宮崎の名酒「百年の孤独」とは?特徴や味わいなど隠された人気の秘密を解説!

プレミアム芋焼酎が3M(魔王、村尾、森伊蔵)ならば、プレミアム麦焼酎は「百年の孤独」と評されるほどの一品。

そんな百年の孤独の特徴から味わい、隠された人気の秘密までまとめてご紹介します。

目次

百年の孤独とは?

百年の孤独とは、宮崎県の大人気蔵元である黒木本店が製造するプレミアム麦焼酎。

焼酎では珍しく、オーク樽で長期間ねかせたことによる力強く、かつ複雑な味わいが特徴です。

また、かの有名な世界的文学作品でもある「百年の孤独」と同じ名を冠していることでも有名な銘柄です。

百年の孤独を生み出す「黒木本店」とは?

創業は明治18年(1885)、宮崎県の中心に位置する児湯郡高鍋町に蔵を構えています。

以来、「人と自然」に重きを置いた時間と手間を惜しまない、徹底したやり方で焼酎造りを実施。

日本酒やワインといったほかのお酒も並行して造る蔵元も近年珍しくない中、黒木本店では創業当時から変わらない「焼酎一筋」を貫いています。

ここではそんな黒木本店を象徴する3つの特徴を紹介したいと思います。

【特徴1】自然循環農法

昨今のSDGsムーブメントによる持続可能な農業が推奨され始める以前から、黒木本店は自然循環農法という人間と自然が一体となった焼酎造りを行うことで知られています。

黒木本店では自社で「甦る大地の会」という法人を運営し、自らおよそ40haの畑で原料(麦、芋、米)を栽培。

特筆すべきは、製造過程で生じる廃棄物(醪かすなど)を有機肥料として再利用している点です。

風土を生かし、なるべく自然本来に近い形で栽培から収穫まで一貫して人の手で行う手法は代々引き継がれています。

こうした「自然の恵みから生まれた焼酎を最後は自然に還す」という蔵元の強い思いが、多くの黒木本店ファンを生んでいる所以と言われています。

【特徴2】雄大な自然

宮崎県は天孫降臨で知られる高千穂海峡や、天照大神の天岩戸隠れなど、神話と伝説が詰まった県として知られています。

また、マンゴーや宮崎牛、地鶏の炭火焼きなどグルメな県としても大変人気。

そんな宮崎県、実は「 太陽と緑の国」と言われるほど全国でも有数の日照時間を誇る自然豊かな場所

これが、酒造りに大きく貢献しています。

さらに、酒造りで重要な要素となる「水」においてもこの地は恵まれています。

蔵元が位置する児湯郡は古くから良質な湧水の産地として名高くていねいに濾過された軟水は柔らかい口当たりで繊細な風味が感じられる焼酎を生み出します。

【特徴3】伝統的製法

大勢の蔵元が機械化を進める中、黒木本店では多大な時間と労力がかかるにも関わらず手作業による伝統製法を一貫して続けています。

例えば、発酵のもととなる酒母造りでは「かめ壺仕込み」。

大麦の糖化やアルコール発酵に欠かせない麹や酵母は他社から仕入れず、すべて自社で手作り。

さらに蒸留工程では、「木製蒸留器」という、当時伝来した蒸留器をそのまま再現して利用しています。

ここまでの徹底した環境と酒造りへの配慮が、全国の焼酎ファンから支持される大きな要因の一つといえるでしょう。

『かめ壺仕込み』
土中に「かめ壺」と呼ばれる焼物を用いて発酵を行うこと。
メリットは大きく2つあると言われている。

①かめ壺の微細な気候部分から酸素が流入し発酵を助けてくれる。
②焼酎造りに良い影響を与えてくれる微生物によってまろやかで複雑な味わいが生まれる。

かめ壺仕込みの様子

『木樽蒸留器』
ステンレスタンクが開発される以前の伝統的な蒸留器。
メリットは大きく2つ。

①まろやかで力強い味わいになる。
②蒸留時にほのかな木の香りが移り、複雑味が増す。

木樽蒸留器

気になる百年の孤独の特徴とは?

