焼酎がお好きな方なら「甲類焼酎」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
一般的に甲類焼酎は糖質が少なく、ダイエット中の方などにもオススメ。
クリアで口当たりが良くシーンを選ばないお酒です。
カクテルのベースとしても使用しやすいので、色々試してみるのも面白いでしょう。
そこで本記事では、簡単カクテルレシピはもちろん、甲類焼酎の選び方やおすすめ銘柄を解説していきます。
甲類焼酎の特徴
【特徴1】アルコール度数35度未満が甲類に分類される
焼酎は酒税法により、「甲類」と「乙類」の二つに分類されます。
甲類焼酎と乙類焼酎は、主に「蒸留方法」「アルコール度数」「原料」の3つが異なります。
甲類焼酎を造るときに使用されるのは「連続式蒸留器」です。
一方、乙類焼酎は「単式蒸留器」で蒸留されます。
甲類焼酎のアルコール度数は36度未満、乙類焼酎は45度以下と定められています。
加えて、連続式蒸留器で蒸留されており、アルコール度数35度未満の物を甲類。
単式蒸留器で蒸留し、アルコール度数45度未満の物を乙類と定義しています。
また、甲類焼酎は酒粕や廃糖蜜を原材料とする発酵液で造られています。
一方、乙類焼酎の原材料は麦や米・芋などの穀物です。
甲類焼酎 | 乙類焼酎 | |
---|---|---|
蒸留器 | 連続式蒸留機 | 単式蒸留器 |
アルコール度数 | 35度未満 | 45度未満 |
原材料 | 酒粕・廃糖蜜を原料とする発酵液 | 主に米・麦・芋などの穀類等 |

クリアで雑味がない味わい
甲類焼酎は連続式蒸留機によって造られます。
そのため、味わいはクリアで雑味がありません。
特にアルコール度数の低めの物は、クセがなくスッキリしているのが特徴です。
よって、ロックや水割りはもちろん、お茶割りやレモンサワーなどでもご堪能いただけます。
ご自身のお好みで、色々アレンジして楽しめるのも魅力の一つでしょう。
「モロミ」を何度も繰り返し蒸留する
甲類焼酎は「糖化」「発酵」「蒸留」「貯蔵」「貯蔵・ブレンド」の順番で製造されます。
特筆すべきは、蒸留過程。
連続式蒸留機を使用し、原料を発酵させた「モロミ」を何度も繰り返し蒸留をします。
それにより酒質が限りなく透明感のある物に。
その後、貯蔵や精製などの工程を経て、味わいのある焼酎が完成するのです。

主原料はサトウキビやコーン
酒税法により、焼酎の原料として発芽させた穀類や果実は使用できません。
甲類焼酎の主原料はサトウキビやコーン。
特に一番使用されるのはサトウキビです。
サトウキビから砂糖を作った時に出来る糖を含んだ液体や、サトウキビの搾り汁などを使用して造られます。
また、何を原材料にするかで若干製造方法も異なります。
例えば、サトウキビを原料とする場合、仕込み工程を一部短縮させ直接発酵させてもろみを造ることができます。
一方、コーン・米、麦などを使用する際は、糖化させてから発酵を行います。
その後、出来上がった発酵モロミを連続式蒸留機で蒸留し「粗留アルコール」を製造。
主にこの「粗留アルコール」を造る工程までは海外で行われ、国内各メーカーは輸入したものを使用しています。
各メーカーは、輸入したこの粗留アルコールをさらにもう一度連続式蒸留機で蒸留します。
それから貯蔵・精製され、私達の手元にやってくるのです。

