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新聞記事に使われた語彙(ごい)を説明した新聞用語ひと口メモ。このページでは新聞に掲載されたワードBOXとその関連記事をピックアップして紹介します。

ICT

 Information and Communication Technology。情報技術(IT)に通信(C)を加えた用語で、教育現場では電子黒板、デジタル教科書、タブレットパソコン、校内LAN(校内のパソコンをつないだ通信網)などの整備が進む。文部科学省では、(1)情報活用力の育成(2)分かりやすく、授業を深める(3)学校業務の情報化-などを目標に、2020年度までに教育用パソコンの「児童生徒に1人1台」配備を目指している。

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【自由帳】ICT先進校の実感 紙に書いて学ぶ大切さ

 子どもたちの学びが本格化する2学期、各学校では授業発表会も相次ぐ。

 福岡県柳川市の市立豊原小(児童数164人)は、3年前から全学年でICTを活用した授業に取り組み、「先進校」として知られる。9月中旬にあった授業発表会には、教員や行政関係者ら約300人が詰めかけた。

 注目を集めたのは、体育館で公開された6年生の授業。総合学習の一環として、車ロボットを制御するプログラムを、タブレット端末を使って組み立て、実際に動かしてみよう、というものだった。

 車を目的地までジグザグに動かすために、指示プログラムの順列、組み合わせを考える授業は、パズルゲームのようにも見えた。児童たちは、グループごとに話し合いながら、ステアリング(方向転換)、タッチセンサー(衝突待機)、カラーセンサー(色の識別)など五つの機能を組み合わせ、プログラムを設計していった。

 一連の授業は5年生から始まっているという。この日の公開授業は、難しそうに見えて、実は前回学習した機能プログラムを組み合わせていけばよかった。授業の狙いは「同じ動きのコピー」。だが、興味津々の児童たちは「新たな動き」を求め、必ずしも先生の狙い通りには進まなかった。

    ☆   ☆

 5年生の授業は「その情報、本当かな?」。ネット社会に氾濫する情報の吟味、批判的な思考力を養う授業実践だった。

 インターネットで入手した2種類の都道府県別人口ランク、生活・医療情報などを電子黒板で示しながら、どちらの情報の信頼性が高いか、その根拠を確認していく授業だった。

 「いつの情報か」「誰が書いたのか(公的機関、専門家の関与)」「どうやって調べたのか(調査方法)」などのポイントについては、教師は旧来の黒板に記し、児童たちもノートに書いていく。そして4番目に提示された資料には、どちらにも疑問点があった。その場合はどうするか?

 児童の回答は「使わない」「大人に聞く」、そして最後に先生の投げ掛けもあって「本とか、新聞とかで調べる」だった。

 私たちもそうだが、現場に足を運んだり、人に会って確かめたり、図書館で調べたり、かつての当たり前が希薄になっている。

    ☆   ☆

 この学校の机は、通常の学校より3割強広い。縦50センチ、横65センチ。タブレット端末とノートや筆記用具を一緒に置けるよう、配備された。ICT教育を進めるほど、「書く」という学びの大切さを痛感したからだという。

 「子どもたちにとって、課題のイメージのようなものをつかむにはICTが有効。その半面、考えや表現を自分のものにするためにはノートと鉛筆が不可欠」。指導に当たる道園祐子教諭(38)はそう話す。

 新谷裕幸校長も「タブレット端末では、一度消去してしまうと、前に書いたことが完全に消えてしまう。だが、子どもたちがノートに鉛筆で書いた記述は、消しゴムで消しても痕跡が残る。そこで、自分自身の思考の足跡が分かる。そんな学びも大切」と話す。

 ICT教育の先進校が、逆にノートと鉛筆を使った「書く」という学びの奥深さに気付いている点が興味深かった。

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 【ワードBOX】ICT

 Information and Communication Technology。情報技術(IT)に通信(C)を加えた用語で、教育現場では電子黒板、デジタル教科書、タブレットパソコン、校内LAN(校内のパソコンをつないだ通信網)などの整備が進む。文部科学省では、(1)情報活用力の育成(2)分かりやすく、授業を深める(3)学校業務の情報化-などを目標に、2020年度までに教育用パソコンの「児童生徒に1人1台」配備を目指している。


=2015/10/06付 西日本新聞朝刊=

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