西日本新聞ビルディングの挑戦 管理会社からディベロッパー事業へ
九州最大都市・天神に本社を構え、ビルの賃貸や運営の管理を主な事業としてきた株式会社西日本新聞ビルディング(福岡市中央区天神1丁目、柴田建哉代表)が、ポテンシャルがある土地を買収し、開発を手掛けるディベロッパー事業に乗り出した。既に福岡市中央区今泉や白金にオフィスビルやテナントビルを建設し、順調な滑り出しをみせている。天神ビッグバンをはじめとして大きな変化を遂げる福岡を中心に新規分野に挑む西日本新聞ビルディングの実像に迫った。
既存概念からの脱却 管理会社だけでは収益拡大は図れない
西日本新聞ビルディングは、西日本新聞社グループの不動産事業拡大を目的に2018年に株式会社西日本新聞会館と株式会社西日本エルガーラビルが合併し、新たなスタートを切った。 主に、西日本新聞会館やエルガーラビルの賃貸事業やホール事業、駐車場事業などを管理する業目を担ってきた。しかし、不動産部PMチームの若杉忠氏によると、 「新型コロナウイルスの影響でホール事業は低迷、管理会社だけではこれから収益拡大を図れない」と事業拡大を決断。既存概念から脱却し、新規事業として不動産部内にディベロッパー分野が新設されたという。
その第一弾として手掛けたのが福岡市中央区今泉にあるオフィスビル『西日本新聞天神南ビル』だ。2020年10月に株式会社西日本新聞総合オリコミの所有地に鉄骨造6階建、延床面積2500平方メートルのビルを着工し、今年1月に完成した。ビルにはグループ会社の入屋が決まっている。
このほかには、福岡市中央区白金一丁目に2階建のテナントビルが今年2月に完成し、ドラッグストアなどが入居する。さらに福岡市博多区東比恵4丁目の土地を取得し、10階建のオフィスビルを建設する。今年春に着工し、2024年9月完成を目指している。
建築後も引き続きビル資産価値の維持向上を図る
西日本新聞ビルティングのディベロッパー事業の特徴として、若杉氏は『管理会社としての 経験を最大限に活用している」と話す。具体的にはビル建築後も、これまで培ってきたノウ ハウを活かして、メンテナンスなどの管理業務を担い続けて、ビルの資産価値を維持向上を図っていくものだ。さらに土地を取得し建築工事着工までの空白期間はコインパーク事業を展開するグループ会社の株式会社悠研社(福岡市博多区2丁目)に一時的に賃貸し、収入源を絶やさない施策を講じている。
また、7月に一級建築士事務所の登録を行った。若杉氏は「一級建築士が2名在籍しており、自ら建築の設計や工事監理を行うことができる体制になった」と指摘。これまでは「こうした設計をしてほしい」という要望を設計者に伝え、結果を受ける受け身の立場だった。それが、主体的に発注者の立場で与条件の整理、設計や工事のチェックや法的な確認、建設に伴うリスク判断などができるようになった。
時代を見据えマンション開発事業もスタート
ビル開発だけではない。時代背景を見据えて新たにマンション開発事業もスタートさせる。 その理由について、若杉氏は『コロナ禍により、ここ1〜2年で在宅勤務やテレワークをする人が増えてきており、部屋探しの条件に変化が見られ始めている。このようなニーズの変化に対応した新しいコンセプトによる賃貸マンションを企画し、展開していきたい。」と説明した。
西日本新聞ビルディングは昨年4月1日付で不動産仲介業者の九州リアルティ・アソシエイツ株式会社(同市博多区博多駅前2丁目)を買収し、子会社化した。「ビル開発するにしても土地がなくてはいけない。それにビルを建てたものの、入居者がいなければ賃料収入がうまれない。九州リアルティ・アソシエイツを子会社化したことで、土地を売りたい人やテナントに入りたい企業などの情報の網目が一気に増えた」と本格的な仲介業務の参戦に自信を深めている。
西日本新聞ビルディングの公式ホームベージ(https://www.nnp-bldg.jp/company/greeting.php)では柴田代表はこう述べている『地域とともに企業活動を進め、そこに集う人々が充実した時間を過ごすためのお手伝いをすることで、地域の発展に貢献することを目指していきます』
まさしくその理念の下、新たにチャレンジしたディベロッパー事業。若杉氏は『開発から管 理までワンストップのサービスをどんどん提供していきたい。みなさんから不動産についてのご相談を心よりお待ちしています」と力を込めた。