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新聞記事に使われた語彙(ごい)を説明した新聞用語ひと口メモ。このページでは新聞に掲載されたワードBOXとその関連記事をピックアップして紹介します。

里親制度

 親がいない子どもや親による養育が不適当と認められた子どもを引き取って育てる児童福祉法に基づく制度。親元に戻すことを目標に一定期間育てる「養育里親」、親が亡くなったりした場合に親族が育てる「親族里親」、特別養子縁組をする「養子縁組里親」などがある。施設やこうした里親と暮らす子どものうち、里親と暮らす子どもの割合を里親委託率という。政府は「2019年度までに里親委託率22%」を目標に掲げている。

※ワードの説明及び記事の内容は更新日のものです。

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養育里親を増やすために 静岡市でシンポ 新人里親が孤立しない支援を

 児童虐待の増加などを背景に、親と一緒に暮らせない「社会的養護」の子どもは増え、約4万6千人に上る。その大半が施設で育っている現状を変えようと政府は里親委託を推進しているが、委託率は16・5%(2015年3月末)で欧米諸国に比べて著しく低い。そうした中、39・2%と全国トップレベルの静岡市で、里親を増やす方策を探るシンポジウムが9月上旬、開かれた。10月は「里親月間」。子どもたちが家庭的なぬくもりの中で育つための態勢づくりを考えたい。

 シンポは静岡市が主催。同市の委託率は、都道府県・政令市の中で新潟県の41・4%に次ぎ2番目。里親のなり手を増やすには、里親制度を管轄する児童相談所の力だけでは限界があるとして、民間との連携などについて意見を交わした。

 5年間で20ポイント増という同市の委託率アップは、里親制度の啓発や里親研修をNPO法人静岡市里親家庭支援センターに委託したことが大きい。新人里親が子どもと衝突して燃え尽きたり孤立したりしないよう、ベテラン里親による傾聴や、「里親サロン」を開くなど支援態勢を充実させた。

 ただ、里親に応募してきた夫婦の3分の2ほどは、センターとの最初の面接でトラウマ(心的外傷)など子どもの抱える問題の深刻さを知り、登録を諦める。一定期間育てる「養育里親」が多く求められているが、「養子縁組里親」の希望者が多いなどミスマッチもあり、センターの佐野多恵子アドバイザーは「里親は子どもがほしい大人のための制度ではなく、傷ついた子どもの福祉のための制度だと分かってもらう必要がある」と提起した。

 「里親=養子縁組」のイメージを薄めるため、養育里親のことを東京都では「養育家庭」、大阪府では「はぐくみホーム」と呼んでいることも紹介された。

 大阪府や川崎市などで、行政委託を受けて養育里親のリクルート事業をしているNPO法人キーアセット(大阪府東大阪市)の渡邊守代表は「里親制度のPRに終始する自治体が多く、里親登録数が増えなければ今困っている子どもが救われない」として、新規開拓を急ぐべきだと主張。和歌山県で里親支援をしている和歌山乳児院の森下宣明院長は、施設の子どもたちが週末に協力家庭で過ごす県の独自事業に着目し「『まず週末里親から始めませんか』と敷居を低くして呼び掛けている」と話した。

 ●乳幼児里親リクルート 福岡市、民間委託で今月スタート

 福岡市は10月から、養育里親の登録を増やすための「乳幼児里親リクルート事業」を始めた。関東や関西で実績があるNPO法人キーアセット(大阪府東大阪市)と8月に事業委託契約を結んだ。

 福岡市は2005年度から里親フォーラムを年2回開くほか、児童相談所の里親担当職員を6人に増やして里親委託率を32・4%(2015年3月末現在)に上げたが、近年は横ばい傾向。子どもは虐待を受けた場合を除き、転校による環境変化を避けるため同じ校区内の里親に委託するのが望ましく「1小学校区1里親」を目指してきたが、全143校区のうち半分にしか登録者がいないという。

 特に開拓したいのは、乳幼児の急な委託に応じられる家庭。今は共働き家庭の登録が多く、児相が緊急保護した子どもはいったん施設で過ごす場合がほとんどという。同法人は子育て世代が集まる商業施設でイベントを開くなどの募集方法や体験型研修に定評があり、担当者は「民間の手法に期待したい」としている。

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 【ワードBOX】里親制度

 親がいない子どもや親による養育が不適当と認められた子どもを引き取って育てる児童福祉法に基づく制度。親元に戻すことを目標に一定期間育てる「養育里親」、親が亡くなったりした場合に親族が育てる「親族里親」、特別養子縁組をする「養子縁組里親」などがある。施設やこうした里親と暮らす子どものうち、里親と暮らす子どもの割合を里親委託率という。政府は「2019年度までに里親委託率22%」を目標に掲げている。


=2016/10/18付 西日本新聞朝刊=

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