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新聞記事に使われた語彙(ごい)を説明した新聞用語ひと口メモ。このページでは新聞に掲載されたワードBOXとその関連記事をピックアップして紹介します。

フリースクール

 法律上の定義はなく、文部科学省は「不登校の児童生徒に学習支援、教育相談、体験活動などを行っている民間施設」と位置付ける。同省は1992年、不登校の児童や生徒がフリースクールなどの民間施設などに通った場合、学校長が認めれば出席扱いにできる、と通知を出した。2003年には、フリースクールに通った児童や生徒を出席扱いにするためのガイドラインを示した。

※ワードの説明及び記事の内容は更新日のものです。

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支援情報を 不登校に悩む親子へ フリースクールが協議会 福岡で10月にも発足

 ●「孤立させない」 行政との連携進める 
 全国で小学生から高校生の不登校は約17万6千人に上るという。彼らの学習や相談などの支援をする民間施設のフリースクールは、さまざまな特色があるものの、そうした情報が不登校に悩む親子に十分に届いていない。福岡県内ではフリースクールによる協議会が10月にも発足し、広報活動や行政との連携を進めようとしている。

 ▼どうすれば届くか

 NPO法人ギフテッド(久保山博子代表)は今月、福岡市南区にフリースクールを開所した。

 同法人は2010年、こだわりが強い、特定の学習が苦手など発達に偏りがある子について学ぶ任意団体として発足した。その後、同県那珂川町にフリースクールを開き、小学生から高校生までの計14人を支援したが、資金繰りが厳しくなり、昨年3月に閉鎖。訪問支援を続けていたところ、活動の趣旨に賛同した企業が事務所を無償で貸してくれることになり、フリースクールの再開が実現した。

 保護者の相談料は発生するが、企業や保護者の寄付を募っており、生徒の利用は無料。自己肯定感を持てるような関わりや、社会性のトレーニングなどを行っていく方針という。

 小中学生を中心に利用者を募集しているが、まだ通う子どもはいない。地域の情報誌に募集のお知らせを載せても反応はなかった。自身の長男も不登校を経験したことがある久保山代表(53)は「不登校の子を孤立させないことが大切。ここを必要とする子どもや保護者はいるはずだが、どうすれば情報が届くのか試行錯誤している」と語る。

 ▼把握する機関なく

 フリースクールを選ぶとき、当事者や保護者は、インターネットや口コミなどで情報収集するしかないのが現状だ。フリースクールに関する情報を一括して把握している機関は、全国的にもないからだ。

 文部科学省が昨年行った調査によると、474施設があり、少なくとも約4200人の小中学生が通っていることが分かったが、「あくまで把握数で、実数ではない」(同省児童生徒課)。

 そこで、箱崎自由学舎えすぺらんさ(同市東区)など同県から助成金を受ける5施設は昨秋、ネットワーク組織「ふくおかフリースクールフレンドシップ」を結成した。同組織は把握している他の県内約30施設に呼び掛け、今年10月にも、フリースクールを会員とする協議会を設立しようとしている。施設の紹介や不登校の子どもの支援情報を載せた広報誌の作成、合同説明会の開催などを目指す。

 ▼学校との関係強化

 さらに協議会が目指すのは、行政との連携だ。

 文科省の通知により、学校長が認めればフリースクールに通った実績を学校の出席扱いにできる。しかし同省の調査では、出席扱いされた小中学生は2014年度で882人にとどまる。理由の一つに、開設に資格の必要がないフリースクールは、学校との信頼関係を築きにくいことが挙げられる。

 そのため、協議会が行政と連携し一定の信頼を得ることで、加盟したフリースクールも学校と関わりやすくなる狙いがある。

 今年5月、国会では超党派の議員連盟が、不登校の児童生徒への支援を初めて明記した「教育機会確保法案」を国会に提出し、継続審議となっている。フリースクールなどに通うことで就学義務を果たしたとみなす内容は盛り込まれなかったが、支援の機運は少しずつ高まりを見せる。

 協議会の発起人で、えすぺらんさの職員、上村一隆さん(43)は「不登校に悩む子の近くにいる大人の集団として、政策提言などもできるようになりたい」と意気込んでいる。

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 【ワードBOX】フリースクール

 法律上の定義はなく、文部科学省は「不登校の児童生徒に学習支援、教育相談、体験活動などを行っている民間施設」と位置付ける。同省は1992年、不登校の児童や生徒がフリースクールなどの民間施設などに通った場合、学校長が認めれば出席扱いにできる、と通知を出した。2003年には、フリースクールに通った児童や生徒を出席扱いにするためのガイドラインを示した。


=2016/09/27付 西日本新聞朝刊=

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