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原材料度数容量
麦・麦麹40度720ml

百年の孤独の特徴を一言で表すなら「焼酎とウイスキーの融合」。

麦焼酎らしい柔らかい口当たりと麦の風味に、ウイスキーを思わせる樽由来の淡い琥珀色に、オーク香がきれいに溶け込んでいます。

味わいは、まず口に含むと麦チョコを思わせる風味とアルコールのボリューム感がゆっくり広がります。

そして余韻に向かうにつれ、シガー、クローブ、オークのウッディーさが複雑なニュアンスを生み出してくれるのです。

そのほか、もう少し具体的に百年の孤独の特徴を見ていきましょう。

【特徴1】ウイスキーを思わせる長期熟成

百年の孤独の味わいを語る上で欠かせないのが、ホワイトオーク樽による長期熟成です。

一般的な焼酎は、蒸留後1年以内に出荷されるものがほとんど。

これは焼酎の場合、蒸留直後から味の荒々しさが少ないことや、樽香よりも原料本来の個性を活かしたいという考えの生産者が多いことが挙げられます。

しかし、百年の孤独は管理コストがかかるにも関わらず、麦と樽の香ばしさの調和を求め、ホワイトオーク樽を使って熟成させています。

また、3年熟成、4年熟成、5年熟成といった熟成期間の異なる原酒を巧みにブレンドする工程は、まさにウイスキー造りそのもの。

「ピュアな樽香のついた若い味わい」と「年数を重ねた複雑かつ落ち着いた味わい」が調和し、見事なまでに洗練された味わいを表現しています。

【特徴2】世界的文学作品の名を冠する

百年の孤独と聞くと、真っ先に文学作品の方が頭に浮かんだ方もいるかもしれません。

もちろんこの名前の一致は偶然ではなく、そこには深いエピソードが隠されています。

百年の孤独がリリースされたのは、ちょうど蔵の創業100年目のとき。

当時の蔵本代表の黒木敏之氏は若い頃は文学青年だったそうで、ガブリエル・ガルシア=マルケスの「百年の孤独」を読み、衝撃を受けたそうです。

【ガブリエル・ガルシア=マルケス】

20世紀の世界文学を代表するコロンビア人作家。
ラテンアメリカ文学ブームを牽引し、1982年にはノーベル文学賞を受賞。
代表作は「百年の孤独」「コレラの時代の愛」で世界傑作文学100に選出。

当時、劇作家であった寺山修司によって百年の孤独が映画化されましたが、表題にその名を冠することは認められませんでした。

そこで代表の黒木さんは寺山修司へのオマージュとして、ガルシア=マルケスさん本人に電話をして直談判し、見事許可をもらって現在に至ったそうです。

ちなみに、ガルシア=マルケスは挑戦好きな革新性のある人で、彼の小説には異文化や異民族、未開拓地といったテーマが根底に根ざすものが多いと言われています。

文学や芸術とは異文化であるお酒で、革新的なことを成し遂げたいという思いで名前を拝借したのではないかなど、さまざまな解釈の余地があることも、ある意味、芸術作品に近い感覚を覚えます。

百年の孤独をさらにおいしく感じる豆知識

百年の孤独は、その造りや銘柄名エピソードを知るだけでも興味深いことばかり。

そんな知られざるエピソードをご紹介します。

天皇陛下がご愛飲していた!?

百年の孤独は、今上天皇である徳仁様が皇太子時代に愛飲していたということで、人気を博した歴史があります。

お酒ではほかにも、皇室御用達や天皇皇后両陛下、皇太子がご愛飲ということで「芋焼酎の倉岳」や「米焼酎の鳥飼」も一躍有名になったことも。

また、徳仁様はヴィオラをお弾きになるなど、音楽にも深い関心があるそうです。

実は、百年の孤独のラベルには有名なジャス奏者であるエリック・ドルフィーの次の言葉が刻まれています。

When you hear music ,after it’s over, it’s gone in the air.
You can never capture it again.

音楽は終わったら消えさってしまう。
二度と取り戻す事はできないんだ。

エリック・ドルフィー

こうした百年の孤独と音楽の関係性も、お気に召した理由だったのかもしれません。

百年の孤独は偶然の産物!?

百年の孤独、実は偶然の産物だったというのをご存知ですか?