連続式蒸留機によって大量の原料を効率よく処理できる
連続式蒸留機とは発酵モロミを連続的に投入して蒸留を行い、同時に留液を得る蒸留装置です。
1826年(文政9年)スコットランドのロバート・スタインによって発明されました。
その後、進化して現在採用されている装置の原型は、1831年(文政14年)アイルランドのイーニアス・カフェが開発したと言われます。
内部に十数段から数十段の棚段を持ち、高く大型なのが特徴。
それゆえ、単式蒸留(器)と区別をするために連続式蒸留(機)と記載されることの方が多いかもしれません。
稼働中は各棚で精留が何度も繰り返され、90%以上のアルコール濃度を持つ酒を取り出すことが可能。
また、熱効率に優れ、大量の原料を効率よく処理することができます。
この装置の出現が、焼酎造りを大幅に飛躍させたといっても過言はないでしょう。
「日の本焼酎」が甲類焼酎の元祖
甲類焼酎が初めて造られるようになったのは1910年(明治43年)です。
前述の通り連続式蒸留が1826年(文政9年)にスコットランドで発明され、やがて日本へも伝わりました。
そして、1910年(明治43年)、日本酒精(株)が切り干し芋を原料にして連続式蒸留機で製造した「日の本焼酎」を販売。
この製品は「ハイカラ焼酎」と呼ばれ、品質が良くリーズナブルな価格だったため大人気となりました。
これが現在の甲類焼酎の元祖です。
ここからさらに発展していき、現在健康志向の高まりなどにより糖質ゼロの焼酎を使ったレモンサワーがブームとなっています。

甲類焼酎の選び方
【選び方1】アルコール度数で選ぶ
甲類焼酎を選ぶときは、アルコール度数をチェックするのがおすすめです。
アルコールが弱い方は、20度程度の度数低めのアイテムを選ぶと良いでしょう。
ウーロンハイやレモンハイのベースとして使用する場合、やや高い25度前後のものをお試しください。
【選び方2】容量で選ぶ
甲類焼酎の容器には、紙パック・ペットボトル・瓶など色々なものが採用されています。
飲み終わったときのことを考えて捨てやすいものを選ぶと良いでしょう。
一番簡単に捨てやすいのは紙パックです。
地域によっては、瓶などは捨てづらい場合もあるので調べてみてください。
また、サイズも購入前にチェックされると良いでしょう。
毎日晩酌される方は、5Lほど入っている大容量サイズのアイテムを選ぶとコスパがよくなります。
しかし、大容量のアイテムは保管場所も必要になります。
高温多湿の場所は保管には向きません。
適した場所にどれだけ保管出来るかも考慮し、購入してみてください。

