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福岡県糸島市と九州大の連携事業

 糸島市は、九州大と締結した連携協力協定で1件最大100万円を助成している。観光や農業の市の基幹産業以外にも、防災面では大規模災害が頻発する中での情報通信技術(ICT)や地理情報システム(GIS)など。小学生が九大生の授業を受ける「九大寺子屋」、水素エネルギーの仕組みを理解する実験教室など教育面も充実する。
 両者は今年1月、大学の最先端研究を生かして企業や研究所を伊都キャンパス近くに集積させる「サイエンスパーク構想」も発表。新産業の創出や大都市圏に流出しがちな卒業生の雇用拡大につなげる。

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「英知」と「若さ」、糸島をけん引 九大との連携活発 観光、農業分野で芽吹く“種”

 福岡県糸島市は伊都キャンパスに正式移転した九州大との連携を強めている。大学の資産である「学生の若さ」と「最先端の英知」を最大限に活用。連携協定を結んだ2010年以降、通信技術や防災、教育などの分野で年100件以上の事業を進める。市の基幹産業の「観光」「農業」にも連携は広がり、活力を生む“種”が次々と芽吹きそうだ。

 伊都キャンパスは272ヘクタール。広大な敷地は福岡市にまたがる。糸島市の面積は1割ほどにすぎないが、九大との連携は現在形で次々と実現している。

 のどかな田舎道や青く澄んだ海岸線が続く糸島半島。心地よい風を浴びながら走るのが、東南アジアでおなじみの自動三輪車「トゥクトゥク」だ。同大の地域活性化サークル「iTOP(アイトップ)」が合同会社をつくり運行する新たな足が、交通アクセスの乏しさで周遊が不便だった地域を変えようとしている。

 トゥクトゥクの運行は、全国の大学生が参加した市の活性化を考えるコンテストで11年に最優秀賞を受賞したのがきっかけ。学生が運転手を務める予定だったが法律上はタクシー扱いのため断念した。市の事業から外れたものの、昨年11月に工学府大学院生の岩波舜也さん(22)と工学部3年古川友貴さん(21)が沖縄でレンタカー事業として営業していることを知り、約半年で開業にこぎつけた。「学生の力で糸島を元気にしたい」との思いが実った。

 9月22日から営業開始し、10月末まで土日を中心に貸し出す。レンタル料は3時間4860円、6時間8640円。岩波さんら2人は「交通手段としてもアトラクションとしても楽しめる」。永続的な存続も方法も模索している。

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 農業分野などでは「知」が生かされている。今年夏、農学部が開発したブドウの新品種が地元直売所「伊都菜彩(さいさい)」で販売された。「あま伊都」と名付けられたブドウはマスカットと巨峰を掛け合わせた。種がなく糖度20度以上という強い甘みが特長。「甘さは評判通り」と消費者に高い評価を得た。ただ、生産量はまだ少なく、肥料管理や黒の発色が薄いのが課題。地元研究会の大庭茂彌副会長(71)は「来年はもっと生産が増やせる。農学部の移転を機に九大との協力が進めばいい」と期待を寄せる。

 全国的に問題のイノシシを中心にした鳥獣被害対策の研究も市内で進む。九大の情報システム研究院、基幹教育研究院の教員などとNTTサービスエボリューション研究所(神奈川県)は昨年度から、動物の嫌がるにおい、威嚇するための音や光に対する慣れの問題の研究などに当たっている。

 月形祐二市長は「10万人の市なので決定までの動きは迅速。健康分野の研究のサンプリングも取りやすい」とし、隣接する福岡市との違いを強調する。市の特性を生かしながら同大との連携強化を進め、将来の「学術研究都市づくり」にも意欲をみせた。

 ▼福岡県糸島市と九州大の連携事業 糸島市は、九州大と締結した連携協力協定で1件最大100万円を助成している。観光や農業の市の基幹産業以外にも、防災面では大規模災害が頻発する中での情報通信技術(ICT)や地理情報システム(GIS)など。小学生が九大生の授業を受ける「九大寺子屋」、水素エネルギーの仕組みを理解する実験教室など教育面も充実する。

 両者は今年1月、大学の最先端研究を生かして企業や研究所を伊都キャンパス近くに集積させる「サイエンスパーク構想」も発表。新産業の創出や大都市圏に流出しがちな卒業生の雇用拡大につなげる。

=2018/10/01付 西日本新聞夕刊=

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