「DXで変わる!北九州市の企業」白石書店 書籍の受発注業務をデジタル化 業界全体Dも後押し
北九州市内のDX事例をご紹介します。なお本事例を含むDXに先進的に取り組まれてきた中小企業の事例と、これまで(公財)北九州産業学術推進機構(FAIS)が運営する「北九州市ロボット・DX推進センター」におけるデジタル化・DXの支援事例を冊子にして、2月15日(木)に開催される北九州DXカンファレンスで来場者の方にお配りいたします。
白石書店は1923(大正12)年創業、100年の歴史を誇る老舗書店として、北九州市内に2店舗、遠賀郡に1店舗を展開。一般書籍・CD・雑貨販売のほか、小中高校の教科書を取り扱い、学校・公共図書館図書納入に高い実績を誇る。
白石隆貴統括マネージャーは商品の選定や店の経営方針策定を担当。業界自体がアナログの世界の中で、自社のみならず書店・出版業界のデジタル化を後押ししようと模索している。
受発注すべて「手書き注文票」で管理
白石さんは、陳列の見直しやSNS発信、絵本の読み聞かせの動画配信、販売システムの開発など多くの経営改善に取り組んでいる。特にコロナ禍を機に開発した学校販売サービス「Raku-Buy」は、スマートフォン一つで決済から受け取り・宅配まで可能。教科書販売時の「密」を回避し、休校時にも対応可能なシステムとして生徒や保護者に喜ばれている。
しかし、顧客から書籍の注文を受け付けるメインの「客注」業務は、いまだに手書きで作成した注文票で、入荷から受け渡しまでを管理。 後日、入荷した書籍の注文票を探し出すのにも手間がかかっている状況だ。人手不足の中、何とかデジタルによって「客注」業務の効率化ができないかと北九州市ロボット・DX推進センターに相談した。
現状業務を見直しシステム概要設定
特有の流通形態もあり、販売店や取次店、出版社間でのデジタル化も進んでいない。まずは、注文の受け付けから、取次店または出版社への発注や入荷、顧客への受け渡しまでの業務をデジタル化することを目指した。しかしシステム開発業者へ提案を依頼するにしても、業界特有の作業の流れと必要なシス テム機能の洗い出しが必要だった。
同社を担当することとなった専門家の尾上祥一さんは、次の3点を支援した。
1. 「客注」業務デジタル化へ向けたシステムの概要設定
2. システム構成と業務フローのまとめ、概算費用提示
3. 現状業務との隔たりや物理的課題などの整理
尾上さんは関西在住のため、最初はリモートで相談し、その後はメールでやりとり。毎回の課題についてきちんと期限を設定していくことで、スムーズに進んだ。「これまでいかにタスク管理ができていなかったかに気付かされ、リモートとメールの支援自体がいい経験になった」と白石さんは振り返る。
「デジタルって楽」。業務通じ実感
デジタル化された「客注」業務は、若いスタッフには受け入れられたが、手書きに慣れた年配社員らは、なかなかそうもいかない。しかし、時間が短縮される現実に触れ、「デジタルって楽なんだ」と認識を深めているところだ。
「当社がいい事例となって周囲の書店に広げたい」と白石さん。自社だけでなく、 業界全体のデジタル化を加速させる。
【動画公開中】
DXで変わる!北九州市の企業
白石書店編
支援者メッセージ
「DX化の夢」 、ビジョンを描いて進む
最初はエクセルの導入からのスロースタート。それをどうシステム化していくか、デジタル化かDXまでホップ、ステップ、ジャンプという格好です。出版販売業界としてどうDXが進んでいくかを課題とされていることに強く共感し、共通の目標として大きなビジョンを描かせていただきました。
白石さんはすごく行動力のある方で、ビジョンに向けて見事に突き進んでいます。「DX化の夢」の共有。これが最大のポイントではないでしょうか。
DX&データマネージメント・コンサルタント (センター登録専門家)
尾上 祥一さん
(住所:大阪府堺市 事業内容:データ活用を通じて新たな価値創造とサスティナブル経営の支援。DX推進を会社に浸透させる活動を全国展開で支援ほか)
■有限会社 白石書店
代表者:代表取締役 白石 隆之
住所:北九州市八幡西区力丸町23-15
1923年創業。一般書籍、雑誌のほか、特に小中高校の教科書や医学書販売で実績を誇る老舗書 店。北九州・遠賀地方に3店舗展開。カフェの経営やコロナ禍で始めた絵本の読み聞かせの動画配信など、意欲的に新規事業に取り組んでいる。
■北九州DXカンファレンス
日 時:2024年2月15日(木)13:00~ ※12:30開場
会 場:北九州国際会議場(北九州市小倉北区浅野3-9-30)
参加費:無料/事前申込制
https://specials.nishinippon.co.jp/kitaq-dx2024/