甲類焼酎おすすめ10銘柄
韓国焼酎 ビダン
原料に麦のみを使用した高級韓国焼酎です。
「ビダン」とは韓国語で絹織物を意味します。
特筆すべきは、地下253mの岩盤から汲み上げられた石間水を使用していること。
石間水を使用する事で、麦のほのかな甘味をゆっくりと感じられるアイテムに仕上がっています。
マイルドな味わいなので、ロックで召し上がってもクセを感じません。
また、喉ごしは軽快で、合わせる食事を選びません。
和食や洋食はもちろん、中華との相性もバッチリ。
自宅でお食事パーティーなどをされる際にピッタリの焼酎です。
メーカー | アルコール度数 |
---|---|
アサヒビール | 25% |
SAZAN
SAZANは連続式蒸溜機「カフェスチル」で蒸溜した焼酎を使用したアイテム。
カフェスチルは世界でも10本残存していないとても希少な連続式蒸留機です。
カフェスチルは、アイルランド人のイーニアス・カフェが1831年(文政14年)に開発しました。
現在使用されている連続式蒸留機の原型となっています。
日本ではニッカウヰスキー株式会社の宮城峡蒸留所が採用しています。
カフェスチルで蒸留すした焼酎を使用する事により、コーヒー豆のような甘味が漂う味わいに。
とくに牛乳で割るとより甘味を感じられるので、ぜひお試しください。
メーカー | アルコール度数 |
---|---|
アサヒビール | 25% |
韓国焼酎 鏡月
発売以来連続13年、日本国内の韓国焼酎シェアNo.1のアイテムです。
主な原料はサトウキビの絞り汁。他に麦、米、とうもろこしなどが使用されています。
仕込み水には雪岳山系の湧き水を採用。
化学処理せずこの湧水を使用しているため、存分に天然のミネラル成分が焼酎に活かされています。
よって、透明感のあるスッキリした口当たりに仕上がっています。
また、果実フレーバーを加えた物などラインナップも豊富。
ご自身の好みで色々試してみるのも良いでしょう。
メーカー | アルコール度数 |
---|---|
サントリー | 25% |
トライアングル インディゴ
マイルドな口当たりが特徴な甲類焼酎です。
スイートコーンや米などから造られた複数のスピリッツに、サトウキビの搾り汁から製造した蒸留酒をブレンド。
それぞれの味わいがバランスがよく、調和されています。
クリアで淡麗なので、とくにハイボールやレモンハイなどにするとスッキリと味わえます。
ビンのデザインがかわいいので、ご友人の家で行う飲み会のお手持ちにすると喜ばれるでしょう。
メーカー | アルコール度数 |
---|---|
サッポロビール | 25% |
キッコーミヤ焼酎 キンミヤパック
アルコール度数が35度なので、カクテルのベースにおすすめのアイテムです。
他、梅酒や果実酒などを作る際にホワイトリカーとして使用するのも良いでしょう。
このアイテムはお茶やホッピーとの相性も抜群。
割り材の味をしっかり引き立てます。
20度や25度の商品もあり、アルコール度数を考慮して選択することもできます。
ご自宅でカクテル作りに挑戦したい方は、ぜひこちらのアイテムをお試しください。
メーカー | アルコール度数 |
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宮崎本店 | 35% |
宝焼酎 ピュアパック
樽貯蔵熟成酒をブレンドした円熟味ある甲類焼酎。
しっかりした味わいながら、喉越しが軽快で飲み飽きないので毎日の晩酌にもピッタリ。
1本購入して、自宅に常備しておくと重宝するでしょう。
さらに、ロックやソーダ割りなど飲み方を変更するだけで、ガラリと雰囲気が変わります。
20度とアルコール度数が低めなので、お酒が弱い方にもお楽しみいただけます。
また、紙パックに入っているので、飲み終わった後捨てる時も楽チン。
リーズナブルな甲類焼酎を晩酌用に探されている方におすすめのアイテムです。
メーカー | アルコール度数 |
---|---|
宝酒造 | 20% |
宝焼酎 純
1977年(昭和52年)発売以来、30年以上多くの方に愛されて来た甲類焼酎。
11種類の樽貯蔵熟成酒を13%使っているので、マイルドでほのかに甘味を感じられるのが特徴です。
後味が軽快なため、中華や洋食などのこってりした料理との相性が抜群。
特にハイボールにすると、爽やかながら甘味が綺麗に続きます。
是非、食事のお供にハイボールにしてお召し上がりください。
メーカー | アルコール度数 |
---|---|
宝酒造 | 25% |
韓国焼酎 JINRO
世界各国で親しまれている有名な甲類焼酎です。
主な原料は米と麦を中心とした穀類を使用しています。
スーパーアロスパス製法で5回連続蒸留を行い、不純物を限界まで除去しつつ蒸留液を製造。
その後、その蒸留液に韓国馬山の地下深水をブレンドしています。
クリアで雑味がないのがJINROの魅力。
それ故、濃厚な韓国料理によく合います。
韓国料理を召し上がる際にぜひお試しください。
メーカー | アルコール度数 |
---|---|
眞露 | 25% |
宝焼酎 レモンサワー用
レモンサワーを作るために開発された焼酎です。
原材料には、サトウキビ糖蜜と大麦などの穀物とレモンマートルを使用。
レモンペアリング製法という特殊製法で造られています。
レモンのような風味がしっかり効いたテイスト。
その後サトウキビ糖蜜の甘い香りが続きます。
特に、焼酎1:炭酸水3の比率にポッカレモン少々加えて召し上がるのがおすすめ。
レモンの爽やかなテイストがくっきりと浮かび上がってくるでしょう。
レモンサワー好きの方に是非ともおすすめしたい焼酎です。
メーカー | アルコール度数 |
---|---|
宝酒造 | 25% |
極上 宝焼酎 エコペット
焼酎その物をダイレクトに楽しみたい時にピッタリのアイテムです。
大麦とトウモロコシから製造した蒸留酒を樽で熟成した後、3%加えています。
円やかなテイストで、穀物由来の甘味がゆっくり静かに消えていきます。
特に甘味を楽しみたい方は、ロックにしてレモンスライスを浮かべて飲むと良いでしょう。
焼酎好きな方の晩酌用にピッタリの甲類焼酎です。
メーカー | アルコール度数 |
---|---|
宝酒造 | 25% |
甲類焼酎のおすすめの飲み方
サイダーなどの清涼飲料水で割る
グラスに氷を入れて焼酎を注ぎ、サイダーを静かに入れ氷をマドラーなどで軽く持ち上げるようにして作ってみてください。
氷を持ち上げる際、サイダーの泡を潰さないようにすると良いでしょう。
また、焼酎と清涼飲料水の割合は3:7くらいがおすすめです。
ライムやレモンを搾って加えるとより爽やかさになります。
焼酎に今まで馴染みのない方にもおすすめの飲み方です。
ホッピー割り

