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人材不足・生産性の向上・激変する環境への対応…… あなたの会社の経営課題をDXで解決しよう!

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公益財団法人北九州産業学術推進機構
2026/3/31 7:002026/3/31 7:00 更新)

北九州市の先進事例に学ぶ「DX実践ガイドブック」発行

 「人手不足で業務が回らない」「作業効率が低く、生産性が上がらない」「業務の属人化が著しく、先々の事業継続が不安」「新規事業に取り組まないと社会環境の変化に対応できない」……。多くの中小企業がこのような悩みを抱えながらも、なかなか踏み出せていないのではないだろうか。  

 一方、DX(デジタル技術を活用した改革)に取り組み、課題解決、新たなビジネスモデル構築など成果を上げている企業もある。先駆的事例として、北九州市内の中堅・中小企業5社が令和7年度「北九州DX大賞」を受賞。3月26日、北九州国際会議場で表彰式と事例発表会が開かれた。  

 北九州市が主催する「北九州DX大賞」とは、DXで事業変革や生産性向上を実現した同市内の中堅・中小企業を表彰、モデルケースとして取組事例を発信する制度。令和5年度に創設され、地域全体のDXレベル向上に大きく寄与している。また、経済産業省のDXセレクションにおいて市内企業が4年連続で受賞するなど、DXの先駆的な事例が生まれている地域でもある。

令和5年度北九州DX大賞グランプリを受賞した西原商事

 その一方で、「そもそもDXとは何なのか?」「どのように取り組めばよいか分からない」といった声があがり、「DX =デジタル化」との思い込みから、「社内にITスキルのある人材がいない」「経費がかかるから無理」と最初から敬遠する傾向もいまだ根強い。

DXは目的ではなく手段 自社の「経営課題」を見つめることから

 そこで、公益財団法人北九州産業学術推進機構〈FAIS〉北九州市ロボット・DX推進センターでは「DX実践ガイドブック」を発行した。経産省「DXセレクション」や「北九州DX大賞」に選定された中小企業9社の事例を紹介。

 DXとは「デジタル化」を目的とするものではなく、「より高い経営目標を達成し、企業価値を向上させるための『手段』」であるという視点から、各社が「自社の経営課題を見つめ、解決に向けてデジタルをどのように活用したか」という取り組みを紹介している。

企業のDX取組事例を紹介したガイドブック

 熟練技術者の高齢化が課題となっていた白海(土木施工管理)は、掘削作業の自動化・可視化システム、自動出来高測量・遠隔管理システムの開発によって、経験の浅い若手社員でも対応できるようになった。

 売り上げは増加するものの利益は下がり続けていた戸畑ターレット工作所(自動車部品製造)は、IoTツールの活用、経営指標の「見える化」を通じて生産性向上を実現。松本工業(自動車・住宅部品製造)は、物流自動化・見える化、AI活用などスマートファクトリーを推進。

 大英産業(総合不動産業)は、OCR(光学式文字読み取り装置)、RPA(パソコン上の定型作業を自動化するシステム)の活用で年間2500時間の業務と印紙代1300万円を削減した。

日本初の油圧制御式自動浚渫システムを導入した白海

ケアの質の向上と働き方改革を両立 業界の環境変化、競争激化を乗り越える

 「人の手」によるケアが重視される職場では、ケアの質の向上と働き方改革の両立が課題だ。

 製鉄記念八幡病院では、モバイル電子カルテ導入で病棟看護師の超過勤務が3割減少する一方、病室滞在時間は8.3%増加。情報共有の即時性が高まり、医療の質も確実に向上している。

 小規模保育園を運営するハピクロでは、保育士の業務を「人がやるべき業務」と「機械に任せるべき業務」に切り分けた上でデジタル活用を推進。センサーやAIカメラも導入し、人の限界をデジタルで補いながら「理想の保育」を目指している。

ハピクロ開発の乳幼児突然死症候群予防のための見守り装置

 DXには、必ずしも高価なツール導入、独自のシステム開発が必要なわけではない。

 手作業によるミス、トラブルが日常化していたクラウン製パンは、「Microsoft365」のフル活用をベースに、ミスや労働時間の大幅削減を実現。ドーワテクノス(FA・メカトロニクスなど)では、「商社からコンサルティングファームへ」というビジネスモデル再構築へ向けて、業務の標準化・効率化を徹底、未来志向へと意識改革を進めた。

 一方、業界の変化に対応するためDXに取り組んだ西原商事ホールディングス(廃棄物収集運搬・リサイクル)は、廃棄物管理システムの開発によって、価格競争に巻き込まれることなく難局を乗り越えることができた。

ドーワテクノスのDX推進メンバー

 9社の中には、自社の状況と重なる事例があるのではないだろうか。取り組みの経緯に加えて、「DXは会社を整理整頓するための道具」「デジタル化を進める前に経営課題を整理することが大切」「必要なのは難しい専門知識ではなく行動力。まず、やってみよう」「費用がネックなら、行政の支援もある」といった経営者、DX推進担当者の生の声も興味深い。

 巻末には支援制度や相談窓口も記載されている。先進事例を参考にしながら、自社のDXについて改めて考え、一歩、踏み出していただきたい。

FAISが運営する北九州市ロボット・DX推進センター
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