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自治基本条例

 自治体ごとに内容や名称は異なるが、「前文」に地域の特徴や歴史を踏まえ、目指すべき姿を盛り込むのが通例。条文では、政策の立案段階からの市民参画や積極的な情報公開、地域コミュニティーの尊重などの具体策を定める。2000年に地方分権一括法が施行され、国依存からの脱却が求められる中、制定が広まった。

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自治基本条例低迷 見えぬ効果、九州は施行13%

 地域づくりにおける住民や行政、議会の役割を明文化する「自治基本条例」の制定が低迷している。2000年の地方分権一括法の施行で全国に広がったが、ここ数年は低調。導入自治体は全国の約2割で九州はさらに少ない。地域おこしの方向を掲げる理念的な条例のため、すぐに目に見える成果は表れないが、策定自治体では情報公開の進展や住民意識の高まりといった効果も出ている。人口減などの課題が地方で膨らむ中、識者は「住民と行政の距離を縮めるツールとして今こそ導入を考えるべきだ」と再評価を呼び掛ける。

 「移住者も地域に溶け込みやすい土壌をつくることができた」。リゾート地として名高い人口約5千人の北海道ニセコ町の担当者は条例の意義を強調した。

 町は2001年、まちづくり基本条例(自治基本条例)を全国で初めて施行。「情報共有」と「住民参加」を柱に57条からなる。条例を受け、町は毎年、200ページに及ぶ町予算説明書を作成。課題を職員と町民が議論する講座も随時開く。

 新住民でも町の意思決定に触れやすくなり、新たな地域おこしの動きも生まれた。国内外の移住者が相次ぎ、制定後に人口は約500人増えた。「増加の一端を担った」と町担当者は条例を評価する。

 人口約6万人の福岡県古賀市は17年に「市民一人一人がまちづくりの担い手」と掲げる基本条例を施行した。公募や抽出で選んだ住民30人を中心に2年近くかけ素案を練り上げたのが特徴だ。その一人、水田洋司さん(70)は策定に携わったことで災害対応への課題を痛感し、防災士の資格を取得した。「『担い手』の一人としてできることを実践していきたい。条例の評価はこれから」と意気込む。

 NPO法人公共政策研究所(札幌市)によると、自治基本条例の施行は10年度の38件をピークに、18年度は5件にまで減った。3月時点で全国の都道府県と市区町村計1788のうち施行済みは21%。九州は熊本市や長崎県壱岐市、大分県日田市など32自治体が策定済みだが13%にとどまる。

 成立が進んでいない背景には施行の効果への疑問がある。熊本県天草市長だった安田公寛さん(69)は13年、行政任せの住民意識を変えようと議会に提案したが「目指しているものがつかめない」「住民説明が不十分」と反発され、制定には至らなかった。「住民説明など新たな業務が増えるのを嫌がる職員もいる」(同研究所)などの分析もある。

 一方で、研究所の水沢雅貴理事長は「条例を生かしきれていない自治体が多いのが問題」と訴える。制定を契機に地域課題の共有を住民、行政、議会でより一層進め、「解決に向けた努力を続けるための基盤になり得るのが自治基本条例」と指摘している。

 自治基本条例 自治体ごとに内容や名称は異なるが、「前文」に地域の特徴や歴史を踏まえ、目指すべき姿を盛り込むのが通例。条文では、政策の立案段階からの市民参画や積極的な情報公開、地域コミュニティーの尊重などの具体策を定める。2000年に地方分権一括法が施行され、国依存からの脱却が求められる中、制定が広まった。

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