当時、黒木本店では芋焼酎を主に造っており、麦焼酎はブレンド用途がメインでした。

そこで試しに準備していた麦焼酎を樽に入れ、3年ほど寝かせてみたことが、後に人気を博す百年の孤独の始まりだったのです。

その時代、まだ焼酎を長期熟成するという発想はなく、ブランデーやウイスキーを彷彿させる味わいは蔵元の人も当時は驚いたそう。

今でこそプレミアム焼酎として愛される百年の孤独ですが、意外にも始まりはそうした軽い試みだったのです。

「百年の孤独」のおすすめの飲み方

焼酎は世界的にみても幅広い温度帯で楽しめる珍しいお酒。

そのため、焼酎の味わいを最大限引き出すために欠かせないのが「飲み方」です。

今回のような長期熟成を経た味わい深いものは、適した飲み方でその個性をより引き立たせることができます。

【飲み方1】ストレート

ありのままの風味を堪能するためにおすすめなのが「ストレート」。

樽由来のクローブ、ナツメグといったスパイス香、ほのかなヴァニラの風味に、余韻がじわ~っと広がる麦の甘みと香ばしさが感じられます。

ウイスキー同様、常温が香り、風味を味わうためにはベスト。

しかし、どうしてもアルコール感が気になる方は少し冷えた状態でいただいても問題なし。

冷えた状態の方が麦の香ばしさがよりタイトに感じられ、後味もスッキリと流れていきます。

【飲み方2】トワイスアップ

百年の孤独を嗜むうえで、実は筆者が最もおいしいと考えている飲み方が「トワイスアップ」。

トワイスアップとは通常、ウイスキー通の方がよく利用する飲み方。

常温の水を20mlほど加水することで芳香性が増し、アルコール感も和らぐことで口当たりも良く飲みやすくなります。

アルコール度数が高く、ウイスキーのようなオーク香をともなうスタイルの焼酎だからこそできる、飲み方の一つです。

【飲み方3】ロック

氷を入れてゆっくり時間をかけて楽しむ「ロック」。

冷やされることでアルコールの刺激が和らぎ、甘味よりも麦の香ばしさが口中で引き立つようになります。

また、よりおいしくいただくポイントとして丸氷を使用するのもおすすめ。

もしなければ市販のロックアイスでも問題ありませんので、なるべく家庭内製氷器の小さな氷は使用しないこと。

理由は丸い氷は溶ける速度が緩やかで、時間と共にゆっくり溶けてお酒と馴染んでいくためです。

オーソドックスな飲み方であるからこそ、少しこだわるだけでさらにおいしくいただけます。

丸い氷は溶けにくい

氷は表面積が小さいほど、空気や液体に接触する部分が狭くなるため溶けにくくなります。

球体は立方体よりも表面積が小さくなるのでウイスキーや焼酎をロックで飲む際は丸氷が推奨されています。

【飲み方4】水割り

食中酒として最もおすすめなのがこちらの「水割り」。

先程のトワイスアップ以上に加水されるため、さらに飲みやすくなります。

適度な麦の甘みと香ばしさが口中に残ることで料理の味を邪魔せず、むしろ良いアクセントとして引き立ててくれるのです。

おすすめの割り方は1:1ですが、まずはトワイスアップ程度の分量で試してみるのが良いでしょう。

【おすすめ3選】百年の孤独とマリアージュ

焼酎単体でも申し分なく楽しめる百年の孤独ですが、やはり料理と合わせることでより一層美味しくいただけます。

そこで筆者の体験も踏まえた、「おすすめマリアージュ3選」をご紹介したいと思います。

なかにはコンビニやスーパーで手に入るものもあるので、ぜひ一度手にとって試してみてくださいね。

【地元の絶品と合わせる】地鶏の炭火焼き

「地鶏の炭火焼き」は宮崎県が誇る絶品のお酒のお供。

宮崎県では薩摩(鹿児島)よりもライトなスタイルの芋焼酎文化が根付いているため、芋のソーダ割と一緒にいただく機会が多い傾向にあります。

しかし、実は麦焼酎とも相性は抜群。

何ともいえない炭の香ばしさと口に残る心地よい苦味が、百年の孤独の麦チョコのような風味と口の中で溶け合います。

■ロック
■水割り、ソーダ割

【麦とヨード香が見事に調和】サザエやアワビの壷焼き

畑の幸と海の幸が見事な調和を見せてくれるペアリングが「サザエやアワビの壺焼き」。

実際にソムリエ協会からも正式にペアリング推奨されているほど間違いない組み合わせです。

実は、強烈なピート香のウイスキーで有名なスコットランドのアイラ島では、生牡蠣に地元のモルトウイスキーをかけながら食べる文化があります。

それに倣い、同じ麦を原料に蒸留された麦焼酎も合わない訳がありません。

貝類の放つ磯や潮といったヨード香を麦の芳しい香りがきれいに引き立ててくれます。

また、貝類特有の「肝の苦み」は「アルコールや樽由来の苦み」と打ち消し合うため、それが逆にミルキーかつコクのある旨味をもたらしてくれます。

■ストレート
■ロック
■ソーダ割

【晩酌のお供に】チョコレート

手軽に準備できる上に、ハズれない組み合わせが「チョコレート」。

麦の風味強めの麦焼酎は全般合いますが、中でも百年の孤独のような長期間の樽熟成を施しているものはより好相性。

アーモンドやカシューナッツ入りのもの、カカオ多めのビターなものでも、先ほどの貝類同様「異なる苦味」の相乗効果が生まれます。

中でも筆者一押しなのが麦チョコ。

両者に共通する麦チョコの香ばしくも甘やかな香味が、余韻にかけて上品に交わります。

■ストレート
■トワイスアップ

百年の孤独を堪能した後に

