ワードBOX

新聞記事に使われた語彙(ごい)を説明した新聞用語ひと口メモ。このページでは新聞に掲載されたワードBOXとその関連記事をピックアップして紹介します。

高齢運転者の認知機能検査強化

 6月に成立した道路交通法改正で、75歳以上は免許更新時の認知機能検査が強化される。現行法では、認知症の恐れがあると判定されても、過去1年間に交通違反がなければ免許を更新できる。新制度では認知症の恐れがあると判定されると医師の診断が義務づけられ、結果次第で免許取り消しか停止となる。

※ワードの説明及び記事の内容は更新日のものです。

関連記事

認知症者の運転事故防止策は 医師が警察に患者届け出 代替交通手段の拡充必要

 認知症の治療を受けていた男性(73)の車が宮崎市中心部で歩道上を暴走し、7人を死傷させる事故が起きるなど、認知症高齢者が加害者となる交通事故が相次いでいる。事故を防ぐ手だてはあるのか。

 大分県警は2013年8月、県医師会と連携して認知症患者の運転対策に取り組む連絡会議を設置した。「信号機の赤、黄、青の意味が分からない」「右と左の識別ができない」…。専門外の医師でも認知症を診断しやすくするため、独自に作った診断基準68項目の周知を徹底する。

 17年6月までに施行予定の改正道路交通法では、75歳以上の運転者は免許更新時の認知機能検査が強化される。施行後は医師の診断を求められる高齢者が急増することを見越して、協力も呼び掛ける。

 昨年5月には運転に支障があると思われる患者について医師が警察に届け出る専用回線「ドクターライン」も開設した。今年10月末までに10件の届け出があり、警察官が出向いて説得したり、家族と話し合ったりして、6件が運転免許証の自主返納につながった。

 県内の65歳以上が運転免許証を自主返納した件数は9月末現在で1704人と、過去最多だった昨年(1812人)を大きく上回るペースで増えている。

 ただ、公共交通機関が少ない地域で暮らす高齢者にとって、通院や買い物などの足として車は欠かせない。九州各地では運転免許証の自主返納を促す支援も増えてきた=表1参照=が、民間の努力に頼る面が大きく「生活の足の確保という意味では十分でない」(大分県)のが現状だ。

 国立長寿医療研究センターの荒井由美子長寿政策科学研究部長らの研究班による「認知症高齢者の自動車運転を考える家族介護者のための支援マニュアル」(同部ホームページからダウンロード可能)は、家族や主治医が強く促しても速やかな運転中止がどうしても難しい場合、家族が同乗しての定期的な観察を勧める。

 熊本大大学院の池田学教授(神経精神医学)作成のチェック項目として、認知症が原因で失敗することが多い六つの運転行動を挙げている=表2参照。一項目でも繰り返すときは、交通事故を起こす確率が高く、危険という。

 マニュアルを監修した荒井部長は「本人と周囲の安全のため、認知症初期であっても運転をやめる準備をした方がいい」と強調。一方で、車なしでは生活が成り立たない現実や、運転自体が楽しみや生きがいという高齢者の存在も指摘する。「運転をやめさせるのがゴールではない。自治体が代替交通手段を拡充し、運転をやめた後の生活と運転に代わる楽しみや生きがいになる活動を、家族が一緒に考えることが大切」と呼び掛けている。

    ×      ×

 【ワードBOX】高齢運転者の認知機能検査強化

 6月に成立した道路交通法改正で、75歳以上は免許更新時の認知機能検査が強化される。現行法では、認知症の恐れがあると判定されても、過去1年間に交通違反がなければ免許を更新できる。新制度では認知症の恐れがあると判定されると医師の診断が義務づけられ、結果次第で免許取り消しか停止となる。


=2015/11/12付 西日本新聞朝刊=

PR

PR

注目のテーマ