ホッピーは、ビールテイストの清涼飲料です。
アルコール度数が低いため、割り材として非常に適しています。
雑味のない甲類焼酎はホッピーとの相性はぴったり。
基本的な甲類焼酎とホッピーの割り方は1:3がですが、お好みに合わせて比率を変えてみて下さい。
さっぱりとしながらもビールの苦味も含んだ複雑な味わいなので、お食事にも良く合います。
食中酒で迷われた場合にぜひお試しください。
オリジナルカクテルレシピ
甲類焼酎はクリアな味わいなのでカクテルのベースにも適しています。
オリジナルカクテルレシピをご紹介しますので、ぜひチャレンジしてみてください。

【レシピ1】 酸味が効いたスッキリカクテル
1. 焼酎20ml、グレープフルーツジュース20ml、クランベリージュース20ml、ガムシロップ少々用意する
2.1の材料と氷をミキサーに入れて極軽くミキサーで混ぜる
3. グラスに注いで完成
酸味が効いたスッキリしたカクテルです。
普段アルコールを召し上がらない方にもおすすめです。
【レシピ 2】デザートにおすすめな甘いカクテル
1.焼酎40ml、カルーア20ml、生クリームを用意する
2. まず生クリームを泡立てる。持ち上げてゆっくりと流れ落ちる程度の固さが良いでしょう。
3. その後ロックグラスに大きめの氷を入れ焼酎とカルーアを入れ、ゆっくりかき混ぜる
4.3が見えなくなるくらい、たっぷりと生クリームを乗せる
お好みでチョコチップを飾るのも良いでしょう。
デザートにおすすめなカクテルです。
【レシピ3】甘口ジンジャーカクテル
1. 焼酎45ml、ライム、ジンジャーエールを用意する
2.ライムを絞って15mlほど用意する
3.氷と焼酎とライムをミキサーに入れて混ぜ合わせる
4.3をロンググラスに入れ、その後ジンジャーエールを注ぐ
甘口のジンジャーエールを使用すると、ライムの酸味が引き立つでのおすすめです。
まとめ

甲類焼酎はマイルドな酒質なため、シーンや人を選びません。
また、後味も軽快なので飲み飽きる事もないでしょう。
リーズナブルな銘柄が多く、気兼ねなく試せるのも魅力です。
今回ご紹介したアレンジレシピを使用すれば、ご自宅が居酒屋に大変身。
ご自宅で飲み会などをされる際、ぜひ参考にしてみてください。