百年の孤独の余韻に浸った後は、ぜひほかの黒木本店のラインナップも手に取ってみてはいかがでしょうか。

黒木本店は元々芋焼酎をメインに造る蔵元だったため、芋焼酎のラインナップが最も充実しており、とくに「橘」はフローラルな味で人気の定番銘柄です。

米焼酎では百年の孤独同様に小説の名を冠した「野うさぎの走り」。

麦焼酎では「中々」や「陶眠中々」といったコスパ抜群の商品もあります。

そのなかでもとくに、「中々」は百年の孤独の原酒に使われていることでも有名なため、あえて「中々」を嗜む焼酎愛好家も多くみられます

中々

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上品で優しい麦の香りとキャラメルを思わせるような甘く香ばしい風味が特徴。

百年の孤独の原酒にもなっていることから、多くの焼酎愛好家が好んで嗜む一本となっています。

原材料度数容量
麦・麦麹25度720ml

陶眠中々

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中々をさらに熟成させた一本。

円みのでた味わいに、麦の力強い風味がより一層増したコクのある奥深い味わいとなっています。

原材料度数容量
麦・麦麹28度720ml

野うさぎの走り

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黒木本店が醸す唯一の米焼酎。

なめらかな口当たりにほのかにナッツを思わせる香ばしさ、お米の旨味が印象的です。

原材料度数容量
米・米麹37度600ml

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いい意味で芋独特のクセがないフローラルなタイプ。

柑橘類を思わせるフレッシュな香味に芋のほのかな甘みが溶け込み、きれいな余韻が続きます。

原材料度数容量
芋・米麹25度1800ml

百年の孤独の購入方法

ここまで百年の孤独について色々みていると、実際に手に取ってどんなものなのか味わってみたいですよね。

しかし、百年の孤独のようなプレミアム焼酎はそう滅多に近くのスーパーや酒屋で見かけることはできません。

そこで、現時点で可能な購入方法として2つの方法を紹介したいと思います。

それぞれにメリット、デメリットがあるので、しっかり吟味して購入してみてくださいね。

【方法1】特約店

最も信頼できる購入方法が特約店での購入です。

特約店とは、メーカーと特別な契約を結んで優先して卸してもらっている販売店。

また、定価で購入することが可能なのも嬉しいポイントです。

下記のURLから黒木本店の特約店一覧がご覧いただけるので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

■黒木本店ホームページ「特約店一覧」
https://www.kurokihonten.co.jp/distributors/

【方法2】オンラインショップ(楽天やAmazonなど)

手軽に、素早く、百年の孤独を手に入れたい方はオンラインショップがおすすめ。

特約店の場合、県や地域によっては特約店が近くにない方や、せっかくお店に出向いても人気商品のため品切れになっている可能性が高いです。

一方、オンラインショップで品切れになっていることは稀ですし、注文から素早く配送も行ってくれるため手間もかかりません。

しかし、オンラインショップで注意していただきたい点は2つあります。

1つ目は「価格が定価よりも高値で取引されていること」

2つ目に「出品者によっては適切な保管がされておらず品質劣化の可能性があること」

手軽で便利な一方、こうした懸念点があるためオンラインショップではしっかりと口コミをチェックするなどし、吟味する必要がありそうです。

まとめ

プレミアム麦焼酎として、今もなお多くの焼酎ファンを虜にしている「百年の孤独」。

また、それを生み出す黒木本店の焼酎造りへの徹底した取り組みや信念を知ると、益々彼らの焼酎が好きになりますよね。

自分へのご褒美はもちろん、お世話になっているお酒好きの方や、小説の百年の孤独ファンの方への贈り物としてもぴったりの銘柄です。

ぜひ、特約店やオンラインショップで探して手に取ってみてくださいね。

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この記事を書いた人

YAKUSAKE編集部 田中のアバター YAKUSAKE編集部 田中 【JSA認定ワインエキスパート】

お酒(特にワイン)とサウナが好きなフリーランススペイン語講師。
学生時代のスペイン留学中にワインの魅力に囚われる。
帰国後はヴィノスやまざきでインターンを経験し、同年にJ.S.Aワインエキスパート取得。

【My Web】スペイン語学びたい方
https://www.8pejum8blog.com/

【HOME WiNE】ワインスタートアップ会社のお手伝いもしています
https://homewine.jp/

【SAKE COMI】お酒の総合Webメディア SAKECOMIでもライターを務める
https://sakecomi.com/

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