ワードBOX

新聞記事に使われた語彙(ごい)を説明した新聞用語ひと口メモ。このページでは新聞に掲載されたワードBOXとその関連記事をピックアップして紹介します。

矯正施設と高齢化

 刑務所や拘置所などの矯正施設は全国に286カ所あり、収容者は約5万人、職員は約2万3千人(いずれも3月末時点)。犯罪白書によると、刑務所、少年刑務所、拘置所の収容率は57・1%(2018年)。刑務所全体の受刑者に占める65歳以上の割合は、1989年が1・3%だったが、2018年には12・2%に増加した。

※ワードの説明及び記事の内容は更新日のものです。

関連記事

「究極の3密」刑務所クラスターに戦々恐々 刑務官の感染相次ぐ

 九州で最大規模の福岡刑務所(福岡県宇美町)で、刑務官の新型コロナウイルスの感染者が3人となり、クラスター(感染者集団)発生への緊張感が高まっている。24日には、福岡拘置所(福岡市早良区)の20代男性刑務官の感染も判明した。逃走防止のため、究極の「3密」といえる状態がつくり出される矯正施設。受刑者は高齢化し、重症化の懸念もある。九州の施設は個室を増やし、面会制限を設けるなど対策を強化するが、ウイルスの持ち込みを防ぐのは容易ではない。人権とのバランスをどう確保するかも求められる。

 福岡刑務所では20日の40代男性刑務官の感染に続き、23日に20代男性刑務官2人の感染が確認された。3人はいずれも受刑者の監視業務に従事。それぞれが別の飲食店で感染したという。

 刑務所では複数の受刑者が同じ部屋で共同生活し、刑務作業や運動も集団で行う。福岡刑務所は約1060人を収容し、職員は約390人。「40人を受け入れる作業工場もあり、感染が一気に広がるのでは」と刑務官の一人は気をもむ。

 大阪拘置所(大阪市)で4月に刑務官8人が感染した際には、多い日で職員約150人を自宅待機とし、収容者約60人を個室に移した。福岡刑務所でも、3人と同じ業務の刑務官三十数人が自宅待機になっている。

   ◆    ◆

 法務省は4月下旬、矯正施設の感染症対策指針をまとめた。職員は公共交通機関の利用を控える▽収容者の運動や入浴は1回当たりの人数を縮小▽新規の収容者は個室に14日間入れて検温-などと定めた。

 福岡刑務所は、医師の助言を受けて新規受刑者の対応を見直した。6月中旬の訓練では防護服姿の刑務官らが、屋外テントで体温の計測やPCR検査の検体を採取する流れを確認。明石雅己所長は「最善を尽くす」と強調した。

 九州で唯一女性を受け入れる麓刑務所(佐賀県鳥栖市)では、感染した受刑者のための個室を38室確保した。その結果、共同室4室の収容人数が3~4人から6人に増えた。「対策を進めて逆に『密』が生まれるジレンマ」と幹部は嘆く。

 福岡刑務所は職員に「接待を伴う店を利用しない」「感染対策をした飲食店を選ぶ」などと注意喚起していたが、幹部は「私生活の制限は難しい」。別の刑務官は「最近は『もういいじゃん』と緩んでいた」と明かす。

   ◆    ◆

 緊急事態宣言下の4~5月、多くの刑務所では教誨(きょうかい)師など民間の協力者による面接や慰問活動が止まった。特定警戒都道府県に指定された福岡を含む13の都道府県では、面会は原則として弁護士や領事に限られた。

 法務省によると、ビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」などを活用したオンライン面会は認められていない。日弁連刑事弁護センターの菅野亮弁護士は「感染への不安から家族も面会に行きづらい。オンライン面会を可能にするなど、課題の解決を目指すべきだ」と提起する。

 刑務所での勤務経験がある龍谷大の浜井浩一教授(犯罪学)は「面会と再犯率には相関関係があり、社会や家族とのつながりを維持すると再犯率は抑えられる。オンライン面会は仮釈放時の引受先の調整などにも活用でき、意義は大きい」と話す。 (長松院ゆりか、小川勝也)

   ×    ×

【ワードBOX】矯正施設と高齢化 刑務所や拘置所などの矯正施設は全国に286カ所あり、収容者は約5万人、職員は約2万3千人(いずれも3月末時点)。犯罪白書によると、刑務所、少年刑務所、拘置所の収容率は57・1%(2018年)。刑務所全体の受刑者に占める65歳以上の割合は、1989年が1・3%だったが、2018年には12・2%に増加した。

PR

PR

注目のテーマ