デジタル化ってなんだっけ? 本来のバックオフィス業務の効率化を実現する「BtoBプラットフォーム」
デジタル化、コロナ禍など社会はめまぐるしく変化している。企業もこれまでと同様の経営では、将来の展望が描きにくくなってきている。西日本新聞社は、これから50年、100年先を見据えたDX時代の持続可能な地域、企業づくりを応援するために「福岡DXカンファレンス2023」を1月20日(金)、福岡市中央区のみらいホールで開催する。ここでは、当日登壇する5企業を紹介。企業間取引を電子化する「BtoBプラットフォーム」を手がけるインフォマートの田中康貴氏に話を聞いた。
インタビュイー
クラウド事業推進部門 事業推進1部
副部長 田中 康貴氏
2011年入社。入社後、BtoBプラットフォーム受発注の営業を経て、14年からBtoBプラットフォーム請求書の立ち上げに参画。営業部門、稼働部門、大手営業部門、パートナー部門の立ち上げに従事。3,000社超の経理業務改善サポートに携わり、22年からTRADE事業の責任者を務める。
企業間で発生する商取引をデジタル化する第一歩。インボイスに対応する「BtoBプラットフォーム請求書」とは

「企業間取引の全てをデジタル化するメリットをさらに周知したい」と田中康貴氏
―インフォマートで展開しているソリューションやサービスの内容を。
今期、設立25期目の当社は、企業間で発生する取引をデジタル化する「BtoBプラットフォーム」を提供しています。仕入れ先や発注先、得意先や販売先との契約書、見積書、注文書、納品書、請求書の受け渡しといった商取引全てが対象です。文書ごとにデジタル化することも可能ですし、見積もり~請求までを一気通貫でデジタル化するサービスも提供しています。また、フード業界や製造業界に特化した受発注サービスも提供しています。
今回のカンファレンスでは「BtoBプラットフォーム請求書」を紹介します。従来、請求書は紙もしくはPDFファイルで受け渡しするのが一般的ですが、それに付随する作業がかなりの業務負荷であり、付帯業務も発生します。例えば紙だと、四つ折りにして封筒に入れて送る発送作業、受け取った側は封を開けて紙を取り出し、記載内容を見て会計システムなどに入力する作業が必要です。このような業務をなくしてデータで受け渡しができるのが「BtoBプラットフォーム請求書」です。
―御社の「強み」をどう捉えていますか。
大きく3つあります。
1つ目は、「D2D(Data to Data)」に特化したサービスだという点。例えば現在、電子請求書と言われると紙の請求書をPDFで受け渡すことをイメージされるかと思います。しかしこれは、文書の電子化はできたもののデジタル化できておらず、業務効率化が図りづらいです。業務負荷は紙の受け渡しとほとんど変わらず、解決できているとすれば、発送作業ぐらい。受領側は、結局それを印刷するわけで、効率化できていません。一方、当社が提供するD2Dはテキストデータでの受け渡しで、CSVデータで好きに出力できるため、データの2次活用が可能。双方で業務効率化が実現できます。
2つ目は、現行のシステムと連携できる点です。テキストデータでの受け渡しのため、他社のサービス、他のシステムともしっかり連携できる仕様となっています。この連携の豊富さは、他社に負けない自信があり、大きな強みです。
3点目は、既に80万社を超える企業が当社のIDを持っておられる点。D2Dをなかなか導入できないのは、取引の相手がいて、今のやり方を変えられないから。そんな中、福岡県内の多くの企業様が当社のIDを保持しており、取引先も既に当社のIDを持っている可能性があります。その場合はすぐに相手とつながることができるため、D2Dがスピーディーに実現できます。
インボイス制度を機にインフォマートがハブ役を担い、D2Dで企業をつなぐ
―九州エリアまたは地方都市での導入事例は。
私は現在、東京を拠点にしていますが、高校まで福岡で育ち、福岡でも営業を長く担当しておりました。県内の多くの企業様が請求書のデジタル化に興味・関心を示しておられます。例えば福岡県内ではスーパーを展開する企業、調剤薬局・ドラッグストア、九州内では養蜂業や建設業の企業などで採用いただいており、業種や規模は多岐にわたっています。
―福岡や九州の市場にどんな印象や実感を持っていますか。
2、3年前から導入企業が非常に増えている印象です。背景には、コロナ禍という環境の変化、脱ハンコ、人材不足の流れもありますが、大きくは法改正が影響しています。
