「技術を事業成長のエンジンに変える」福岡発ITベンチャーの伴走支援
「事業を伸ばしたい。でも、テクノロジーをどう使えばいいかわからない」「システムにお金をかけているのに、なぜか事業のスピードが上がらない」そんな企業の悩みに対して、技術とビジネスの両軸で企業の成長に伴走する会社がある。福岡市の「ホライズンテクノロジー株式会社」だ。技術のスペシャリスト集団でありながら、ビジネスとマーケティングの視点を併せ持つ。上場企業からスタートアップまで、支援先は幅広い。
「システムを作る会社ではなく、技術で事業を動かす会社でありたい」と代表取締役CTOの大谷祐司氏は言う。その言葉の意味は、福岡発の越境EC(海外向けEコマース)企業・Bless International株式会社との伴走に、色濃く表れている。
日本の商品を世界へ 福岡発・越境EC企業の挑戦
ホライズンテクノロジーが2024年から伴走するのが、Bless International株式会社だ。購入代行サービス「Neokyo」と越境EC事業の2軸で、日本の商品を世界に届けている。月間10万点を取り扱い、海外の評価サイトでも高い評価を獲得。代表取締役の佐藤光男氏は創業以来事業を拡大しており、数年内には100億円規模を目指している。
成長の裏側でシステムの課題があらわに
だが、成長の裏側である問題が起きていた。
増加するトラフィックやデータにより、インフラ強化の必要性が高まっていたが、多国籍のエンジニアでつくる自社チームは、システム基盤の大規模アップデートに注力していたため、インフラ領域については追加的なリソースや専門的な支援の検討が進められていた。
「事業成長のスピードをもっと上げたい。でも、我々に見えていない弱点がある。誰に相談すればいいのか、わからなかった」と佐藤氏は振り返る。開発リソースを増やせば解決する問題ではない。技術の話ができて、事業の判断もできる。そんな相談相手が見当たらなかった。
共鳴した2人の起業家
そんなタイミングで出会ったのが、ホライズンテクノロジーの大谷氏だった。
「日本のいいものを海外に届けるという佐藤さんの思いに、強く共感しました。私たちのビジョンは『強い日本を取り戻す』こと。非常に可能性を感じました」と大谷氏は振り返る。
「マイナスをゼロに」そして現場へ
2024年6月、ホライズンテクノロジーによる伴走が始まった。将来のスケーラビリティを見据えたインフラ再設計を実施し、サイト速度の向上と遅延の解消を実現。最初は「マイナスをゼロにする」ことに集中したが、そこで終わらせなかった。
ある日、大谷氏はBless Internationalの倉庫を訪れた。
そこは、大量の商品が動く現場。梱包作業、在庫管理、出荷チェックと、システムの裏側で人が動き、物が動いていることを目の当たりにした。
「それまではコンピューターの閉じた世界だけを見ていたんです。しかし、ここに来て、システムの裏にリアルがあると認識できました」と大谷氏は言う。
システム、物流、マーケティングが複雑に連携し、365日24時間止まらないサービス。業務フロー、KPI、現場の動き……ホライズンテクノロジーのメンバーは徹底的にインプットを続けた。
「どこに投資するか」を一緒に決めた
Yahoo!フリマ、Amazon、ZOZOなどのプラットフォーム連携、テスト体制の整備、新規事業のエンジニアリング支援など、手を付けるべき課題はいくつもあった。
「システム面だけでなく、ビジネスとして、どこに投資・注力すると結果的にインパクトが大きいかを意識して提案してくれました」と佐藤氏は語る。
半年をかけた事業理解が、意思決定の土台となった。Yahoo!フリマとの連携を最優先としたところ、特定カテゴリーの売上が約10倍に成長。その後、Amazon API、ZOZOへと連携を拡大した。
「優先順位を一緒に決めてくれたからこそ、成果が出たと思います」と佐藤氏は振り返る。
物流部門まで知っている
Bless Internationalへの伴走支援は、技術部門にとどまらない。週2回のミーティングにはホライズンテクノロジーのコアメンバー3名が参加し、マーケティング、セールス、物流と、ほぼ全部門と顔が見える関係を築いている。
「物流部門のスタッフまで知っている協力企業は、珍しいと思います」と佐藤氏は言う。
この深い関与は、ホライズンテクノロジーの文化そのものだ。
「私たちは、一緒に事業を伸ばしたい、成長していきたいと思えるお客様としかお付き合いをしておりません。私たち自身も、事業視点を持って主体的に一緒にやっていくという企業でいなければ、お客様から選ばれないと思っています」と大谷氏は言い切る。
「システムの完成がゴールではない。要件定義が来たからその通り作ればいいという発想のメンバーは、うちには一人もいません」と大谷氏が語るように、同社のそうした姿勢が、強力なパートナーシップの土台となっている。
「次の抹茶」を共に探す
Bless Internationalは現在、抹茶のBtoB事業も手掛けている。今後は購入代行で蓄積したデータを活かし、「第2の抹茶、第3の抹茶」となる商材を探し、次なる事業成長を目指している。こうした取り組みにもホライズンテクノロジーがデータ分析の面から伴走を始めている。
「新規事業をどう作り込んでいくか、一緒に考えてくれる仲間がいるのは非常にありがたい」と佐藤氏は力を込める。
「Bless Internationalの佐藤さんのビジョンをどう一緒に実現するか。まだ誰も見つけていないチャンスを探して、提案し続けたいです」と大谷氏も語る。
テクノロジーを事業成長のエンジンに変え、福岡から世界へ。2社の挑戦は、まだ始まったばかりだ。
ホライズンテクノロジー株式会社
設 立:2020年7月
所在地:福岡県福岡市西区愛宕4丁目1-23 Atago Deck 5F
事 業:テクノロジーを活用した新規事業の立ち上げ・グロース支援/Web・業務システムの企画・開発/UI/UX設計・Webデザイン/DX・業務効率化に関するコンサルティング
URL:https://www.horizon-cg.com/
Bless International株式会社
設 立:2009年4月
所在地:福岡県福岡市中央区平尾3-7-21 3F
事 業:購入代行事業「Neokyo」/クロスボーダーEC事業(越境EC)/各種貿易関連業務/海外向け商品の企画・開発・製造・販売
URL :https://www.bless.co.jp/