと口メモ。このページでは新聞に掲載されたワードBOXとその関連記事をピックアップして紹介します。

厚労省の指針

 厚生労働省は、新型コロナウイルスなど指定感染症患者の遺体を扱う際の指針を定めている。「遺体全体を覆う非透過性納体袋に収容・密封することが望ましい」としており、その上で納体袋の表面を消毒すれば「特別の感染防止策は不要。遺族が遺体を搬送することも可能」。遺体搬送や火葬の従事者には手袋の着用、体液や排せつ物の飛散の恐れがある場合にはマスク、ゴーグルの着用も求めている。

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「たらい回し」も…最後の別れ阻むコロナ、遺族は二重の苦しみ

 新型コロナウイルスに感染して亡くなった患者の遺族は「最後のお別れ」もできないのか-。厚生労働省や医療関係者は「遺体を納体袋で密閉すれば感染リスクは低く、小規模な通夜や告別式は可能」と説明するが、福岡県内の葬儀業者は「病院から火葬場に直接搬送する『直葬』のみ請け負うのが現状」という。人手不足やコスト面の問題から引受先が見つからず「たらい回し」にされるケースもあり、遺族は二重の苦しみにさいなまれている。

 4月中旬、福岡市の火葬場に新型コロナに感染して亡くなった80代男性の遺体が運び込まれた。唯一立ち会いを許された40代の息子は、ひつぎを開けようとして葬儀会社の従業員に止められ「顔も見てあげられず、1人でしか見届けてやれない。父さん、ごめん」とおえつを漏らしたという。

 遺体は防護服を着た葬儀会社の従業員が火葬場まで運び、通夜も告別式も行わなかった。対応した県内の業者は「従業員が感染すれば会社の運営が立ちゆかなくなる。安全性を重視した」と説明する。

 葬儀業界は慢性的な人手不足の状態が続く。万が一、感染者が出た場合を考えると、慎重な対応にならざるを得ないという。「直葬」の場合は平均的な葬儀代の7分の1程度になるといい、別の業者は「感染リスクがある上に収益も低い。依頼を断る業者は少なくない」と打ち明けた。

 PCR検査は陰性でも病院から「感染の疑いが強い」と警告されたケースもあるという。通夜と告別式を執り行った県内の業者は「遺体に触れる機会が多く、本音は直葬したかった。ただ陰性である以上、ご遺族の希望に応えるしかなかった」と話した。

 火葬場を運営する自治体側の対応も分かれる。同県筑紫野市の筑慈苑では、原則として遺族の立ち会いを認めていない。福岡市葬祭場は立ち会いは認めるが「装飾品を入れて納体袋が破れてしまうケースが考えられる」(市生活衛生課)との理由で、ひつぎを開けないよう求めている。

 遺族はもとより、葬儀会社もやるせない思いを抱えている。同県葬祭業協同組合の馬場昭典理事長は「厚労省と自治体側で感染リスクの見解に差があり、われわれも戸惑っている。遺族の気持ちに寄り添いたくても限界がある」と話した。 (御厨尚陽)

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【ワードBOX】厚労省の指針

 厚生労働省は、新型コロナウイルスなど指定感染症患者の遺体を扱う際の指針を定めている。「遺体全体を覆う非透過性納体袋に収容・密封することが望ましい」としており、その上で納体袋の表面を消毒すれば「特別の感染防止策は不要。遺族が遺体を搬送することも可能」。遺体搬送や火葬の従事者には手袋の着用、体液や排せつ物の飛散の恐れがある場合にはマスク、ゴーグルの着用も求めている。

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