日本初の減圧蒸留100%芋焼酎
宮崎県日南市は、県南部にある飫肥(おび)藩の城下町。「九州の小京都」とも称されています。井上酒造は、1894年にこの地で創業。130年近い歴史を刻んでいます。地域に根差した酒造りを続けるとともに変革も目指し、焼酎業界では初めてとなる「コンピューターによる醪(もろみ)の温度管理」にも成功。さらに1983年には、減圧で蒸溜させた国内初の芋焼酎「爽 飫肥杉」を発売。減圧蒸留とは、40~50度ほどの低温で沸騰させることで、口当たりがまろやかなお酒になるのだそうです。以来、「飫肥杉」は社の代表銘柄として親しまれています。

酒蔵の敷地内には、澄んだ水が湧き出ており、1993年には「榎原(よわら)湧水」として「宮崎の名水21選」に選ばれました。
国産キャビアの商品化
同社は2012年、国産のキャビア商品化を目的に、チョウザメの養殖をスタートさせました。キャビアはチョウザメの卵を塩漬けにしたもので、フォアグラ、トリュフと並ぶ「世界三大珍味」とされています。
養殖にも、「榎原湧水」が使われています。

宮崎県でのチョウザメ研究の始まりは1983年。国の研究機関から県の水産試験場小林分場にチョウザメが持ち込まれたことがきっかけです。以来、生産から利用に至るまでの技術が確立されました。
井上酒造では養殖を始めてから7年後の2019年、「日南発(ひなた)キャビア」を発売。キャビアは、焼酎との相性も良いそうです。

チョウザメは卵だけでなく、身も美味しく、しっかりとした歯ごたえが特徴だそうです。
井上酒造では、身を使った商品「キャビアフィッシュの燻製」も販売しています。

贈答に最適な「神武」
このほか同社のおすすめ商品が、原料、製法、貯蔵のすべてにこだわって造った「神武」シリーズ。贈答用として人気があります。芋焼酎は、甘みの強い「安納芋」を炭火で焼いてから仕込み、さらに甕で長期間、貯蔵熟成させています。
麦焼酎は「麦全麹仕込み」という製法で造った原酒を、十年にわたり貯蔵したものや、ワイン酵母を使って仕込んだ焼酎を樫樽で長期貯蔵した原酒をブレンドしたものなど、通常の商品よりも手間ひまをかけ、本格焼酎の魅力を最大限に引き出しています。

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