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母子生活支援施設

 母親と18歳未満(一部20歳未満)の子どもが、就職や子育てなどの助言や支援を受けながら自立に向けて生活する児童福祉施設。施設は(1)自治体が設立、運営する「公設公営」(2)民間に運営を委託する「公設民営」(3)社会福祉法人が設立、運営する「民設民営」‐に分けられる。全国母子生活支援施設協議会によると、入所理由の半数がDV被害で、離婚などによる「経済事情」「住宅事情」が続く。九州の施設数は2014年度時点で福岡12▽佐賀3▽長崎2▽熊本2▽大分3▽宮崎3▽鹿児島8。

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母子施設相次ぐ閉鎖 公営 老朽化で激減 関係者「行政の支援 充実を」

 経済的に困窮したり、配偶者から暴力(DV)を受けたりした女性とその子どもを保護する母子生活支援施設が全国的に減少している。自治体が設立、運営する公設公営施設が老朽化を理由に相次いで閉鎖しているためだ。配偶者暴力相談支援センターが2014年度中に受けた相談件数が10万件を超え、ひとり親家庭の貧困が社会問題化する中、関係者は「施設を必要とする母子は多い」と公的支援の充実を求めている。

 全国母子生活支援施設協議会(全母協、東京)によると、1996年度に全国で307あった施設は、2014年度には240にまで減少した。内訳を見ると、公設公営施設が139から44に激減。社会福祉法人が設立、運営する民設民営施設は101から123に増えたが、全体としての減少に歯止めがかからなかった格好だ。

 九州の公設公営施設では08年度から福岡県で3施設、長崎と宮崎両県でそれぞれ1施設が閉鎖。福岡県糸島市が運営する「笹山苑」は昨年1月に廃止を決定し、2年以内に施設を閉めるという。

 背景には施設の老朽化で母子のニーズに応えられないという問題がある。福岡県の担当者は「間取りが狭く、風呂などの設備も古い。門限などもあり集団生活を嫌がって敬遠される」と打ち明ける。実際、定員に対する利用者数(充足率)は公設公営施設は43・8%にとどまり、民設民営施設は85・1%と高い。

 施設関係者などによると、近年はDVや児童虐待に加え、身寄りがない外国人や精神疾患で子育てが困難な母子が増加傾向にある。利用希望者は、民営施設や、行政があっせんする民間住宅に流れているとみられ「地域に必要な施設数は確保できている」(厚生労働省)という。九州の自治体担当者も「公営住宅の優先入居のほか、生活や就職相談にも応じている」としている。

 だが、全母協の芹沢出副会長は「DV被害や児童虐待が深刻化しており、職員が多方面から母子をケアできる施設の需要はむしろ高まっている」と指摘する。

 芹沢氏によると、DV被害者は住居地から遠く離れた自治体に避難するのがほとんど。公営施設は他自治体からの入所を認めていないことも利用減の要因とみられる。民営施設が受け入れる際は、市町村が費用を一部負担するため「予算が少ない市町村が入所を制限する傾向がある」ことも影響しているという。

 日本体育大学の本多洋実准教授(児童福祉学)は「親子が一緒に暮らせる唯一の支援施設で、要望は高い。行政側は、利用しやすい施設の整備や制度変更に取り組むべきだ」と強調する。


【ワードBOX】母子生活支援施設

 母親と18歳未満(一部20歳未満)の子どもが、就職や子育てなどの助言や支援を受けながら自立に向けて生活する児童福祉施設。施設は(1)自治体が設立、運営する「公設公営」(2)民間に運営を委託する「公設民営」(3)社会福祉法人が設立、運営する「民設民営」-に分けられる。全国母子生活支援施設協議会によると、入所理由の半数がDV被害で、離婚などによる「経済事情」「住宅事情」が続く。九州の施設数は2014年度時点で福岡12▽佐賀3▽長崎2▽熊本2▽大分3▽宮崎3▽鹿児島8。

=2016/01/20付 西日本新聞朝刊=

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