これまで請求書といわれる文書は、税法上、紙で7年間保管することが当たり前でした。それが、「電子帳簿保存法」の改正に伴い、従前よりデジタル化しやすい環境に変わったことも一因です。
さらに、2023年からインボイス制度が開始されます。請求書を発行する側は「適格請求書」で事業者登録番号をつけて送らなければならず、受けた側はそれが適格請求書かどうか、事業者登録番号が合っているかの確認が必要に。何より明細に沿って税率ごとに検算しなければいけない。経理業務が煩雑になることを危惧される企業が増加したのが大きな要因になっていると感じます。
また、請求書をPDFやメールで受け渡すのではなく、テキストデータ(Data to Data)での受け渡しを希望される県内企業様が増加しています。
効率化してこそのデジタル化。一気通貫で管理できる「BtoBプラットフォームTRADE」

提供:インフォマート
―「福岡DXカンファレンス2023」への協賛の目的や訴えたい内容を。
「デジタル化ってなんだっけ?」を改めて問いかけたいです。デジタル化というのは、文書をただ電子化するのではなく、文書の発送・受領・保管に関わる業務を効率化するところまで指します。
デジタル化を進める上で重要なのは、何を達成させたいのかという「目的」です。多くの企業では 電子化をして法令対応や業務効率化をしたいが、“現状を変えたくない”という意識がまだまだ根強く、今を変えたくないからとりあえずPDFで電子化を始めようと検討されます。電子化することが目的であればそれで問題ないですが、業務効率化やコスト削減を目的とする場合は今の業務フローを変えない限り、目的は実現できません。現状の業務フローは紙で行うことを前提に作られた業務フローであることを再認識いただきたいです。
そこで、これからのインボイスや電子帳簿保存法などの法令対応を乗り越える上で、電子化とデジタル化の違いについて詳しくご説明したいと思います
―デジタル請求書のほかにも紹介される予定とか。
見積もりから請求までを一気通貫で管理できる「BtoBプラットフォームTRADE(以後:TRADE)」というサービスもご紹介します。見積書や発注書、納品書、検収書も請求書同様に税法上保管義務があります。また、23年に始まるインボイス制度は請求書を指しているわけではなく、「適格請求書」の要件に沿った文書を指すため、取引先によっては納品書や検収書がインボイスの対象になる可能性があります。仮に請求書だけデジタル化しても他の文書の保管やインボイスの対応をどうするのか課題が残ります。
そこで、TRADEというサービスをご利用いただくことで見積書~請求書までデジタル化でき、業務効率化やコスト削減はもちろん、法令対応が実現します。
最近、建設業者様での「TRADE」導入が増加しています。建設業は見積もりや契約、出来高のやり取りなど取引文書が非常に多く、バックオフィスの効率化に苦労されています。TRADEを導入いただくことで外注取引やレンタル・資材・消耗品などの取引をデジタル化することができ、業界ならではの商習慣にも対応できる点などを評価いただいております。当日は建設業者様の事例もご紹介します。
―請求書だけでなく全ての文書をデジタル化できれば、現場の庶務作業も経理での処理もスピーディーになりますね。
そこまでを解決するのがバックオフィス業務のDX化の最終形、デジタル化の最終形と捉えています。取引先も同様です。
例えばプラットフォーム上で相手側に請求書を作ってもらうわけですが、実はこれもボタン一つ。納品書を使って請求書を作るので、相手側も請求書作成の手間がなくなります。取引先も含めてデジタル化し双方の生産性を上げることができます。
―話を聞いていると、御社は企業のコンサルタント的な役割も求められているのではないでしょうか。
そうです。結局、現在の業務フローを見直すというのが、このシステムのポイントだからです。逆に、当社のシステムに業務を合わせてもらえれば絶対に効率化できる。これまで1万社を超える企業様の声を聞いてきましたので、コンサルティングまでは到底及ばないものの、経理業務の最適化のアドバイスが可能です。
―インフォマートの今後の展望を。
請求書だけではなく、「TRADE」も展開していくことで、企業間取引の上流部分である見積もりからデジタル化できるサービスを広げたい。デジタル化のメリットや事業に与える良い影響を、九州はもちろん、日本国内全ての企業に理解いただけるよう活動していきます。
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