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新聞記事に使われた語彙(ごい)を説明した新聞用語ひと口メモ。このページでは新聞に掲載されたワードBOXとその関連記事をピックアップして紹介します。

お薬手帳

 医師の処方に基づいて薬を出す保険薬局に提出し、薬の種類や用量、効能、アレルギーや副作用の履歴などを記録する。薬剤師会や企業が、紙製や電子版の手帳を通常は無料で配布している。
 1993年の薬の併用による死亡事件をきっかけに、大学病院などで導入が始まり、2000年から診療報酬制度に組み入れられた。東日本大震災や熊本地震でカルテなどが失われた際に、手帳を使って医薬品を提供する事例が相次ぎ、再注目されている。

※ワードの説明及び記事の内容は更新日のものです。

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お薬手帳を持とう 服用の記録、副作用防ぐ「カラダの履歴書」 窓口負担40円安く/スマホの電子版も

 いつ、どこで、どんな薬を処方されたかを記録しておく「お薬手帳」が徐々に普及している。安全で効果的な治療につながるだけでなく、手帳を使うと多くの薬局で支払いが安くなる。最近は電子版の手帳も増えてきたが、患者にとってはまだ複雑で分かりにくい仕組みになっている。

 福岡市・天神の薬局で働く薬剤師、丸山潤さん(41)は「手帳を見てひやりとしたことは何度もある」と話す。

 例えば耳鼻科で抗生物質を処方された患者。手帳の記録から、この抗生物質と併用できない睡眠薬を飲んでいることが分かった。気付かず使っていたら、睡眠薬が強く作用しすぎるところだった。「ジェネリック医薬品(後発薬)も増えて、薬の種類も多くなっており、以前にも増して飲み合わせや重複投与に注意が必要」という。

 薬剤師や医師にとって手帳は重要な情報源だが、使うかどうかは患者の自由。厚生労働省医薬・生活衛生局は「あくまで患者が自分の薬を理解するための記録」と説明する。

 一方で身近な「かかりつけ薬局」の普及を目指す厚労省は昨年の診療報酬改定で、手帳を持って同じ薬局に通えば、支払いが安くなるよう制度を見直した。医療費の削減にもつながると期待する。

 半年以内に同じ薬局を使ったときの「薬剤服用歴管理指導料」は、手帳がない場合500円だが、手帳があると原則380円になる。患者(3割負担の場合)の支払いは40円減る。ただし、病院前に並ぶ「門前薬局」は、手帳があっても500円になることが多く、薬局で確認するしかない。

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 お薬手帳は、スマートフォンのアプリを使った電子版も増えてきた。

 紙の手帳はスマホを持たない人でも手軽に使えるが、薬局に持って行くのを忘れたり、手帳を新調すると情報を引き継げなかったりするデメリットがある。

 これに対し電子版は、常に持ち歩くスマホで管理でき、情報を蓄積できる。スマホから薬局に処方箋を送る事前受付機能や、薬を飲む時間を知らせるアラームを備えたアプリもある。

 だが電子版に対応している薬局はまだ多くはない。

 全国に677の保険薬局を展開する「総合メディカル」(福岡市)は紙と電子版に対応しているが、薬局企画部長の下新原統志さん(44)は「6、7割の人が手帳を持参し、ほとんどは紙の手帳です」と話す。

 メーカーが独自開発する電子版のアプリは特定の薬局でしか使えないものや、保険適用外のものも混在する。そこで日本薬剤師会は昨年、保険適用基準を満たした27種類(1日現在)のアプリについて、どのアプリを使っていても薬局側が患者の服薬歴を閲覧できるようにする「e薬Link(イークスリンク)」を始め、ようやく利便性が高まってきた。

 下新原さんは「それでもスマホがなく電子版を使えないお年寄りも多い。幅広い世代に使ってもらえるようなお薬手帳の仕組みを、官民一体となってつくっていければ良い」と話している。

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 【ワードBOX】お薬手帳

 医師の処方に基づいて薬を出す保険薬局に提出し、薬の種類や用量、効能、アレルギーや副作用の履歴などを記録する。薬剤師会や企業が、紙製や電子版の手帳を通常は無料で配布している。

 1993年の薬の併用による死亡事件をきっかけに、大学病院などで導入が始まり、2000年から診療報酬制度に組み入れられた。東日本大震災や熊本地震でカルテなどが失われた際に、手帳を使って医薬品を提供する事例が相次ぎ、再注目されている。


=2017/06/03付 西日本新聞朝刊=

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