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新聞記事に使われた語彙(ごい)を説明した新聞用語ひと口メモ。このページでは新聞に掲載されたワードBOXとその関連記事をピックアップして紹介します。

日本栄養士会災害支援チーム(The Japan Dietetic Association-Disaster Assistance Team)

 2011年の東日本大震災を機に翌年発足。現在は全都道府県の栄養士会で設立済み。国内外で大規模な災害が発生した場合、被災地の医療・福祉・行政の各部門と協力しながら栄養補給物資の提供など状況に応じて食生活を支える。災害時に役立つレシピ作りや応急処置などを学ぶ研修もあり、これまでに約1300人が受講した。

※ワードの説明及び記事の内容は更新日のものです。

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栄養士チーム 避難所巡回 食生活に助言、サプリなど配布

 日本栄養士会(東京)が派遣する災害支援チーム=JDA-DAT(ダット)=が、熊本地震の被災地で避難住民の食事や健康管理を支援している。地震災害の被災地では初めての活動だが、お年寄りや乳幼児ら災害弱者にきめ細かく対応。避難生活が長引く中、栄養失調や持病悪化など二次災害の防止に力を注いでいる。

 熊本市中心部から約10キロ。熊本県菊陽町の光の森町民センター「キャロッピア」は住民約300人が避難していた。地震発生から10日後の4月24日、福岡県栄養士会のチーム責任者、渡辺啓子さん(58)は「住民がごみを枕に寝ているような状態」に驚いた。あちこちに積まれていたのは処理できないままのごみ。災害後の混乱を実感した。

 「食事について聞かせてもらえますか」。体育館の床に座って休むお年寄り一人一人に声を掛ける。70歳前後の男性は「脳梗塞で入院し、地震の日に退院したばかり」と話し、糖尿病の持病についても打ち明けた。

 避難所で当時配られていた食事はおにぎりや菓子パンなど炭水化物ばかり。渡辺さんは、栄養が偏ると持病が悪化する恐れがあるため、定期的な見守りなどが必要として、保健所への報告に盛り込んだ。

 この日の福岡県栄養士会のメンバーは病院や自治体などの栄養士計8人。前日に一部復旧した九州新幹線で熊本に入り、日帰りで活動した。熊本県栄養士会の事務所に他県チームと共に集まり、担当の避難所を指示された。目的は、炊き出しメニューや配給品などの食事、避難住民の栄養状態などの状況を把握すること。医療、福祉などの関係機関と情報を共有して的確な対応につなげる。渡辺さんたちは菊陽町の避難所を2人一組で回った。

 渡辺さんは「避難者の多くが不自由さを訴えることを遠慮していた。『もっと大変な人がいるから』と。そうした心理を踏まえ、栄養バランスなど十分な配慮が必要」と強調した。

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 日本栄養士会は熊本地震の発生翌日から、ボランティアの災害支援チームを派遣。17日現在で17都府県の延べ715人が活動している。のみ込み障害のある高齢者向けの介護食や流動食、アレルギー対応用ミルク、ビタミンのサプリメントなどの特殊栄養食品を賛助会員企業を通じて熊本県に送った。

 渡辺さんは今回、初期段階の課題も感じた。例えば各地から届いた特殊栄養食品は他の支援物資と一緒に県庁に置かれたままで、振り分ける職員も不足していた。平等を重視するあまり必要な所に届けられるのが遅れることもあったと聞く。

 熊本県栄養士会によると現在、特殊栄養食品は県庁のほか益城町など計4カ所に振り分けて備蓄。毎日、ほぼ4チームが避難所を巡回しながら、状況に応じて配っている。

 渡辺さんは行政の要望に応じるだけでなく単独の支援に取り組む必要性も感じた。「栄養士会で完結できる支援もあると思う。初期段階では求められる支援に一つ一つ応じていくことも大切では」と指摘する。福岡県栄養士会は地震発生から間もなく、熊本県阿蘇市内の被災病院の要望に迅速に対応。使い捨て食器、水や缶詰などを取引業者らの協力を得て送り、有効な支援につなげたという。

 【ワードBOX】日本栄養士会災害支援チーム(The Japan Dietetic Association-Disaster Assistance Team)

 2011年の東日本大震災を機に翌年発足。現在は全都道府県の栄養士会で設立済み。国内外で大規模な災害が発生した場合、被災地の医療・福祉・行政の各部門と協力しながら栄養補給物資の提供など状況に応じて食生活を支える。災害時に役立つレシピ作りや応急処置などを学ぶ研修もあり、これまでに約1300人が受講した。


=2016/05/18付 西日本新聞朝刊=

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