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親と暮らせない子ども

 厚生労働省の調査では、親と暮らせないなどの理由で、行政が公的に養育する「社会的養護」の対象児は、2016年3月末時点で約4万5千人。多くが児童養護施設(2万7288人)や乳児院(2901人)などの施設で生活している。家庭での育ちを重視し、国が促進している里親委託は、里親4973人、ファミリーホーム1261人の計6234人。養子縁組が成立した子どもはこの数に含まれず、15年度に普通養子縁組が17人、特別養子縁組が462人(いずれも児童相談所と民間あっせん団体分)。

※ワードの説明及び記事の内容は更新日のものです。

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特別養子縁組を考える<上>あっせん団体 新法で許可制に 厳格運用で対象の子を増やす

 実の親が育てられない子どもが、育ての親(養親)の実子扱いとなる「特別養子縁組」。昨年12月には養子縁組児童保護法が成立するなど、国は厳格な運用の下、特別養子縁組を増やそうとしている。より家庭的な環境での養育と、虐待死や置き去りによる死亡などから子どもの命を守ることが目的だ。注目される特別養子縁組について、2回に分けて考える。

 保護者が育てられない子どもの養育には、(1)児童養護施設や乳児院などの施設(2)里親委託(3)養子縁組-がある=表参照。(3)には普通養子縁組と特別養子縁組があり、戸籍上実親との関係が切れ、養親と離縁が原則できなくなる特別養子縁組の方が、より実子に近い家庭環境を子どもに提供できる。

 養子縁組は児童相談所(児相)のほか、都道府県に届け出た民間あっせん団体が行う。昨年12月現在で22団体。交通費など実費以外を受け取る営利目的の実施が禁じられている。

 しかし今月、千葉県のあっせん団体(既に解散)幹部2人が、営利目的であっせんした容疑で同県警に逮捕された。彼らは「自分たちの報酬は相応だ」と主張していた。あっせん団体は費用や養親選びの基準などにばらつきがあり、悪質な事例も懸念されている。新法ではあっせん団体を許可制にし、罰則規定も設ける。より厳格に「子どもの福祉」を守るためだ。

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 22団体のうち、九州では唯一の団体が、福田病院(熊本市中央区)だ。

 同院地域連携室特別養子縁組担当部門の鵜川弘行部長は「特別養子縁組は、虐待防止のために必要な方法の一つ」と話し、新法を「特別養子縁組に国が関与し始めた児童福祉の転換点。悪質団体もふるいに掛けられる」と評価する。

 同院は、全国の20医療機関が加盟する「あんしん母と子の産婦人科連絡協
議会」の方針に基づき、養子縁組を進めている。養親は、居住地の児相から里親認定を受けている▽夫婦そろっている▽安定した収入がある-などを基準とする。

 生みの親の意思確認も慎重だ。産後数日は病室で新生児と過ごし、それでも養子縁組を希望し、児相や弁護士を交えた審議会で「実の親には養育が難しい」と認められた場合にだけあっせんする。そのため成立した件数は、縁組を開始した2013年5月以降、8件。年間350人を超える相談と比べるとわずかだ。

 養親から同院が受け取るのは、赤ちゃんと一緒に病院で4泊5日の育児トレーニングを受けるための部屋代など16万~17万円ほど。人件費などを入れると赤字だ。新法やその付帯決議は、あっせん団体への財政支援や養親の負担軽減の必要性について明記している。

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 あっせん団体と並び、養子縁組に取り組む児相。これまでは児相により活動にばらつきがあったが、昨年5月に成立した改正児童福祉法では、養子縁組は児相の業務として初めて法的に位置づけられた。

 新規の里親登録の半数が養子縁組希望という福岡市では、養子縁組に特化した里親研修も検討している。ただ現在は、家裁への申し立てが養親に限られるなど、養親の負担が大きい。

 同市こども総合相談センターの藤林武史所長は、改正法や新法について「養子縁組を増やすための第一歩」と評価するが、「申し立ての一部の権限を児相に与えるなど、子どもの福祉を最優先に考えた法改正が必要」と指摘している。

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 【ワードBOX】親と暮らせない子ども

 厚生労働省の調査では、親と暮らせないなどの理由で、行政が公的に養育する「社会的養護」の対象児は、2016年3月末時点で約4万5千人。多くが児童養護施設(2万7288人)や乳児院(2901人)などの施設で生活している。家庭での育ちを重視し、国が促進している里親委託は、里親4973人、ファミリーホーム1261人の計6234人。養子縁組が成立した子どもはこの数に含まれず、15年度に普通養子縁組が17人、特別養子縁組が462人(いずれも児童相談所と民間あっせん団体分)。


=2017/03/28付 西日本新聞朝刊=

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