これからの契約はデジタルで。オンラインで契約をマネジメントする「クラウドサイン」
デジタル化、コロナ禍など社会がめまぐるしく変化し、企業もこれまでと同様の経営では、将来の展望が描きにくくなってきている。西日本新聞社は、これから50年、100年先を見据えたDX時代の持続可能な地域、企業づくりを応援するために「福岡DXカンファレンス2023」を1月20日(金)、福岡市中央区のみらいホールで開催する。ここでは、当日登壇する5企業を紹介。国内の電子契約市場でトップシェアを誇る契約マネジメントプラットフォーム「クラウドサイン」を手がける弁護士ドットコムの稲葉誠人氏に話を聞いた。
インタビュイー
クラウドサイン事業本部 マーケティング部
チームマネージャー 稲葉 誠人氏
一橋大学卒業後、大規模イベントの企画・運営を行う外資系企業の日本法人において各種イベントの集客および出展企業の募集プロモーションチームの責任者を務める。2020年に弁護士ドットコムに入社し、クラウドサイン事業本部 マーケティング部で自社イベントやセミナー・展示会などのイベントマーケティングやコンテンツ作成の業務をメインに担当。現在はイベントマーケティング領域のマネージャーを務める。
弁護士監修による法的に安心な「電子契約」で業務を効率化

「将来は“契約=クラウドサイン”がスタンダードになるよう目指す」と稲葉誠人氏 提供:弁護士ドットコム
―弁護士ドットコムで展開している「クラウドサイン」の内容とは。
弁護士ドットコムでは、オンラインで契約締結できる「クラウドサイン」というサービスを提供しています。クラウド上に契約書をアップロードし、メールでやり取りすれば締結が完了。契約書のPDFに電子署名とタイムスタンプを付与すれば法的な証拠力を確保できます。「紙と印鑑」を使用する必要がなく、また締結済みの契約書はクラウド上に保管されるので、捺印や郵送・製本などの手間や時間を省けます。
―同サービスの「強み」は、どのような点にありますか。
電子契約はコロナ禍を機に広く認知され、普及が拡大していったという背景があります。その普及をリードしたのが我々、弁護士ドットコムです。それ以前から契約方式の信頼性を伝えるロビー活動に取り組んでいましたので、クラウド型電子契約のパイオニアであると自負しています。電子契約サービスを提供する会社は数多くありますが、弊社は売上シェア、契約送信件数、市場認知度、導入自治体数のいずれも国内ナンバーワン(※1~4)です。
さらに、弁護士監修のサービスという点も強みの1つです。弊社の代表取締役も弁護士ですし、クラウドサイン事業の責任者も弁護士です。電子契約を利用するにあたって皆さんが懸念されるのは「物理的な押印のないデジタルの契約書が法的に有効なのか」という点ですが、弊社のサービスはしっかり日本の法律に準拠し設計・運営していますので、法的に安心です。
※1:富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場2022年版」(電子契約ツール、2021年度実績) ※2:電子契約総合研究所調べ。調査方法は外部調査機関によるヒアリング。事業者署名型電子契約を提供する主要企業が対象(2021年度実績) ※3:電子契約総合研究所調べ。調査方法は外部調査機関によるアンケート調査(2022年6月時点 ※4:証実験を除く/自社調べ。

契約を電子化することで得られるメリット 提供:弁護士ドットコム
―電子契約を導入するメリットとは。
メリットは大きく分けて4点あります。
1つ目は、締結のスピードアップと業務の効率化です。紙の場合、書類を印刷して押印し、封筒に入れて郵送して…という手間がかかります。上司から社長までの押印にも時間を要し、契約を交わす相手先の署名・押印までに1~2週間かかるケースも見られます。それが電子契約では、社内も相手先もメールの連絡で同意を得られれば1~2日で締結できます。
2つ目は、印紙代や郵送代の削減です。オンラインの契約書には印紙を貼付する必要がありません。さらに書類を郵送する必要もなくなりますので、そのコストが削減できます。
3つ目は、いつでもどこでも契約締結ができるという点です。通信環境さえ整っていればオンラインでできますので、例えば出張中やリモートワーク、在宅勤務の場合でもメールで連絡が取れれば可能です。
そして4つ目は、締結後の契約書がクラウド上に自動的に保管されていく点です。締結された契約書の製本やファイリングが不要になれば、業務の効率化につながります。締結後の契約書は検索できますので、過去の契約書を参照したい場合も短時間で確認することができます。
九州では小城市、菊池市など。信頼のサービスで自治体も導入

クラウドサインを導入する自治体が増えている 提供:弁護士ドットコム
―福岡や九州の企業、自治体での「クラウドサイン」導入状況は。
現在、導入企業・団体は首都圏や関西地域が多いのが現状です。企業の母数との比率で言えば九州や北海道も多いと思いますが、九州は一層注力したいエリアです。ただ現在、九州をはじめ全国の地方自治体での導入が急速に進んでいて、九州では佐賀県小城市、熊本県菊池市、鹿児島県志布志市が導入くださっています。自治体は数多くの企業と取引がありますので、そのおかげで認知がさらに広がっています。我々としても自治体への普及に力を入れています。
―DXに関して、福岡や九州に期待することがあれば。
福岡は国内で4番目に大きな経済圏だと捉えています。また九州には熊本市、鹿児島市という大都市があり、ポテンシャルの高さを感じています。電子契約が普及することで九州の経済に与えるインパクトは大きいでしょうし、積極的に活用してもらえればと考えています。
管理機能を拡充「クラウドサインする」をスタンダードに

契約に関する管理機能を拡充して展開 提供:弁護士ドットコム
―今回、「福岡DXカンファレンス2023」への参加目的を。
昨年、福岡市で開催された同様のイベントに参加したところ、とても反響が大きかったのです。電子契約というシステム自体を知らなかったという企業の担当者も多く、これは我々としてもしっかりと周知する必要があると認識しました。今回、福岡の皆さんに知ってもらうよい機会と捉え、参加を決めました。
―今回の講演で特に訴求したい点は。
さまざまな企業でITツールの導入が進んでいますが、ハードルが高いと感じている企業が多いのも現実です。特に地方ではハードルもより高いのではと感じます。しかし電子契約に関して言えば、そんなに難しいツールではありません。実際に志布志市では昨年秋に運用を開始し、現在までに契約締結の約9割でクラウドサインを活用されるまでになっています。このように簡単に利用できるツールである点と、電子契約の便利さと実際のメリットなどをしっかりとお伝えしたいです。
―「クラウドサイン」の今後の展望を。
まずは契約書管理の機能を拡充していきたいと考えています。クラウドサインは契約書の管理も含めた「契約マネジメントプラットフォーム」である点を一層、充実させていきます。
また最近、クラウドサインで締結された契約書の内容(取引先の会社名や取引金額、契約締結日といった情報)をAIで読み取り、データとして管理する「AI契約書管理機能」サービスをリリースしました。データ管理によって、より簡単に検索でき、電子帳簿保存法への対応もかなりスムーズになります。この他にも契約管理を効率化するための機能の拡充を目指します。
もう1つは、さらなる自治体への提案です。電子契約が官民で当たり前の契約締結の方式となるように努めていきます。九州でも現在、クラウドサイン導入を検討されている自治体が多くあります。将来的には「契約する」ではなく、「クラウドサインする」をスタンダードにしたい。これが我々の目標です。
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