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被爆体験者

 国が定める長崎原爆の被爆地域は、旧長崎市と近隣旧町村の一部で、爆心地から南北約12キロ、東西約7キロ。行政区域を基に線引きされたため、縦長のいびつな形となっている。「被爆体験者」は同じ半径12キロ圏内でも被爆地域外で原爆に遭い、被爆者援護法に基づく援護が受けられない人たち。医療給付は精神疾患とその合併症に限られ、原則として医療費の自己負担がない被爆者とは格差がある。

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被爆体験者161人全面敗訴 長崎第2陣訴訟 手帳交付認めず 福岡高裁判決

 国が定めた地域外で長崎原爆に遭った「被爆体験者」161人が、長崎県と長崎市に被爆者健康手帳の交付を求めた第2陣訴訟の控訴審判決が10日、福岡高裁であった。矢尾渉裁判長は、原告のうち10人を被爆者と認定した一審長崎地裁判決を取り消し、全員の請求を退けた。原告側は上告する方針。

 原告161人は爆心地から半径約7・5~12キロの範囲におり、被爆者援護法が「身体に原爆放射能の影響を受けるような事情の下にあった者」とする「3号被爆者」に当たると主張。主な争点は、3号被爆者に当たるかどうかだった。

 判決で矢尾裁判長は、終戦直後に米国の調査団が長崎市とその周辺で計測した放射線量データを基に、原告がいた地域では原爆投下後、1年間の被ばく線量は最大でも18・7ミリシーベルトだったと指摘。内部被ばくについては「長期的にみてもかなり微量にとどまり、健康への影響は直ちに認められない」とした。

 その上で、「年間100ミリシーベルト以下の低線量被ばくで健康被害が生じるとの確立した科学的知見はない」とし、被爆者には当たらないとの判断を示した。

 控訴審で原告側は、米英仏3カ国の原子力施設の従業員が、100ミリシーベルト以下の低線量被ばくを長期間受けたことで健康被害があったとの研究資料を新たに提出。この主張について、高裁は「がんなどの発症リスクの直接的な増加を読み取ることはできない」として退けた。

 一審長崎地裁判決は、原爆による年間の放射線被ばく線量が自然界(世界平均2・4ミリシーベルト)の約10倍を超える「25ミリシーベルト」以上の場合、健康被害が生じる可能性があるとの基準を提示。米国調査団のデータから原告の被ばく線量を個別に推計した医師の意見書を採用し、原告10人を被爆者と認定した。高裁はこの基準については言及しなかった。

 先行した第1陣訴訟では昨年12月、最高裁が原告387人を被爆者と認めない判断をしており、敗訴が確定している。

【ワードBOX】被爆体験者

 国が定める長崎原爆の被爆地域は、旧長崎市と近隣旧町村の一部で、爆心地から南北約12キロ、東西約7キロ。行政区域を基に線引きされたため、縦長のいびつな形となっている。「被爆体験者」は同じ半径12キロ圏内でも被爆地域外で原爆に遭い、被爆者援護法に基づく援護が受けられない人たち。医療給付は精神疾患とその合併症に限られ、原則として医療費の自己負担がない被爆者とは格差がある。

=2018/12/11付 西日本新聞朝刊=

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