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新聞記事に使われた語彙(ごい)を説明した新聞用語ひと口メモ。このページでは新聞に掲載されたワードBOXとその関連記事をピックアップして紹介します。

地盤の液状化現象

 地震の強い揺れで砂粒同士の結びつきが弱まって、砂粒が地下水に浮いた状態になり、地盤が沈下する現象。建物が傾いたり、道路が沈んだりするなど家屋やインフラに大きな被害が出る。東日本大震災や昨年9月の北海道胆振東部地震でも被害が確認された。

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液状化対策に悩む熊本被災地 「全員同意」着工の壁

 2016年4月の熊本地震による液状化被害が起きた熊本市と熊本県甲佐町で対策工事が難航している。熊本市では着工に必要な住民の同意取得に時間がかかり、甲佐町では地中から異物が見つかり住民が工事中断を求める事態に。東日本大震災でもスムーズに運んだ事例は少なく、対応の難しさが浮き彫りになった。

 「東日本の被災地でも工事は始まったばかり。本当の実績はない」。3月下旬、熊本市南区近見地区。市主催の液状化対策シンポジウムで住民約100人が専門家の説明に耳を傾けた。

 同地区では、約40ヘクタール(857戸)で家屋が傾いたり、電柱が地中に沈んだりする液状化被害が発生。多くの家屋は解体されたが、再び地震が起これば液状化する恐れがある。

 市は昨年10月、地中に排水管を埋め、地下水を抜いて地盤を固める「地下水位低下工法」の採用を決定。全額公費負担だが、工事に同意し実施が決まったのは1区画13戸にとどまる。

 同意取得が進まない理由の一つは、市が掲げる「工事区域全員の同意」という着工要件だ。市によると、同意した区画では梅雨明けに着工し、排水設備を埋設した上で1年程度状況を見る。長期間の工事に対して住民間に温度差があり、地区内の自治会長の1人は「地震から3年たち、もうこのままでいい、という意識の低下がある」と明かす。

 さらに、市が地質を詳しく調べた結果、地下水位を低下させた場合、被害区域の45%にあたる18ヘクタールで、地盤が5センチ以上沈下して家屋に悪影響が出る恐れなどがあると判明。市は3月中旬、「この区域には地下水位低下工法を使えない」と判断。新たな工法の見通しは立っていない。「時間がかかり過ぎ」。地元の液状化対策復興協議会の荒木優副会長(69)はため息をつく。

 甲佐町では、工事着手後に問題が起きた。

 液状化が起き、8割近い家屋が全半壊した同町の芝原団地(約40戸)。地権者の9割超の同意を得て昨年4月に着工したが、町道を掘削すると、地中から最大2・1メートルのコンクリート片や石が約50個見つかった。

 住民は原因究明のため工事中断を求めたが、町は応じず、今年10月に完了する考えだ。奥名克美町長は3月の町議会で「いかに早く液状化対策を行うかが非常に大事な使命だった」と言い切った。

 国によると、11年の東日本大震災では対策を検討した67地区のうち、着手できたのは13地区。熊本市と同じように、住民からの同意取得などがネックとなっているという。千葉県浦安市では対策工事中に地中から埋設物が見つかるなどして工事が中止になった。

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【ワードBOX】地盤の液状化現象

 地震の強い揺れで砂粒同士の結びつきが弱まって、砂粒が地下水に浮いた状態になり、地盤が沈下する現象。建物が傾いたり、道路が沈んだりするなど家屋やインフラに大きな被害が出る。東日本大震災や昨年9月の北海道胆振東部地震でも被害が確認された。

=2019/04/12付 西日本新聞朝刊=

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