あの日の空は鉛色だった 永田健 社説・コラム 5/18 6:00 1972年5月15日。沖縄が日本の施政権下に復帰した日、那覇市では雨が降っていた。27年にわたる米軍の横暴な支配に苦しんでいた沖縄県民が待ち望んでいた復帰。しかし沖縄県民...
サンマが導いた民主主義 社説・コラム 5/15 6:00 1960年代、米軍統治下の沖縄で「サンマ裁判」と呼ばれた訴訟があった。今では沖縄でも覚えている人が少ないエピソードだが、これが実に痛快な話なのだ。この訴訟は那覇市で魚仲買...
ちょっと目を離した隙に 社説・コラム 5/8 6:00 私はもう年寄りなので物事の変化についていくのに苦労する。特に言葉だ。この前まで使われていた単語が別の単語に変わっているのが困る。そんなときは年寄りらしいひがみ根性を発揮し...
ああ、締め切り人生 社説・コラム 5/1 6:00 私の記者歴も40年になるが、記者生活とは毎日毎日、または毎週毎週のサイクルで締め切りとの闘いである。私はこの間「締め切りのことを考えない1週間」を経験したことがない。左右...
岸田氏は何をしたいのか 社説・コラム 4/24 6:00 岸田文雄政権の支持率が高値安定の傾向にある。「何でも検討」で「何をしたいのか分からない」との批判を呼ぶ一方で、その低姿勢ぶりがこれまでの政権との違いを際立たせ、有権者に好...
「ちゅらさん」の時代 永田健 社説・コラム 4/20 6:00 NHKの新しい連続テレビ小説(朝ドラ)「ちむどんどん」が先週から始まった。米軍統治下の沖縄で生まれ育った女性が上京し、沖縄料理店を開く夢を持つ物語だという。朝ドラで沖縄と...
4月は「謎の万能感」の季節 社説・コラム 4/17 6:00 4月は入学、就職、人事異動など新たな環境で活動を始める時期だ。心機一転の高揚した気分のままに、やたら高い目標をたくさん立てる。しかし力及ばずにすぐ行き詰まり、全て失敗に終...
「不都合な共通点」に気付く 社説・コラム 4/10 6:00 ロシアのプーチン政権によるウクライナ侵攻をウオッチしていて、あることに気付いた。米国主導の多国籍軍がイラクに侵攻したイラク戦争(2003年)と、開戦の理由付けに共通点があ...
「例え話」が必要な理由 永田健 社説・コラム 4/6 6:00 「クラスの遠足で、O君がクラスメート47人のうち7割分の荷物を1人で持たされている。O君が先生に『きついです。なんとかしてください』と訴えると、先生はこう言った。『その右...
「沈んでいる人」とともに 社説・コラム 4/3 6:00 2月下旬以来、テレビニュースのトップは朝も昼も夜も、ほとんどウクライナ情勢だ。核大国のロシアが国際法を無視して隣国ウクライナに侵攻する蛮行。街が燃え、住民が逃げ惑う。けが...
序曲「1812年」自粛に思う 社説・コラム 3/27 6:00 ロシア人作曲家・チャイコフスキーの序曲「1812年」は、華やかな曲が多い彼の作品の中でもひときわ派手である。何しろクライマックスで大砲の発射音が...
「わからない」を考えた 社説・コラム 3/20 6:00 問い日本人は他国に比べ、世論調査で「わからない」と答える人の割合が高い傾向があります。あなたはこれをどう思いますか。A良い傾向だB良くない傾向だCわからない...
続くか「地元愛飲み」 永田健 社説・コラム 3/16 6:00 居酒屋に入ってとりあえずビール、そして焼酎とか日本酒とか度数の強い酒へ-というパターンの酒飲みは多い。そんな人が沖縄へ旅行すれば、オリオンビールからスタートし、それから泡...
微力だが無力ではない 社説・コラム 3/13 6:00 ロシア・プーチン政権によるウクライナ侵攻が始まって2週間余りが経過した。軍事大国で国連安全保障理事会常任理事国であるロシアの蛮行を前に、国連も欧米諸国も日本も今のところ経...
「クマの後ろ姿」に油断した 社説・コラム 3/6 6:00 ロシアのプーチン大統領によるウクライナ侵攻が国際社会を揺るがせている。日本のロシアウオッチャーたちは「可能性があるとは思っていたが、まさか本当にやるとは…」と驚きを隠さな...
「糸で縄を買った」のか 社説・コラム 3/1 6:00 外交問題を担当していて感じたのは、日本の外務省にとって戦後外交のとりわけ大きな「成功体験」は二つあり、それは沖縄返還と日中国交正常化だ、ということである。特に沖縄返還は、...
「なれのはて」を生きる 社説・コラム 2/27 6:00 「困窮邦人」のうわさは私がタイのバンコクに駐在していた2000年代半ばごろからちらほら耳にしていた。困窮邦人とは、何らかの事情で日本を出て海外で暮らし始めたものの、うまく...
プロ野球は人事が面白い 社説・コラム 2/20 6:00 私のプロ野球の知識は松井秀喜さんやイチローさんが日本で現役だった頃で止まっている。福岡の地元球団ソフトバンクホークスについても、現役プレーヤーの名前はモイネロ選手しか知ら...
石原氏は何を思ったか 社説・コラム 2/13 6:00 1995年4月14日、政治担当記者だった私は何の気なしに衆院の記者席で本会議を眺めていた。演壇では議員在職25年の表彰を受けた石原慎太郎氏が記念の演説をしていた。「日本は...